小規模マンションの大規模修繕資金が不足してしまう仕組み

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こんにちは。あなぶきハウジングサービスの小規模マンション管理支援事業部の松下です。

小規模マンション管理支援事業部では、小規模マンションが抱える様々な問題について、定期的に皆さまへお役立ち情報を発信していきたいと考えております。よろしくお願いいたします。

 

今回は「小規模マンションの大規模修繕資金が不足してしまう仕組み」についてご紹介させて頂きます。

 

なぜ??小規模マンションは大規模マンションに比べ、修繕費が高くなる?

マンションの大規模修繕工事は、何千万もしくは何億というお金が必要となる管理組合の大きなイベントですが、注意するべき進め方は、マンションの規模によって異なります。

たとえば「小規模マンション」の場合、建物の規模が小さいため、共用部分の設備も少なく大規模マンションに比べて施工費が安くなると思われている方も多いと思います。

しかしながら、大規模修繕工事の施工費は安くなっても、戸数が少ないため1戸あたりの修繕費の負担は増えます。

国土交通省が平成29年5月に実施したマンション大規模修繕工事に関する実態調査によれば、30戸以下の小規模マンションについては、施工費が3,500万円(戸あたり約116万円)までが一番多くなっているのに対し、150戸以下の場合は、1億2,500万円(戸あたり約83万円)となっており、なんと戸あたり約33万円も違っております。

 

<マンション大規模修繕工事に関する実態調査>

戸数の区分一番多い施工費戸あたり施工費
30戸以下3,500万円116万円
150戸以下1億2,500万円83万円

 

このように、戸数が少ないマンションでは、大規模修繕工事の際に戸当たりの単価が高くなる傾向があります。

 

また、2021年(令和3年)9月に改定された国土交通省の「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」でも、月額の専有面積あたりの修繕積立金平均額が、5,000㎡未満の月額修繕積立金単価が335円/㎡に対し、20,000㎡以上の場合は、255円/㎡となっております。

これを一般的なマンション部屋の広さ(70㎡)に換算すると、それぞれ下記の金額となり修繕積立金額としては月額5,600円も差があることになり小規模マンションの方が、修繕積立金が高く設定されております。

 

<マンション修繕積立金に関するガイドライン>

マンション延床面積修繕積立金平均額左記を70㎡換算
5,000㎡未満335円/㎡・月23,450円/月
20,000㎡以上255円/㎡・月17,850円/月

 

 

このように、小規模マンションでは、大規模修繕工事の戸あたりの施工費が割高となることから、適切な時期に修繕積立金を改定しないと修繕資金が不足する事態となります。

事前に「長期修繕計画書(案)」をしっかり精査したうえで、大規模修繕工事の検討をお勧めします。

 

修繕箇所によって小規模マンションの修繕金額が割高になる?

マンションの設備については、部屋内に設置されている設備と共用部分に設置されている設備があります。

たとえば、部屋内の設備ではインターホン設備があります。

インターホン設備は、劣化に伴い定期的な取替えが必要となりますが、戸数が多いほど取替え数量が増え金額が高くなりますが、戸あたりの負担額はさほど変りません。

 

対して、マンション共用部分の設備として、エレベーター設備を例としてあげてみます。

エレベーターのリニューアル工事については、1基毎の施工費となり、マンションの規模による価格の変動はありません。エレベーターのリニューアル工事の予算としては、工事方法によって異なりますが、一般的には約1千万円前後の金額を想定している場合が多いようです。

したがって、世帯数の多い少ないにかかわらず、上記の金額がかかりその費用を入居者で負担することとなります。

 

このように、共用部分の設備の一部はマンションの規模の係わらず一定額の修繕費が必要となる場合があり、小規模マンションほど、戸あたりの負担が大きくなります。

 

まとめ

このように、小規模マンションでは大規模マンションに比べ、修繕単価が高くなる傾向があり、修繕積立金が足らなくなるケースがあります。

一般的には大きな工事金額を要する1回目の大規模修繕工事の際に、積立金の不足に気がつくマンションが多く見受けられます。計画的な見直しを行い、大規模修繕工事の際に、資金不足にならないように準備をしておきましょう。

当社では、マンション管理会社として長期修繕計画(案)の見直しや作成をご提案しており、よりよい資産形成のためのお手伝いをしております。

 

最後に

小規模マンション管理支援事業部では、工事だけでなく、管理委託業務においても、シェリングやITを駆使して、管理組合様のコスト削減をおこなう新しい管理サービスを提供しています。今後、「こんなお悩みがある」だから、「こんなご提案がある」だけでなく、小規模マンションにお住いの皆さまが、ぜひ「小規模マンション管理支援事業部にマンション管理をしてほしい!!」と言っていただけるようなそんな取り組みをしていきたいと思います。ぜひご期待ください。

 

■「小規模マンション管理のお悩み解決」掲載シリーズ

⑪小規模マンション管理支援サービス「SMUSIA(スムシア)」 マンション管理会社変更の実例② ~自主管理から委託管理へ~

⑩管理会社の変更は小規模マンションの資産価値に影響する??

⑨小規模マンション管理支援サービス「SMUSIA(スムシア)」 管理会社変更の実例① ~管理会社撤退~

⑧小規模マンションにおける3つのメリットについて

⑦新しいマンション管理スタイル シェアリングについて

⑥小規模マンションでの自主管理のメリットとデメリット

⑤なぜ小規模マンションの維持管理費が高い?

④管理会社から見た小規模マンション管理の社会問題化について

③小規模マンションの修繕資金が不足してしまう仕組み

②ITとシェアリングを活用した「新」小規模マンション専門管理サービス

①小規模マンションが抱える3つの課題 

 

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