あなぶき加賀城建設 マンション修繕工事担当 丹波です。
シリーズで実際の工事内容、各工事内訳項目（どんな工事をするのか）の内容について、数回に分けてご紹介したいと思います。
今回は⑧防水工事（ウレタン防水編）について書きたいと思います。
目次
- ウレタン防水の主な工法
- ウレタン防水のトップコート
- ウレタン防水の検査
- ウレタン防水の耐用年数と保証年数
- 体験施設のご案内
- まとめ
ウレタン防水の主な工法
ウレタン防水とは、別名塗膜防水とも言います。
ゴム状の樹脂を塗り、全体的に樹脂の膜を作る工法です。
ゴムで覆うようなものと考えても良いでしょう。
通気緩衝工法（絶縁工法・Ｘ-1工法）
既存の下地と絶縁した上でウレタン防水をする工法です。
既存防水層からの湿気を、絶縁部分から脱気筒へ、脱気筒から外気へ逃がし防水層を守ります。
脱気筒も無く、絶縁もせず、下地に湿気がある場合は、防水層と下地の間に湿気がたまり、防水層を押し上げ、最悪の場合破断して水が浸入してくることがあります。
ルーフバルコニーなど、アスファルト防水の上に保護コンクリート（シンダーコンクリート）をしてある場合、保護コンクリートに水分が抜け切れていない恐れがあるために、この工法が選ばれます。
ウレタン防水メッシュ補強工法（Ｘ-2工法）
ウレタン防水層とウレタン防水層の間にメッシュを入れることにより、動きに対して強くする工法です。
パラペットや庇、既存がＸ-1工法の場合に増し塗りとして、この工法が選ばれます。
（※工程写真参照 下から工程順に6工程あるのが分かります。）
ウレタン防水密着工法
ウレタン防水層のみので下地に密着させる工法になります。
メッシュ補強を入れることが困難な部分、ベランダや開放廊下、階段などの溝・巾木に採用されます。
（※工程写真参照 下から工程順に4工程あるのが分かります。）
ウレタン防水のトップコート
ウレタン防水は紫外線に弱く、どの工法でもウレタン防水はトップコートを塗ります。
通常アクリルウレタン系のトップコートを塗りますが、約５年ごとにトップコートを塗る必要があります。
少し高価になりますが、シリコン系のトップコートの場合は、劣化が少なく、１０年もつ場合もあります。
また、最近では遮熱タイプのトップコートもあるので施工する前にどのトップコートにするか検討しておくと良いでしょう。
ウレタン防水の検査
ウレタン防水の検査は、厚みの検査を行います。
厚みが規定以上の厚みが確保されているかが重要になります。
厚みの基準については、各メーカーの防水比重によって異なりますので、防水・メーカーの仕様を確認する必要が有ります。
ウレタン防水の耐用年数と保証年数
施工状況・施工場所によって耐用年数は変わりますが、標準的な耐用年数は次の通りです。
露出ウレタン塗膜防水・・・10年
防水の保証年数
露出ウレタン塗膜防水（Ｘ-1工法・Ｘ-2工法）・・・10年
露出ウレタン塗膜防水（密着工法）・・・5年
最近では、メッシュ補強を入れずに10年保証出来るウレタン防水も登場しています。
ただし、厚みの確保を適切に管理しなければならない為、管理が重要になります。
体験施設のご案内
紹介してきた工法などが体験したり、見ることが出来る施設が有ります。
「マンション生活学習館 あなぶきＰＭアカデミー」
場所：〒760-0063 香川県高松市多賀町２丁目-８-２
電話：087-861-7300
http://www.anabuki-housing.co.jp/pm/
目で見て触って体感されると、より修繕について理解しやすいでしょう。
まとめ
ウレタン防水は厚みの確保とトップコートの種類が重要になります。
適切に厚みが確保されているか検査をする事。
トップコートの種類を事前に何にするか検討しておくこと。
トップコートの材料代よりも、塗る手間の方が高いです。
少し高価でも、長持ちさせるためにシリコン系を検討される事をお勧めします。
これまでのブログタイトル！
リンクしていますのでクリックしてみてください。
事前に準備しておきたい外壁タイル
事前に準備しておきたい代替駐車場
事前に決めておきたい乾燥機のルール
施工時期はいつがいいの？
実は支払条件って大事
①共通仮設工事
②直接仮設工事
③下地補修工事（塗装下地編）
④下地補修工事（タイル編）
⑤シーリング工事
⑥防水工事（アスファルト防水編）
⑦防水工事（塩ビシート防水編）
⑨防水工事（共用廊下・バルコニー・階段編
⑩外壁塗装工事
⑪鉄部塗装工事
⑫その他工事（玄関扉取替工事編）
⑬その他工事（共用照明ＬＥＤ取替編）
⑭その他工事（金物編）
仕様書・数量
建物調査診断
業者選定業務（改修設計編）
業者選定業務（公募編）
業者選定業務（見積取得編）
丹波良太
以前は、新築工事にたずさわり建物を建てる・作る側の人間でした。現在は、マンション大規模修繕工事の現場管理をしています。担当エリアは北部九州です。出来たマンションを直す仕事です。建物を建てた経験を今は直す事に活かせています。
好きな事は、神社めぐり。心をおちつかせたり、パワーをもらったり。
いつもお参りできるように５円玉を常備しています。
保有資格：１級建築士・１級建築施工管理技士
最新記事 by 丹波良太 (すべて見る)
- マンション大規模修繕｜事前に準備しておきたい外壁タイル - 2020年9月4日
- マンション大規模修繕｜施工時期はいつがいいの？ - 2019年9月23日
- マンション大規模修繕|事前に準備しておきたい代替駐車場の運用ポイント - 2018年11月18日
