マンション役員・入居者必見|3分で分かるマンション法①

北原浩二

あなぶきハウジングサービスの北原です。今回からは、一般的に「マンション法」といわれる「建物の区分所有等に関する法律(区分所有法)」について記載します。分譲マンションでの生活する際の最も関係性の強い法律です。決して知っていて損にはならない内容です。
例によって法律のお話ですので難しい言葉が多く登場します。いつも通り、極力わかりやすい表現で解説させて頂きます。

目次

  • ♣ 区分所有という考え方
  • ♣ 専有部分
  • ♣ 法定共用部分と規約共用部分
  • ♣ 共用部分の使用
  • ♣ まとめ

♣ 区分所有という考え方

民法では、「一物一権主義の原則」といい、所有権は一つの独立した物についてのみ成立すると考えられています。
これに対し、区分所有法は、一棟の建物の内部にある区画部分ごとに所有権を認めています。このため「一物一権主義の例外」といえます。
その際の条件として、「構造上・利用上の独立性」を要件としています。お話を簡単にすると分譲マンションで他の方の部屋と遮断され、また他の人のところを通らずに利用できるという当たりまえものを指しています。
このように「構造上・利用上の独立性のある部分」を目的とする所有権を区分所有権といい、区分所有権を持つ人を区分所有者といいます。

♣ 専有部分

構造上・利用上の独立性があり、区分所有権の目的となる建物の部分を専有部分といいます。皆様が区分所有権を持ち、使っているお部屋が専有部分です。良く例えられる話としてご自分の部屋で手で触れるところが専有部分と言われています。一部例外はありますが概ねあたりです。手で触れない壁クロスの中のコンクリート部分は、共用部分です。

♣ 法定共用部分と規約共用部分

一棟の建物は、専有部分と共用部分で構成されます。共用部分は、法定共用部分と規約共用部分に分かれます。
法定共用部分とは、法律上当然に共用部分となるものをいい、具体的に言うと、玄関、ロビー、廊下・階段室、基本的構造部分である支柱・耐力壁・屋根・外壁、エレベータ、配線・配管などがあげられます。ご注意頂きたいのは、各住戸のバルコニー・アルコープ等でこれも法定共用部分であるとの判例があります。
それに対し、マンション毎の管理規約で共用部分としているのが規約共用部分で集会室・管理室などが該当します。これは、専有部分となりえる「構造上・利用上の独立性」があるケースですが、あえて規約設定しているわけです。

♣ 共用部分の使用

区分所有者は、共用部分をその用法に従って使用することができます。用法に従ってとは、その部分の本来の使用方法に基づき使用するということのようです。分かり易くいえば、共用の廊下は通行するために使用するのであり、物品を置いてはいけないということです。
民法では、各共有者は共有物について、持分に応じた使用ができるとしています。しかし、例えばエレベータの使用頻度を共用部分の共用持分の割合に応じて決めるというのは、実際には不可能であるから、区分所有法では民法の規定を修正しています。

♣ まとめ

今回は、マンション法の導入部分として区分所有から専有・共用部分について記載しました。次回は、共用部分の持分割合・管理・変更等のお話に進みたいと思います。
分譲マンションは、自分だけの意思でなんでもできる戸建て住宅とは違います。総会・理事会等の話し合いで議決していきます。かといってOからの話し合いでは時間がかかりすぎます。そのためにマンション法がありそれに基づいた管理規約・使用細則が制定されているわけです。法律・規約等の決まりに添った話し合いがマンション管理では求められます。

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北原浩二

あなぶきハウジングサービス 北原 浩二(きたはら こうじ)
あなぶきグループ入社一筋。戸建住宅販売・不動産売買仲介・ホテルフロント・ 賃貸仲介・分譲マンション管理・コールセンターの仕事を経験した後、現在はグループ全社のCS推進、ISO認証維持を担当する部署(CS推進室)に所属しています。特にISO認証維持については、品質・環境・情報セキュリティ各分野で社員教育・指導も担当しています。
昨年より、グループが経営する専門学校の不動産ビジネス課で教壇にもたっています。
保有資格:マンション管理士
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