あなぶき加賀城建設 マンション修繕工事担当 丹波です。
シリーズで実際の工事内容、各工事内訳項目(どんな工事をするのか)の内容について、数回に分けてご紹介したいと思います。
今回は⑨防水工事(共用廊下・バルコニー・階段編)について書きたいと思います。
目次
- 床面の主な仕上げ
- 床の仕上げと下階天井塗装保証との関係
- 防滑シートを先送りする場合の一工夫
- 体験施設のご案内
- まとめ
床面の主な仕上げ
共用廊下・バルコニー・階段床面の主な仕上げは、次の3種類に分かれます。
防水モルタル又はコンクリート打ちっ放し仕上げ
築十数年以上のマンションはこの仕上げが多いです。
モルタルもしくはコンクリート素地の為、クラック等が有る場合は、下の階への漏水に直結します。
1回目の大規模修繕で防滑シート貼りにすることが多いです。
ウレタン塗膜防水仕上げ
十年以上前の大規模修繕に多く採用された仕上げになります。
ウレタン防水を全面にするため、防水の保証をすることが出来ます。
(密着の場合・・5年 X-2の場合・・10年)
滑りにくくするために、表面に砂を混ぜる為、汚れやすく、摩耗に弱い為、部分的に剥がれたりする場合があります。
メンテナンスは、掃き掃除、拭き掃除、水流し程度しかできません。
デッキブラシ等でこすっての清掃は不可になります。
防滑シート仕上げ
近年の主流は、防滑シート仕上になります。
防滑シートの周囲をウレタン防水で仕上げ、数センチラップさせて防滑シートを貼る方法です。
防滑シートは防水ではないので防水の保証は出ません。(漏水保証×)
剥がれや膨れ等の保証はあります。(品質保証 5年)
メンテナンスは、防滑シート部分のみデッキブラシ等でこすっての清掃も可です。
最近では、表面に汚れが付きにくいコーティング加工された物もあります。
床の仕上げと下階天井塗装保証との関係
よく、天井の塗装がはがれて来ているのを見かけたことはないでしょうか?
上階からコンクリートを伝わって下階の天井に湿気や水が抜けていくのですが、長年たつと天井塗装部分が剥がれてきます。
天井塗装部分の剥がれは、床仕上げと下階天井塗装保証に関係してきます。
ウレタン塗膜防水仕上や、塩ビシートがしていない場合、下階の天井塗装保証は出ません。
逆に、ウレタン塗膜防水仕上や、防滑シート仕上になっている場合は、メーカーや施工会社により異なりますが数年の保証が出来ます。
防滑シートを先送りする場合の一工夫
予算の関係上、共用廊下・バルコニー・階段床の防滑シートを先送り(延期)することがあります。
その場合、溝・巾木の防水のみ施工することが有ります。
もし、溝・巾木を防水する場合は、写真の様に少しだけ床面に防水を伸ばしておくと良いでしょう。
将来防滑シートをする場合、少しでも重ね巾が有れば防水性能は上がります。
逆に、伸ばしていない場合は、見た目は良いですが、防滑シートを将来貼るときに再度防水をするか、そのまま重ね巾無で貼るかになります。
おおむねそのまま貼ってあるケースが多いです。
その場合、防水と防滑シートの隙間から、水が浸入して天井塗装がはがれて来ている物件が多いです。
少しの工夫ですが、防水を少し伸ばしておくと良いでしょう。
体験施設のご案内
紹介してきた工法などが体験したり、見ることが出来る施設が有ります。
「マンション生活学習館 あなぶきPMアカデミー」
場所:〒760-0063 香川県高松市多賀町2丁目-8-2
電話:087-861-7300
http://www.anabuki-housing.co.jp/pm/
目で見て触って体感されると、より修繕について理解しやすいでしょう。
まとめ
共用廊下・バルコニー・階段の仕上げは、防滑シートが主流になってきています。
予算上、どうしても先送りになりがちなのが、足場の必要ない共用廊下・バルコニー・階段です。
先送りにする場合は、まったく工事をしないか、溝巾木のみウレタン防水をする場合、少しだけ平面まで防水を伸ばしておくと良いでしょう。
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丹波良太
以前は、新築工事にたずさわり建物を建てる・作る側の人間でした。現在は、マンション大規模修繕工事の現場管理をしています。担当エリアは北部九州です。出来たマンションを直す仕事です。建物を建てた経験を今は直す事に活かせています。
好きな事は、神社めぐり。心をおちつかせたり、パワーをもらったり。
いつもお参りできるように5円玉を常備しています。
保有資格:1級建築士・1級建築施工管理技士
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