住まいのリフォームで活用できる! 3つの所得税税額控除を簡単解説!!

末武巧也

こんにちは!あなぶきハウジングサービスの末武です。

以前の記事では、住宅ローン減税に関する制度の概要やポイントなどを解説してきました。

「住宅ローン減税」と「住宅ローン控除」の違いってなに?よくわかる制度の概要

住宅ローン減税は「繰上げ返済」にも影響するの?メリット・デメリットを簡単解説

ふるさと納税と住宅ローン減税を併用する際の3つのポイント

 

今回は、住宅のリフォームによって受けられる減税制度の概要を簡単解説していきたいと思います。

 

減税制度の対象となるリフォームとは?

既存住宅の改修(リフォーム)をした場合、対象となる工事の種類が大きく5つに分けられています。対象となる工事の内容や減税を受けるための適用要件がそれぞれ定められています。

1.耐震改修工事

→ 現行の耐震基準に適合する耐震リフォーム

2.バリアフリー改修工事

→ バリアフリーを目的とするリフォーム

3.省エネ改修工事

→ 住宅の省エネ性能を上げるためのリフォーム

4.三世代同居対応改修工事

→ 親・子・孫の三世代での同居を目的とするリフォーム

5.耐久性向上工事(長期優良住宅化)

→ 住宅の耐久性を向上させるためのリフォーム

※所管行政庁から長期優良住宅(増改築)として認定を取得するもの

 

リフォームにより受けられる所得税の税額控除

一定の要件を満たす場合に受けられる減税制度には、固定資産税や登録免許税に関するものなどがありますが、所得税の部分をピックアップしていきます。所得税の減税制度の種類には以下の3種類の制度があります。

 

1.投資型減税《住宅特定改修特別税額控除》

◇自己資金・住宅ローンの有無にかかわらず適用できます。

控除期間:1年(工事を完了した日の属する年分)

控 除 額

( 耐  震 )最大25万円

(バリアフリー)最大20万円

( 省  エ  ネ )最大25万円 ※太陽光発電設置を合わせた場合には35万円

( 同  居 )最大25万円

(耐震 or 省エネ+耐久性)最大25万円

(耐震+省エネ+耐久性)最大50万円

投資型減税は複数の工事を併用することができるので、控除期間は1年だけですが控除額を大きくすることができます。

 

2.ローン型減税《特定増改築等住宅借入金等特別控除》

◇償還期間が5年以上の住宅ローンを利用する場合に適用できます。

※5つの工事のうち耐震以外の工事で適用可能です。

控除期間:5年(工事を完了後、入居をした年分から)

控 除 額:最大62.5万円 年12.5万円×5年間

《計算式》 A × 2% +( B – A )×1% = 控除額

A 制度に該当するリフォーム部分の額ー補助金等の額 ※特定増改築等限度額250万円

B リフォーム全体の住宅ローンの年末残高(最高1,000万円)

ローン型減税はすべての工事額の合計が控除対象となるので最大控除は5年間で62.5万円までになります。

 

 

3.住宅ローン減税《住宅借入金等特別控除》

◇償還期間が10年以上の住宅ローンを利用する場合に適用できます。

控除期間:10年(工事を完了後、入居をした年分から)

控 除 額:最大400万円 年40万円×10年間

《計算式》 A ×1% = 控除額

A 制度に該当するリフォーム部分の額ー補助金等の額

※消費増税による控除期間13年間の特例措置について、新型コロナウイルス感染症の影響による適用要件の弾性化により入居期限が延長されています。

 

住宅ローン減税は以前紹介した制度がリフォームでも利用できるということですね。

気になる方はこちらもご確認ください。

「住宅ローン減税」と「住宅ローン控除」の違いってなに?よくわかる制度の概要

 

 

リフォームの種類と制度別の控除額を比較

リフォームの種類と所得税控除の制度を見てきましたが、ここでいったん整理しましょう。

耐震リフォームはローン型減税では利用できず、そのほかは住宅ローンの有無や工事の条件等で選択することができます。

 

 

複数のリフォームを行った場合に併用できるものとできないもの

 複数のリフォームと併用するなどの場合には、各制度・リフォームの種類により併用できない場合もありますので注意が必要です。

所得税の控除の併用の組合わせ

一般社団法人住宅リフォーム推進協議会|●住宅リフォームガイドブック(令和2年度版)より引用

住宅ローン減税は、耐震リフォーム以外と併用ができません。

購入時の住宅ローンが残っている場合には、リフォーム費用を含めて借り換えをすることでリフォームローンを組むよりも金利を抑えることもできそうですね。

 

 

3つの所得税税額控除の概要“まとめ”

住まいのリフォームの際に活用できる所得税の税額控除にはこちらの3つです。

・投資型減税《住宅特定改修特別税額控除》

・ローン型減税《特定増改築等住宅借入金等特別控除》

・住宅ローン減税《住宅借入金等特別控除》

リフォームを検討されている方は、その内容が減税制度の対象となる工事に含まれているのかをご確認ください。

また、各制度・リフォームの種類で併用できるものと併用できないものがあります。

1年間の控除額が最も大きくなるのは投資型減税で複数のリフォームを行う場合ですが、本来納めるであろう所得税の額を超える効果はありませんので、事前に自分に合ったものを確認しておきましょう。

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末武巧也

あなぶきハウジングサービス 財務・経理グループ 経理課

末武 巧也 (すえたけ たくや)
香川県出身。

新入社員として入社し、高松本社の経理課に配属となりました。2017年9月にあなぶき社宅サービス設立に経理担当として携わり、現在東京にて勤務しています。
会計・税務の分野で社員の皆さんをサポートすることはもちろん、マネージャー・経営者の方々へ正確な指標の提供を心掛けています。
わかりやすくて読んでみたくなる!そんな記事を書いていきたいと思います。

趣味は“ダム”巡り おすすめは兵庫県の千苅堰堤と香川県の豊稔池堰堤

保有資格:日商簿記検定1級、建設業経理士2級
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