先日の埼玉県新座市での地下ケーブルの送電火災、黒煙すごかったですね。
火災報道では、最初のうち消防隊は排煙もとへの直接放水はせず、周辺に泡消火剤をまき、それでも炎や煙の勢いが止まらないので、東京電力からの前代未聞の提案でドライアイスを投入。すると煙は白色に変わり、勢いが弱まり、その後、温度を下げるために直接放水をしたとのことです。
電気設備に放水しないのは、基本中の基本ですが、下手に水をかければ、隊員が感電死するかもしれません。また、余計なところまでショートさせて、停電区域を広げる恐れもあります。
※泡消火剤:地下空間を泡で埋め尽くすことで酸素を減らし、火を消し止める。
※ドライアイス:二酸化炭素で作られているため、気化すると、空気中の二酸化炭素の濃度が高まり、火が消える。
目次
- 消防法とはどんな法律なのか
- 消防法の体系と構成要素
- 消防用設備等について
- まとめ
消防法とはどんな法律なのか
火災は、出火元だけでなく周囲にある物や人にまで被害を及ぼす重大な災害です。予測困難な地震や津波といった自然災害と異なり、「火災」は、人の不注意から起こる災害であり、事前の取り組みしだいで予防の効果が得られる災害でもあります。
「火災をできるだけ起こさない」「火災が起こった際に被害が拡大しないように工夫する」といった事前の対策を行うことによって、火災の被害防止が期待できます。消防法第1条では、その目的を「火災を予防・警戒・鎮圧することによって社会公共の福祉の増進に資すること」と規定しています。つまり、消防法は、火災の予防・警戒・鎮圧を目的とした法律です。
消防法の体系と構成要素
消防法は、その目的である「火災の予防・警戒・鎮圧」を軸として構成されています。具体的には、以下のような体系となっています。
消防用設備等について
消防法上、「消防用設備等」という用語は、消防用設備と消防用水、消火活動上必要な施設をあわせた概念をいいます。
以下に消防用設備等をまとめました。お住いのマンションの消防用設備等と比較すると理解が深まります。
まとめ
マンションにおける火災は、一度発生すると、建築物や人に重大な被害をもたらします。しかし、事前の備えによって予防することも可能で、被害を抑えることもできます。そこで、火災をあらかじめ防ぐとともに、発生した火災がもたらす被害を最小限に食い止めるためのルールが必要になります。火災の予防・警戒・鎮圧を目的に制定された法律が、「消防法」です。
今回は、消防法の目的と消防法の体系・構成要素について、また、消防活動上の種類別に消防用設備等をまとめました。マンションの規模や駐車場の有無等によって、設置が不要なものがあります。分譲時のパンフレット等に消防用設備等の種類が記載されています。ご参照ください。
北林真一
大学卒業後、一貫して不動産業界に従事してきました。
皆さまの大事なお住まい(マンション)のことは私にお任せください。
【得意分野】・合意形成の進め方 ・大規模修繕工事
【モットー】謙虚であれ、誠実であれ
【特技】日本酒と音楽(邦楽除く)は少しだけ詳しいです。
最新記事 by 北林真一 (すべて見る)
- 管理組合役員必見!マンションにおける消防訓練3つのポイント - 2023年12月6日
- マンション管理組合役員必見|分譲マンション収益事業の税務申告3つのポイント - 2022年10月4日
- マンション管理組合の会計監査のチェックポイントⅡ~貸借対照表を監査する~ - 2022年9月10日