マンション管理会社から見た小規模マンション管理の社会問題化について

SMUSIA(スムシア)公式

皆さま、こんにちは小規模マンション管理支援事業部の福田です。

 

突然ですが、「マンション管理難民」という言葉をご存知でしょうか。

いまや社会問題となりつつありますが、ある日突然、管理会社から管理委託契約の解約や大幅な委託料増額を伝えられ、管理会社へ委託出来ない実情となり、結果として自主管理を選択せざるを得ない状況が全国的に発生しています。

 

小規模かつ築年数がある程度経過したマンションに多いようですが、ただでさえマンション内の理事役員なり手不足で困っている管理組合が管理会社のサポートなしで組合運営をしていくとなると、その大変さは容易に想像できます。

 

もちろん急に解約された管理組合側としては非常に困りますが、今回のブログでは、なぜ管理会社側から管理委託契約を解約することになるのかについてお話したいと思います。

 

 

管理会社側から解約する主な理由

1、管理会社の慢性的な人手不足

一般的な管理会社は、管理組合様への適切なサービス提供のためフロント担当者を選任します。

マンション規模の大小や担当エリアにもよりますが、各社1名あたり10棟~15棟(多いところでは20棟前後)を目安に人員を配置します。

ですが、管理会社も慢性的な人材不足に悩んでおり、管理員はもちろんフロント担当も想定人数に足りていない会社が多くあります。

想定した人数に足りていない会社は、当然フロント担当者へそのまま負荷がかかります。管理棟数が30棟でフロント担当が3名だった場合と30棟でフロント担当が2名だった場合では、フロント担当1名あたりの業務量は単純計算でも1.5倍の差があります。

そこで、管理会社側としては人材の採用や補充を優先してきましたが、想定人員の確保が出来ない期間が長期に渡ると30棟すべてのマンションに十分なサービスが行き届かない可能性が出てくるため「管理棟数を見直す」ということが選択肢の一つとして出てきてしまうのではないでしょうか。

 

 

2、委託費や生産性について

一般的に、管理組合様と管理委託契約を締結しようとする際は、委託する項目や内容を決め、そこから適正金額を算出し管理組合様へ提示しますが、やはり大きなマンションの方が管理員の派遣時間も長く、点検する設備も多いため必然的に委託費が高くなる傾向にあります。

管理会社としても、1棟単位で考えた場、どうしても戸数の大きいマンションの方が優先される傾向があり、委託費が安価で利益率の低い小規模マンションの優先順位は低くなります。

加えて、老朽化が進んだマンションであれば、漏水や緊急度の高い検討事案が増えるため、フロント担当の割く時間が多くなってしまいます。

慢性的な人手不足の中でそういった生産性の観点から考えると、小規模マンションとの契約を終了するというケースが出てしまうのではないでしょうか。

 

 

3、最低賃金や採用コストの上昇

数年前と比較した場合、全国での最低賃金は上昇傾向にあります。当然管理会社で働く管理員や清掃員の時給も上がっております。また労働人口の減少により、採用するための募集費用も年々増加しています。

近年ではこの人件費や採用コスト増に伴う管理委託費の増額申入れを依頼する管理会社も多いのではないでしょうか。

管理員や清掃員の派遣業務費については、「管理員の時給×勤務時間+福利厚生費」が占めるウエイトは大きく、最低賃金が上昇した場合、企業側としてももちろん大きな影響を受けます。

そんな中、管理会社側としては委託費の増額申入れをしなければならないケースが発生し、管理組合様と金額面での折合いがつかない場合は、契約更新が出来ない事があると思います。

 

 

 

まとめ

これらの理由がすべてではありませんが、企業側としても雇用の問題や人件費の問題があり、組合側としては入居者皆さまの様々な思いがあり、話がまとまらず、契約更新が出来なくなり、結果マンション管理に困る管理組合様が増えているそうです。

 

もし、上記のようにお困りでマンション管理会社を探している管理組合様がいらっしゃいましたら一度ご相談下さい。

 

■「小規模マンション管理のお悩み解決」掲載シリーズ

⑪小規模マンション管理支援サービス「SMUSIA(スムシア)」 マンション管理会社変更の実例② ~自主管理から委託管理へ~

⑩管理会社の変更は小規模マンションの資産価値に影響する??

⑨小規模マンション管理支援サービス「SMUSIA(スムシア)」 管理会社変更の実例① ~管理会社撤退~

⑧小規模マンションにおける3つのメリットについて

⑦新しいマンション管理スタイル シェアリングについて

⑥小規模マンションでの自主管理のメリットとデメリット

⑤なぜ小規模マンションの維持管理費が高い?

④管理会社から見た小規模マンション管理の社会問題化について

③小規模マンションの修繕資金が不足してしまう仕組み

②ITとシェアリングを活用した「新」小規模マンション専門管理サービス

①小規模マンションが抱える3つの課題 

 

The following two tabs change content below.

SMUSIA(スムシア)公式

あなぶきハウジングサービス 小規模マンション管理支援事業部

首都圏 30戸以下の小規模マンション管理サービスを提供しております。
私たちSMUSIA(スムシア)は
全力で小規模マンションを支援いたします。
「マンション管理格差のない社会を創造し、みんながしあわせな未来をつかむ。」を実現します。
  • twitter
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

ブログの読者になる

ブログの読者になると新着記事の通知を
メールで受け取ることができます。
読者登録はコチラ

最近書いた記事

関連の記事

  • facebook
  • feedly
  • rss
backtotop