赤字の管理組合役員必見!マンション管理組合の収入を増やす3つの方法

松井 久弥

こんにちは。松井です。

今回は、マンション管理組合の管理費会計の収支を改善させるポイントである「管理組合の収入を増やす方法」についてお話します。

“管理組合の支出を減らす議論”はよくあるんですが、収入を増やす方法はあまり考えていない管理組合が多いのが実情です。

「健全なキャッシュフローの第一歩は、安定的な収入から」なのです。

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そもそもマンション管理組合の収支とはなに?

管理組合の収支は、企業のように“利益を稼ぐこと”を目的としておらず、組合員から徴収した管理費や専用使用料の予算内で“適切なマンションの管理運営をおこなうこと”を目的としています。

そのため、あまり管理組合の収支について興味を持っていない居住者(組合員)も多いのですが、実は、30年とか長い目でみると、数億円ものお金が徴収され、使用されていますので、できるだけ早い段階で収支が適切かどうかを判断して改善することは、その後の管理組合の安定的な運営に大きな影響を与えるのです。

特に、分譲マンションの管理組合会計では、「発生主義の原則」を採用しており、収支報告書と貸借対照表を見比べないと、正確なキャッシュフローを把握することができません。

分かりやすく説明しますと、『例えば収支報告書上は収入が1年間で100万円計上されていても、実際はそのうちの30万円が未収金だった!』なんてことがあり得るのです。
その結果、必要な経費が払えないというマンションも実在しています。

 

まずは管理組合の収入を増やそう  

管理組合の収入を増やす方法として手っ取り早いのは「管理費を増額すること」ですが、これは中々難しいことです。

管理費を値上げする前に、不要な支出を削減する方向に動くことがほとんどなのですが、実はその前にまず考えなければならないことは、管理費値上げ以外の方法で収入を増やすことができないか検討してみることです。

支出を削減すると、通常はその代償として、商品やサービスの品質や頻度が落ちることが想定されます。それよりも、サービス品質を保ったままで、何か収入を増やすことができれば、マンション生活の満足度向上につながりますよね。

 

管理組合の収入を増やす方法① 駐車場使用料 

一般的に、駐車場使用料収入は管理費会計に充当されているケースが多いと思います。一方で、昔と比べて車離れが進んでいるエリアでは駐車場の空きが目立ってきております。

私の住んでいたマンションを例にすると、30台以上ある機械式駐車場に数台しか契約されていないという状況でした。空き駐車場がある場合、駐車場収入のロスがありますので、駐車場を1台でも多く契約することができれば収入を増やすことができます。

空き駐車場を埋める方法は、マンションの立地や戸数、駐車料金の設定にもよりますが、いろいろとアイデアを出せば、数台は契約台数を増やすことができるケースが多いです。最近ではコインパーキング会社やカーシェアリング会社等の第3者へ駐車場を貸し出しているマンションも見受けられます。

管理規約の改定が必要なケースもありますが、空き台数が多い場合には、一度、みんなで知恵を絞ってみてはいかがでしょうか。

 

管理組合の収入を増やす方法② アンテナ基地局、看板広告    

マンションの屋上に携帯電話のアンテナ基地局や企業の看板広告を設置して、賃借料を徴収しているマンションもあります。

設置できるかどうか(というよりは、企業からの需要や要望があるかどうか)は、マンションの立地によるところが大きいですが、設置しているマンションでは、これが大きな収入源となっています。場合によっては、年間で数百万円の収入を得ていることもあります。

 

管理組合の収入を増やす方法③ そのほか

自動販売機

マンションの敷地内に自動販売機を置いているのを見たことがあると思いますが、実はアレも、多くの場合はそのマンションの収入になっているのです。売上の数パーセントがマンションに支払われますので、設置場所等を考えて景観等が気にならないのであれば、選択肢の一つになると思います。

 

太陽光発電による売電

太陽光発電設備を設置しているマンションで、電力会社に電気を売っているマンションもあります。太陽光の規模によって異なりますが、毎月一万円以上の収入があるケースもあります。但し、今から新規に設置しても投資効果の観点から、元が取れるかどうかは十分な確認が必要ですね。

 

資源ゴミ回収の補助金

自治体(市区町村)によっては、管理組合が再利用できる資源ゴミをまとめて専門業者に回収してもらった場合、市区町村から補助金が交付されることがあります。住民の協力が必要となりますが、年間を通せばある程度の収入になり、エコの観点からもお勧めできます。

 

集会室や空き室を貸し出す

マンションの集会室や管理組合所有の空き住戸がある場合には、外部に貸し出すことも選択肢の一つです。但し、運営ルールの作成や管理規約の見直し、契約主体などの諸問題もありますので、該当するマンションであれば、一度管理会社に相談してみてはいかがでしょうか?

 

 

マンション収益事業の税務申告について

これらの収入を増やす方法が「マンションの収益事業」として認められる場合は課税(税務申告)の対象となります。

収入に応じた税金を納めることが必要となりますので、その分は差し引いてキャッシュフローを見ていかなくてはいけません。
税金を納めても収支がプラスになることを事前に確認しておくことが必須となります。

詳しくは「管理組合役員必見!マンション収益事業の税務申告3つのポイント」の記事をご参照ください。

 

まとめ

まずは自分のマンションで何か収入を増やす方法が無いか、一度真剣に考えてみましょう。

支出削減を考えたり、管理費の値上げをシュミレーションするよりも、きっと楽しいと思います。考えるときのポイントは、マンションの特性を生かした創意工夫ができないかアイデアを出してみることだと思います。

また、真剣に考えることは、自分のマンションのことをもっと知ることが出来る絶好の機会にもなると思います。

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松井 久弥

あなぶきハウジングサービス:松井 久弥(まつい ひさや)
2000年あなぶきハウジングサービス入社。
全国10都道府県において、管理担当・リプレイス営業・新規拠点立上げ・部門責任者に従事。特にマンション管理会社のM&Aにおいては、案件化からデューデリ・譲渡契約・お客様対応全般・統合後プロセス(PMI)までを実践。
マンション管理士、M&Aシニアエキスパート。
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