給排水設備ってどんな設備?

北村順平 北村順平

こんにちは。テクノ防災サービスの北村です。
今回は弊社で実施している「建築基準法第12条に基づく定期点検」の中の建築設備定期検査から、
給排水設備についてご紹介させて頂きます。
建築設備定期検査につきましては、以前の記事でご紹介させていただいておりますので、そちらも併せてご確認頂ければと思います。

共同住宅(マンション)の建築設備定期検査とは?(12条点検)

給排水設備とは、給水ポンプ給水タンクを利用して飲用水や雑用水などを建物に供給するための「給水設備」と、排水ポンプ等を利用して汚水雑排水を下水道へ排出するための「排水設備」を総称したものです。
これらの設備に不具合があると、最悪の場合は水道が止まってしまうことや、汚水が溢れ出てきてしまうなどのトラブルに発展しかねません。それらを防ぐためにも定期的な清掃や点検といった作業が必要となります。

1. 給水設備について

まず「給水設備」の種類ですが、上水道から引き込む飲用水の他にも地下水雨水、大きなビルでは一度使用した水をトイレ等に再利用する雑用水などがあります。皆さんがお住まいのマンションでは、多くの場合が上水道からの供給のみとなります。
上水道から建物全体に水を供給する方法としては大きく分けて2通りあります。

〈方法1〉
上水道から受水タンクに水を一度貯めてから、揚水ポンプで屋上の給水タンクまで水を掲げ、そこから重力を利用して各戸に水を供給する方法。

◇  メリット
受水タンク給水タンクに貯めてある水を非常時(停電・断水時)に利用できる。
重力を利用するので電気代が抑えられる。

◇デメリット
受水タンク給水タンク、配管設置のためにスペースが必要。
受水タンク給水タンク、配管のメンテナンス費用が必要。

〈方法2〉
上水道から一度受水タンクに貯めた水を、加圧ポンプを利用してそのまま各戸へ供給する方法。

◇  メリット
受水タンクに貯めてある水を非常時(断水時)に利用できる。
屋上の給水タンクにかかるコストを削減できる。

◇デメリット
受水タンクや配管設置のためにスペースが必要。
受水タンクや配管のメンテナンスが必要。

〈方法3〉
上水道から直接増圧ポンプを利用してそのまま各戸へ供給する方法。

◇  メリット
受水タンク給水タンクにかかるコストを削減できる。
受水タンク給水タンクのスペースを有効活用できる。
上水道から直接給水するので、配管の劣化等による水質の低下リスクが少ない。

◇デメリット
受水タンク給水タンクがない為、非常時に利用できない。

※省スペースやコスト削減の観点から、近年では〈方法3〉が主流となってきています。

【写真】〈方法3〉で用いられる増圧ポンプ

給水設備に関して設けられている法令としまして、

○飲料水の配管設備(これと給水系統を同じくする配管設備を含む。)とその他の配管設備とは、直接連結させないこと。

○水槽、流しその他水を入れ、又は受ける設備に給水する飲料水の配管設備の水栓の開口部にあっては、これらの設備のあふれ面と水栓の開口部との垂直距離を適当に保つ等有効な水の逆流防止のための措置を講ずること。

といった、給水される水の衛生面を保つための法令や、

○建築物に設ける給水、排水その他の配管設備(建築物に設ける電機給湯器その他の給湯設備を除く。)は、風圧、土圧及び水圧並びに地震その他の振動及び衝撃に対して安全上支障のない構造とすること。

○建築設備、建築設備の支持構造部及び緊結金物で腐食又は腐朽のおそれがあるものには、有効なさび止め又は防腐のための措置を講ずること。

のような、設備本体や周囲を保護するための法令があります。
弊社の業務ではこれらに適合されているか、定期的に検査して確認しております。

2. 排水設備について

排水の方法も、給水と同様に2種類あります。

〈方法1〉
重力を利用して下水道へ排水する方法。

〈方法2〉
地下階や地形の関係で下水道よりも低い位置にある排水を一度排水タンクに貯めてから、排水ポンプで汲み上げて下水道へ排水する方法。

排水タンクは原則として、トイレからの排水を貯めておく「汚水槽」と、キッチンやお風呂からの排水を貯めておく「雑排水槽」を分離させて設置されますが、それらを合わせて貯める「合併槽」や、雨水を貯める「雨水槽」などもあります。
さらにその先の下水道では、汚水や雑排水と雨水をそれぞれ分けて流す「分流方式」と、それらを一緒に流す「合流方式」があります。「合流方式」では埋設する管が1本で済むので、人口や地下階の多い市街地ではこちらが採用されることが多いです。しかし近年では気候の変化などにより雨水の量が増え、下水管の容量を超えた排水が溢れ出てしまうことが問題視されています。

排水に関する法令としましては、給水と排水が混合しないように設けられた法令のほかに、

○通気のための装置を設け、かつ、当該装置は、直接外気に衛生上有効に解放すること。

○排水トラップの封水部に加わる水管内の圧力と大気圧との差によって排水トラップが破封しないように有効に設けること。

といった、臭気に関する法令が設けられています。

排水トラップとは、排水の通り道に一部水を満たしておくことで配水管内の臭気を遮ったり、衛生害虫等の移動を防止するための配管設備です。皆さんの身近なところでは、キッチンや洗面台の配水管に設置されているP字やS字に曲がった配管の構造や、ユニットバスの床面に設置されているドラム型の排水升などがありますので、目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

【写真】洗面台の排水トラップ


長い間使用されていない倉庫等に設置された排水口は、蒸発によって水が干上がってしまうと悪臭が漂ってきたり害虫の通り道になってしまう可能性がありますので、定期的に水を流すようにしてください。

3. まとめ

いかがでしたでしょうか。
今回は建築設備定期検査の中から給排水設備についてご紹介させていただきました。
生活に必要な設備のメンテナンスですので、検査の際はご協力いただけますと幸いでございます。

今回はこれで終わりとなります。
それではまた次回もよろしくお願いいたします。

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北村順平

北村順平

テクノ防災サービス 北村 順平(きたむら じゅんぺい)
2007年あなぶきクリーンサービス入社
12年間 マンションの清掃設備維持管理の営業を担当、2019年7月からテクノ防災サービスにて、消防設備点検や特定建築物検査の営業を担当
施設管理に欠かせない法定検査になりますので、漏れの無い提案を心がけております。
初めての東京での生活で、休日には東京観光を楽しんでます。
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