マンション役員・入居者必見|3分で分かるマンション法③

北原浩二

あなぶきハウジングサービスの北原です。
前回まで、2回ほどマンション法について記載しましたがその3回目をお送りします。前回・前々回分では、区分所有・専有・共用、持分割合、変更・管理所有と先取特権までについてふれました。そちらの記事については下記をクリックしてご覧ください。

マンション役員・入居者必見|3分で分かるマンション法① 区分所有・専有部分、共用部分について

マンション役員・入居者必見|3分で分かるマンション法② 共用部分の持分割合・処分・変更、管理所有、先取特権について

今回は、敷地と敷地利用権、管理者についての解説をしていきます。

目次

  • ♣ 敷地の種類
  • ♣ 敷地利用権と分離処分の禁止
  • ♣ 分譲マンションでの権利の整理
  • ♣管理者
  • ♣ まとめ

 

♣ 敷地の種類

法定敷地
⇒ 建物が載っている土地のことです。建物が載るということで、特別な定めをしなくても当然に建物の敷地となるところから「法定」と表現されています。これは、一筆の場合もあれば、所有者が別々の数筆の場合もあります。
規約敷地
⇒ 建物および法定敷地と一体で管理または使用する土地で規約により建物の敷地とされた土地のことです。庭・通路・駐車場等が該当します。法定敷地と隣接する必要はありませんが、一体で管理できることを要件としますので、建物からかなり遠方にある土地は規約敷地とすることはできないとされています。
みなし規約敷地
⇒ 建物が所在する土地が、建物の一部滅失及び分割により建物が所在する土地以外の土地となった場合、その土地は、規約で建物の敷地と定められたものとみなされます。このような状態となった敷地をみなし規約敷地といいます。

以上3種類の敷地の言葉の定義を記載しましたが、この内容は、国家資格(マンション管理士・管理業務主任者等)の試験に出る程度で、日常においては、そんな区分もあるのだという程度のご理解で十分です。

♣ 敷地利用権と分離処分の禁止

敷地利用権 ⇒ 専有部分を所有するための建物の敷地に関する権利のこと。この権利には、所有権・地上権・賃借権・使用借権などがあります。
分離処分の禁止 ⇒ 区分所有者は、その有する専有部分とその専有部分に係る敷地利用権とを分離して処分(譲渡・抵当権の設定等)することができません。

♣ 分譲マンションでの権利の整理

ここでマンションを所有する区分所有者に関係する権利の整理をします。
まず、専有部分を所有・使用する権利(区分所有権)があります。この権利については、皆様も一番わかりやすいと思います。次に共用部分・敷地等を共同で利用できる権利つまり共有持分権と敷地利用権があります。この権利により、敷地を管理(利用したり保存・変更すること)この権利間には分離処分を制限するように定めることを原則としています。

♣管理者

管理者とは、マンション法の規定により、建物の保存・管理を行うため選任され、その就任を承認した者です。管理者の選任については任意事項です。この管理者を選任する理由は、「一定範囲の管理行為について特定の者に権限を与えて管理を行うことが運営上円滑となる。」という考えからきています。
マンション法では、「管理者」ですが、同様の位置づけに管理規約の中では、「理事長」が存在します。管理規約の中では、「理事長」の選任は、任意事項ではなく必ず選任させなければなりません。また、厳密にいうと両者が同一人である必要はないし、理事長と管理者を別に選任することを禁止する規定もないので、例えば、理事長には区分所有者を、管理者には区分所有者以外の第三者をそれぞれ選任することもできます。

♣ まとめ

ここまで3回にわたりマンション法について記載してきました。最後の「管理者と理事長」のところでも触れましたが、マンション法では斯く斯くだが、管理規約では然然ということがかなり多くあります。マンション法の決まりを「規約で別段の定め」ができるというのもこの話の延長線上の話です。
両者の厳密な理解がベストでしょうが、マンション管理の実務の中では、規約内容が優先されますので、規約の理解を深める方がより実践的がと思います。
というもののここではマンション法のことを解説しています。次号では、規約・集会について記載できたらと思います。

 

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北原浩二

あなぶきハウジングサービス 北原 浩二(きたはら こうじ)
あなぶきグループ入社一筋。戸建住宅販売・不動産売買仲介・ホテルフロント・ 賃貸仲介・分譲マンション管理・コールセンターの仕事を経験した後、現在はグループ全社のCS推進、ISO認証維持を担当する部署(CS推進室)に所属しています。特にISO認証維持については、品質・環境・情報セキュリティ各分野で社員教育・指導も担当しています。
昨年より、グループが経営する専門学校の不動産ビジネス課で教壇にもたっています。
保有資格:マンション管理士
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