建築現場で見るいろいろなマークについて

野嶋隆多

こんにちは。あなぶき建設工業の野嶋です。

マンション・ビル等の新築の現場管理を経て、現在は主に大規模修繕、改修工事の巡回管理をしております。

新築現場と修繕・改修現場では業務のスタイルが違うことから、いまだに初めて経験することがたくさんあり勉強の日々です。そんな業務の中での発見や気づきなどを発信し、少しでもブログ読者の皆様に有益な情報がお届けできれば幸いです。

 

本記事では、建築現場で見るいろいろなマークについて書きました。

 

JASマークとJISマーク

世の中に出回っている商品の中にはJASマークJISマークが付いているものが多くあります。皆さんも目にしたことがあると思います。これは日本が定めた規格に適合した商品に付けられるものです。この二つの違いは以下になります。

JASは(Japanese Agricultural Standard)日本農林規格の略です。農林物資規格法(JAS法)に基づいて定めた農林畜水産品の規格に適合するか第三者機関が審査し合格したものに付けられいます。審査対象は食品や農林水産品などが主で、建築に関するものだと木材などの建材に付けれていることが多いです。

JISは(Japanese Industrial Standard)日本工業規格の略です。工業標準化法(JIS法)によって制定される鉱工業品に関する国の規格。製品規格・方法規格・基本規格に大別されます。登録認証機関から認証を受けた商品に付けられています。この規格は建築では多岐に渡る建材が認証を受けており、コンクリート、鋼材、内装材、設備関係など様々なものが認証を受けています。

なお工業標準化法は2019年に対象が拡大する目的で産業標準化法に代わり、日本工業規格→日本産業規格へ変更になっています。

農業か産業で基準となる法律(JAS法・JIS法)があるのがポイントです。

商品の購入時にこれらのマークが付いているか気にしてみて下さい。マークが付いているものは日本に基準に適合していてる安心のマークだとも言えます。

 

鉄筋のロールマーク

鉄筋コンクリートに使用する鉄筋には種類があります。現場では設計通りの種類の鉄筋が使用されているか確認するためロールマークの確認をします。鉄筋には以下の種類があります。

鋼材種にSD295A、SD295B、SD345、SD390、SD490 数字は降伏点(N/mm2)を表す。

呼び名にD4、D5、D6、D10、D13、D16、D19、D22、D25、D29、D32、D35、D41、D51 数字は鉄筋径を示す。

たくさんありますよね。見分けるのが大変ではないかと思いますが、ロールマークが付いていれば見分けるのが簡単です。この鉄筋の規格もJIS法に定められています。

 

塗料、防水材や接着材などに付いているGHS

塗料は化学物質が多く含まれるものがほとんどです。そうなれば人体に影響のあるもの、自然に影響のあるもの、火気厳禁のものなどがあります。これらは「化学品の分類および表示に関する世界調和システム」(The Globally Harmonized System of Classification and Labelling of Chemicals:GHS)で化学品の危険有害性を世界的に統一された一定の基準に従って分類し、絵表示などを用いて分かりやすく表示したものです。日本ではJIS法に基づいてこのGHSを各材料へ分類がされています。

 

F☆☆☆☆(エフフォースター)

皆さん“シックハウス症候群”という言葉を聞いたことがあると思います。これは建材に含まれる接着剤などに含まれるホルムアルヒドが引き起こす眼・鼻・喉・皮膚の刺激症状や、頭痛、倦怠感などの「化学物質過敏症」の一種です。原因物質は他にクロルピリホスというものがあります。2003年にJAS法・JIS法にてホルムアルデヒドの放散速度量によるFスターの等級分けが義務化されたことにより、使用面積の制限が定められました。等級が良い順にF☆☆☆☆→F☆☆☆→F☆☆となります。F☆☆☆☆だと建築基準法において使用制限がない一番安全な材料といえます。

Fスターの表示は主に合板や集成材、木質フローリングなど接着剤を用いた板材、壁紙を貼るための接着剤、ロックフールやグラスウールを用いた断熱材、塗料全般に付されています。

 

不燃材料、準不燃材料、難燃材料、防炎ラベル

建築材料に通常の火災による加熱が加えられた場合に、

1)燃焼しないものであること。

2)防火上有害な変型、溶融、き裂その他の損傷を生じないものであること。

3)避難上有害な煙又はガスを発生しないものであること。

以上の条件を満たしているもので、国土交通大臣が定めたもの又は認定を受けたものに防火性能を示すラベルを貼ります。建築基準法の「内装制限」に基づいて不燃、準不燃、難燃のランクが定められています。

不燃性能・・・加熱開始後20分間上記の1~3の要件を満たしているもの

準不燃性能・・加熱開始後10分間上記の1~3の要件を満たしているもの

難燃性能・・・加熱開始後5分間上記の1~3の要件を満たしているもの

以上のラベルによる表示は主に壁、天井の壁紙に貼られています。

防炎ラベルは不特定多数の人が出入りする施設で使用されるカーテン、じゅうたんなどに貼られています。消防法の「防炎規制」において義務付けられているからです。

 

まとめ

建築の現場にかぎらず、日々の生活の中でもこれらの表示は目にすることがあります。ものによっては商品の購入時に性能の目安とするとこができるものもあるので、皆さんも買い物の際には気にしてみて下さい。

The following two tabs change content below.

野嶋隆多

あなぶき建設工業 野嶋 隆多(のじま りゅうた)

2015年、マンション新築をメインとする建設会社の現場監督を経て入社。
現在は主にマンション大規模修繕工事を四国4県を股にかけて管理をしています。
業務では安全第一でこれからも取り組んでいきたいと思います。

保有資格 一級建築施工、土木施工、管工事施工管理技士
  • twitter
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

ブログの読者になる

ブログの読者になると新着記事の通知を
メールで受け取ることができます。
読者登録はコチラ

最近書いた記事

関連の記事

  • facebook
  • feedly
  • rss
backtotop