あなぶきハウジングサービスの北原です。
前回に引き続き、分譲マンションで役員が知っておきたいマンションルールと題して管理規約②をお送りします。
今回は、管理費・修繕積立金についてご説明させて頂きます。
目次
- ♦管理組合が持っている2つのお財布
- ♦管理費は、何に使うの
- ♦修繕積立金は、何に使うの
- ♦駐車料金は、どっちのお財布に入れますか
- ♦まとめ
♦管理組合が持っている2つのお財布
管理組合が管理する範囲は、マンションの共用部分が中心です。中心という表現としたのには理由があり、「専有部分の修繕のうち共用部分もしくは他の専有部分に影響を与える可能性のある内容は理事長に書面提出して理事会の承認を受ける。」と管理規約には規定されているからです。
話を2つのお財布に戻します。
一つ目のお財布は、管理費勘定(一般会計)であり、二つ目のお財布は、修繕積立金勘定(特別会計)です。
マンションの将来的な大規模修繕の時、資金不足に陥らないように二つのお財布は別々に会計されるようになっています。(区分経理)つまり管理規約では、それぞれの会計勘定が何に使えるのかというように詳細に規定されています。
♦管理費は、何に使うの
一般会計の収入源は、区分所有者の皆様に月々負担いただいている管理費です。
この会計で支出可能な代表例を記載し、内容をわかりやすくご説明させて頂きます。
・共用部分水道光熱費 ⇒ エントランス、廊下の照明設備の電気代、共用のトイレや清掃作業に使う水道料金など
・管理会社への委託業務費 ⇒ 管理員さんの派遣費、エレベータ・消防設備・給水設備の点検費用、事務会計費用、会合運営補助費用など
・共用部分損害保険料 ⇒ 火災・地震保険料
・経常的な補修費 ⇒ 共用廊下のマットが剝がれた時の修理代など
・公租公課 ⇒ 管理組合が納める税金
などです。
♦修繕積立金は、何に使うの
特別会計の収入源は、区分所有者の皆様に月々負担いただいている修繕積立金です。
この会計は、前述の一般会計とは違い、日常的には、ストック(貯金)していくものです。
マンションで必要となる大規模修繕工事の時に限り支出可能です。こちらについても支出可能な代表例を記載し、内容をわかりやすくご説明させて頂きます。
・一定年数経過毎に計画的に修繕 ⇒ 大規模修繕工事
・不測事故により必要となる修繕 ⇒ 地震などの震災復旧工事
・建物の建て替え
・大規模修繕工事の際の借入れの償還
などです。
♦駐車料金は、どっちのお財布に入れますか
ここまでは、皆様のご負担いただく管理費・修繕積立金についてのみ記載してきましたが、駐車場使用料は、どちらのお財布に入れるものでしょうか。
駐車場使用料が代表例とされる専用使用料については、標準管理規約では、どちらの財布にいれても良いとされています。一般的には、管理費と同じ会計勘定としていることが多数派です。
♦まとめ
今回は、皆様が月々ご負担頂いている管理費・修繕積立金についてその使われ方のルールをお伝えしました。
前回のまとめでもお伝えしましたが、管理規約は、難しそうな条文書きとなっていますので、極力わかりやすい表現でお伝えしていきます。次回は、管理組合の業務・役員について記載予定です。
前回記載した規約の効力・共用部分と専有部分については、
→ 分譲マンションで役員が知っておきたいマンションルール|管理規約① をご参照ください。
北原浩二
あなぶきグループ入社一筋。戸建住宅販売・不動産売買仲介・ホテルフロント・ 賃貸仲介・分譲マンション管理・コールセンターの仕事を経験した後、現在はグループ全社のCS推進、ISO認証維持を担当する部署(CS推進室)に所属しています。特にISO認証維持については、品質・環境・情報セキュリティ各分野で社員教育・指導も担当しています。
昨年より、グループが経営する専門学校の不動産ビジネス課で教壇にもたっています。
保有資格:マンション管理士
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