フラップ板がないコインパーキング!?~その画期的な仕組みとは~

坂本永勝

こんにちは。あなぶきハウジングサービス パーキング事業部の坂本です。
今回は近年急増している新しいコインパーキングのシステムをご紹介します。
まだ地域によっては、導入の少ない所もありますが、主要都市部ではかなり増えてきている場所もありますので、一度ご確認いただければと思います。

①従来のコインパーキングの代表的なシステム

コインパーキングの代表的なシステムは大きく分けて3つあります。

小規模な駐車場の場合(20台以内)は『フラップ式』が多く、20台以上の大規模な駐車場の場合は、『ゲート式』が主流となっており、精算機や発券機で管理しています。
また、短期間でのコインパーキング運営の場合には、アスファルト舗装工事を行わずにできる『チケット前払い式』という運営方法もあります。
今現在、主流となっているのが、この3つ方式ですが、1番多く導入されているのはフラップ式です

※ゲート式駐車場                  ※フラップ式駐車場

    

 

②近年急増しているフラップレス式駐車場

ここ最近、広島市などで急増してきているのが、フラップ板が存在しない「フラップレス式」駐車場です。
フラップレス式駐車場は、2009年にコインパーキングの機器会社が開発した新しいシステムです。
フラップ板やゲートの代わりに車室ごとに1本のポール(ポールセンサー)を立てて、カメラやセンサーで車のナンバーを認識して料金を管理する運営方法です。運営に必要な機器は、車室ごとを管理する『ポールセンサー』と『出入り口に設置する監視カメラ』の2点です。(もちろん照明や看板等は必要です)

車室ごとのポールセンサーでそれぞれを管理し、出入り口の監視カメラで駐車場全体を管理するのがこのフラップレス式駐車場の特徴です。このポールセンサー内のカメラは、300万画素以上の高精度カメラであり、ナンバー認識ソフトも高性能なため、夜間でもはっきりとナンバーを認識することが可能です。

インターネット回線とパソコンを利用して、駐車場内の遠隔管理も可能となるので、『今現在何台駐車しているのか』、『不正駐車がどこの駐車場で多発しているのか』などが瞬時に分かります。

※下の写真がポールセンサーです。プライバシーの為、一部加工しています。

 

③フラップレス式駐車場のメリットとは

フラップレス式駐車場のメリットは、運営者・利用者ともに数多くあるようです。
代表的なものを下記にまとめてみました。

○運営者側のメリット

・ロック板のメンテナンスが不要

・不正出庫による機器損傷がない

・機器トラブルの対応が減る

○利用者側のメリット

・車室への入出庫がしやすい

・出庫時のロック板確認が不要

・車両の損傷がない

 

まず、運営側からのメリットとして挙げられるのはメンテナンス対応が激減されることと、機器に関するトラブルが激減することです。
従来のフラップ式駐車場では、不正駐車(上がっている板を乗り越えて出庫する)が行われると、フラップ板は破損してしまいます。しかし、フラップレスだとそういった心配が全くありません。
また、同様にフラップ板の不具合(下降しない等)による利用者からの問合せやクレーム等も起こることがないので、現地への出動回数も大幅に減らすことができ、効率良い運営を行うことができます。

次に、利用者側からのメリットとして挙げられるのは、車両の出入りが楽になるのと車両の損傷が全く起こらない点です。従来のフラップ式駐車場では、フラップ板の位置を気にしながら入出庫をしなければなりません。「フラップ板を気にしすぎて反対側を見ずにぶつけてしまった…」なんてこともよくある話です。
フラップレス式駐車場の場合は、フラップ板が存在しないので、気にすることなく安心して入出庫をすることができます。
また、出庫時にフラップ板が下がっているかどうかの確認や車が傷ついてしまうこともなくなります。
フラップレス式駐車場にすることによって運営側・利用者側にとって数多くのメリットが存在することから近年急増していると考えられます。

 

④フラップレス駐車場における不正駐車への対応の仕方

フラップレス式駐車場ということで物理的な抑止がない分、「不正駐車が横行しそうだ…」というイメージが強いのではないでしょうか。
しかし、フラップレス式駐車場では、未精算の状態で車に乗り込むと設置されたセンサーポールから『料金をお支払い下さい』というアナウンスが流れ、パトランプが回り始めます。
音声とパトランプで不正駐車者を警告するため、比較的不正駐車は行いづらい環境だといえます。
また、駐車した段階でナンバープレートが認識されていますので、証拠もしっかりと掴むことができます。
料金の踏み倒しを繰り返す悪質な常習者に対しては、ナンバー認識システムが再入庫時に検知して、運営会社側へ知らせてくれる機能もありますので、法的措置等の対応もとりやすくなります。
フラップ板があるほうが物理的に考えても不正駐車が起こらないように思われますが、実際の統計ではフラップレス式駐車場の方が不正駐車が少ない統計が出ているようです。

 

⑤まとめ

これまでフラップレス式駐車場をご紹介させていただきましたが、カメラの高性能化や無駄なことを省いていこうという今の時代の流れから、これからもフラップレス方式の駐車場が増えていくものと思われます。
今、現状としては、認証システムやカメラの管理等からフラップレス駐車場のほうが管理コストがかかってしまうといわれていますが、今後この駐車場が主流になることで管理コストもどんどんと下がってくることが予想されます。(日本全体にフラップレス式駐車場が広がれば、機器メーカーの価格競争が始まります)
費用面をとるか、手間をとるかパーキングの運営会社としては、判断がかなり難しいですが、私は少子高齢化社会で働き手が少なくなっていることから、フラップレス式駐車場をどんどん採用して人の手間をなるべく省き、現代の日本において発達しているITを駆使して、より効率的で使いやすい駐車場の実現を2021んでいます。

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坂本永勝

あなぶきハウジングサービス 坂本 永勝(さかもと えいしょう)
出身は香川県の小豆島で、自然が豊かな所です。
大学を卒業後、あなぶきハウジングサービスに入社しました。
現在は、パーキング事業部に所属し、中国地方で時間貸し駐車場の運営・管理に従事しています。
地域に密着し、綺麗で使いやすい駐車場を心がけて、日々業務に励んでいます。

保有資格:宅地建物取引士 管理業務主任者 第一種衛生管理者 住宅ローンアドバイザー
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