まとめ│マンション管理会社を変更するための9つの手順とポイント

分譲マンションの管理会社変更を検討されている管理組合の方は必見!
マンション管理会社を変更するための9つの手順ご紹介します。

手順ごとに、おさえておきたいポイントもご紹介しますので、是非参考にしてみてくださいね。

9つの手順

 

マンション管理会社を変更するきっかけとは?

「他のマンションは、どのようなきっかけでマンション管理会社の変更を検討しているんだろう?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。

○マンション管理会社(フロント担当、管理員など)の対応が遅い、対応が悪い。

ご相談いただく方の中でも、「マンションの担当者・管理会社の対応が遅い、悪い」という不満が、マンション管理会社を変更するきっかけでダントツだと思います。

そのほかのマンション管理会社を変更するきっかけは、

○修繕工事等の見積が1社しか提出されない。その見積金額も高額である。
○マンション管理会社からの積極的な提案やアドバイスがない。
○マンション建物の破損や設備の故障がずっと放置されたままになっている。
○マンション管理委託費がサービスの割には高く感じる。
○マンションや管理組合、居住者のことを親身になって考えてくれない。

上記のきっかけにあてはまる項目が多い管理組合様は、今、マンション管理会社を見直す・変更するタイミングなのかもしれません。

次に、マンション管理会社を変更するための手順をご説明しますね。

ステップ①現状のマンション管理会社の問題点を整理

理事会を中心に、管理会社にかかわる問題点を明確化して整理しましょう。

★ポイント
理事会メンバーだけではなく、マンション管理に関するアンケートは全組合員を対象に行います。アンケートを実施し、組合員全員の意見を集約しておくことは特に重要です。

アンケートの結果、現状のマンション管理会社に不満を持たれている方が多いようであれば、ステップ②の管理会社選定に進みましょう。

→さらに詳しいステップ①はこちら「①現状のマンション管理会社の問題点を整理」

ステップ②マンション管理会社の選定と見積依頼

複数の管理会社を選定し、各社へ見積を依頼します。
一般的には、3~5社見積りを依頼するケースが多いです。現行のマンション管理会社と比較検討する場合は、見積条件を各社統一させるためにも、現状の管理委託契約書に基づく内容で依頼をしましょう。

★ポイント
見積りを依頼するにあたり、マンション管理会社ではマンションの現状を把握するためにも現地調査(マンションを実際に見ること)が必要になります。
そのために、各社に対して現地調査の日程調節が必要です。
1社ずつ日程を設けるのは管理組合のみなさんも大変なので、1日にまとめて現地調査日を設けるか、2日に分けて設けるケースが多いです。

例)○月○日
A社    9:30~10:30
B社 10:30~11:30
C社 11:30~12:30
D社 13:30~14:30
E社  14:30~15:30

見積依頼に必要なもの
①現管理会社との管理委託契約書
②現管理会社との重要事項説明書
③直近の総会資料

→さらに詳しいステップ②はこちら「②マンション管理会社の選定と見積依頼」

ステップ③見積金額と提案内容の比較検討

各社から取り寄せた見積金額と提案内容を理事会で比較検討しましょう。
5社に見積依頼を行った場合、3社程度に管理会社を絞りこみ、選考した管理会社に対してプレゼンテーション(説明)を依頼します。

★ポイント
見積金額だけでなく、ステップ①で集約した現状の問題点が解決できるのかをしっかり比較検討しましょう。
金額ばかりに目を向けず、管理の品質をアップするという視点が重要です。

→さらに詳しいステップ③はこちら「③見積金額と提案内容の比較検討」

ステップ④マンション管理会社のプレゼンテーションを開催

理事会の中で、選定したマンション管理会社のプレゼンテーションを行います。
理事会だけではなく、場合によっては、別日で居住者向けのプレゼンテーションも設け、参加された方のご意見をアンケート等で集約します。集約した意見を参考に、理事会で推薦するマンション管理会社を1社選考します。

★ポイント
プレゼンテーションにはマンション管理会社の営業担当者だけでなく、実際のマンション担当者(フロント)も出席してもらうように要望してみましょう。
管理運営に対する意気込みや人柄を知るいい機会になります。

→さらに詳しいステップ④はこちら「④マンション管理会社のプレゼンテーションを開催」

ステップ⑤マンション管理会社変更の総会準備

マンション管理会社変更の総会開催日を決定し、総会議案書を作成します。総会議案書を全組合員に配布し、出欠票の回収と集計を行います。
総会議案書の作成は、本来であれば現行のマンション管理会社が作成のサポートをしますが、他のマンション管理会社に変更しようとしている中、なんだか頼みにくいな…と思われているのであれば、新しいマンション管理会社に相談してみましょう。そうすることで、今後お付き合いしていくマンション管理会社の対応やサポート体制を確認することもできます。

★ポイント
マンション管理会社の変更を行う場合、普通決議(過半数の賛成)で十分です。総会が成立するための定足数は、各マンションの管理規約に規定されていますので、事前に確認しておきましょう。

→さらに詳しいステップ⑤はこちら「⑤マンション管理会社変更の総会準備」

ステップ⑥マンション管理会社変更の総会審議

総会で、マンション管理会社の変更および新しいマンション管理会社との管理委託契約締結の議案に対する経緯を説明し、新しいマンション管理会社による重要事項説明を行います。
重要事項説明後、管理会社変更議案について承認をはかります。

→さらに詳しいステップ⑥はこちら「⑥マンション管理会社変更の総会審議」

ステップ⑦現行のマンション管理会社と管理委託契約を解約

マンション管理会社変更を行うには、現行のマンション管理会社との管理委託契約を解消することが必要になります。
総会承認後、現行管理会社に対して、解約通知を申し入れます。

★ポイント
国土交通省が公表している「マンション標準管理規約契約書」に準じて現行の契約書が作成されているか確認しましょう。
特段の取り決めがない限り、3か月の猶予期間を付けて解約通告すれば、解約の申し入れは完了です。通告の申し入れから3カ月以降が解約日となります。

→さらに詳しいステップ⑦はこちら「⑦現行のマンション管理会社と管理委託契約を解約」

ステップ⑧新マンション管理会社と管理委託契約を締結

新しいマンション管理会社と管理委託契約を締結します。

★ポイント
管理委託契約書の内容に間違いがないか、再度確認をしましょう。

→さらに詳しいステップ⑧はこちら「⑧新マンション管理会社と管理委託契約を締結」

ステップ⑨新マンション管理会社への管理引継ぎ

現行のマンション管理会社に預けている管理組合の書類関係、通帳、印鑑、共用部のカギ、備品など、管理運営上必要になるものを新しいマンション管理会社へ引き渡します。
引き継ぎは、マンション管理会社同士で行うことがほとんどですが、引き継ぎに漏れがないようにするために、引き継ぎの進捗状況を理事会などで両社から報告してもらいようにしましょう。

★ポイント
管理費等の引落日や口座振替システムが管理会社毎に異なる場合が多いので、区分所有者は管理会社変更にあたって、預金口座振替依頼書の記入や提出が必要となるケースもあります。

→さらに詳しいステップ⑨はこちら「⑨新マンション管理会社への管理業務引継ぎ」

まとめ

以上の手順を踏まえると、スムーズに管理会社変更が行えるかと思います。

管理会社を変更するのは、「今よりマンションを良くするため」です。
金額だけでなく、現状の問題点が解決できるのかをしっかり比較検討しましょう。金額ばかりに目を向けず、管理の品質をアップするという目的を忘れないでください。(金額が安いのは、確かにとても魅力的ですが…)

見積を依頼する管理会社の選定についても、「どこにお願いしたらいいか分からないな…」と思われている方は、「マンション管理士事務所」などに相談してみてください。相談費用が発生する場合もありますが、複数の管理会社に声かけをして、コンサルティングをしてくれます。

また、今は管理会社の無料見積比較サイト等もあるので、管理会社の変更は考えていなくても、一度ご自身のマンションの管理運営を見直してもいいかもしれませんね。

 


【関連記事】
→マンション管理会社を変更する前に管理組合で取り組んでほしい2つのポイントをご紹介します。
「ちょっと待った!マンション管理会社を変更する前にやるべき2つのこと」

→さらに細かいステップごとのポイントをおさえたい方はこちらからどうぞ!
「ステップ①現状のマンション管理会社の問題点を整理」
「ステップ②マンション管理会社の選定と見積依頼」
「ステップ③見積金額と提案内容の比較検討」
「ステップ④マンション管理会社のプレゼンテーションを開催」
「ステップ⑤マンション管理会社変更の総会準備」
「ステップ⑥マンション管理会社変更の総会審議」
「ステップ⑦現行のマンション管理会社と管理委託契約を解約」
「ステップ⑧新マンション管理会社と管理委託契約を締結」
「ステップ⑨新マンション管理会社への管理業務引継ぎ」

The following two tabs change content below.

松井 久弥

あなぶきハウジングサービス:松井 久弥(まつい ひさや)
2000年あなぶきハウジングサービス入社。
全国10都道府県において、管理担当・リプレイス営業・新規拠点立上げ・部門責任者に従事。特にマンション管理会社のM&Aにおいては、案件化からデューデリ・譲渡契約・お客様対応全般・統合後プロセス(PMI)までを実践。
マンション管理士、M&Aシニアエキスパート。
  • twitter
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

ブログの読者になる

ブログの読者になると新着記事の通知を
メールで受け取ることができます。
読者登録はコチラ

最近書いた記事

関連の記事

  • facebook
  • feedly
  • rss
backtotop