あなぶき加賀城建設 マンション修繕工事担当 丹波です。
シリーズで実際の工事内容、各工事内訳項目(どんな工事をするのか)の内容について、数回に分けてご紹介してきました。
では、工事内訳を決定していくまで、最初の最初に実施しておきたいのが建物調査診断になります。
大規模修繕の入口と言ってもいいでしょう。
今回はこの建物調査診断について書きたいと思います。
目次
- 建物調査診断とは
- 建物調査診断の目的
- 建物調査診断の方法
- 建物調査診断の依頼先(責任施工方式・設計監理方式)
- まとめ
建物調査診断とは
人で言う健康診断の様なものです。
建物で同じ建物は存在しません。
新築時の施工会社、現場監督、施工時期、協力業者によっても建物の劣化状況は異なります。
まず、建物のどこがどのように傷んでいるのか調査していくのが建物調査診断になります。
建物調査診断の目的
建物のひび割れ・仕上げ材の浮き・コンクリートの剥離・鉄筋の露出等の劣化状況・不具合傾向を把握し、改修が必要かの判断及び、工法・数量を把握する事が目的です。
※調査も重要ですが、皆さんが普段建物に感じている事を調査者に伝える事、調査者は要望を聞き取る事も重要になります。
意見を言わなかったり、要望の聞き取りが不十分な場合、要望が反映されない大規模修繕となり、不満足な工事となるでしょう。
建物調査診断の一般的な方法
●ひび割れを確認する「目視調査」及び手の届く範囲をテストハンマーにて打診し浮きの発生を調査する「打診調査」
●塗装面の塗膜付着強度を調べて、既存塗装上に塗装が出来るか判断する試験「塗装塗膜付着力試験」
●中性化がコンクリート内部のどこまで進行しているかを測定する試験「コンクリート中性化試験」
以上のような調査を実施し、補修方法などを検討していきます。
※全面打診調査をしない場合、劣化部分の予想数量が実数に近づいていくために、バルコニー面の調査協力していただける件数が多いほど良いです。
建物調査診断の依頼先(責任施工方式・設計監理方式)
では誰に建物調査診断を頼むのか?決める必要があります。
責任施工方式の場合は大規模修繕施工会社に、設計監理方式の場合は設計事務所にお願いすることになります。
どちらの方式も特徴・注意点があります。
責任施工方式・設計監理方式について詳しくは「マンション大規模修繕工事を成功させる4つのステップ|ステップ2.計画」をご覧ください。
まとめ
建物調査診断は、人間で言う健康診断。
まず、どこがどのようになっているのか「知る」事が重要です。
また、組合員の皆さんでその情報を「共有」し、どのように対処していくか、主体的に進めていくと良い大規模修繕になるでしょう。
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丹波良太
以前は、新築工事にたずさわり建物を建てる・作る側の人間でした。現在は、マンション大規模修繕工事の現場管理をしています。担当エリアは北部九州です。出来たマンションを直す仕事です。建物を建てた経験を今は直す事に活かせています。
好きな事は、神社めぐり。心をおちつかせたり、パワーをもらったり。
いつもお参りできるように5円玉を常備しています。
保有資格:1級建築士・1級建築施工管理技士
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