こんにちは。
あなぶきハウジングサービスの藤川です。
さて、今回は前回お話しさせていただきました『賃貸マンションオーナー必見!自主管理は難しい!?自分で賃貸マンションを管理するのが難しくなった3つの理由。』を基に、今回は管理会社に任せた場合のメリットをお話しさせていただきたいと思います。
目次
- 入居者募集チャンネルの拡大
- 市場動向の把握
- 入居者対応レベルの向上
- まとめ
入居者募集チャンネルの拡大
前回、入居者募集方法の変化でお話しさせていただいた通り、IT化が進んだ昨今では、以前の紙媒体だけの募集にとどまらず、インターネットを利用した募集方法が主流となっています。
単純にインターネットの募集といっても、種類は多岐にわたります。
各不動産会社のホームぺージをはじめ、SUUMOやHOME’S、athomeといったポータルサイトへの出稿、紹介する手法としても、パノラマ画像やVRを利用した紹介や、動画などもあります。
最近では、SNSやニュースページでの対象となりうるお客様への広告などもあります。
これだけの種類の広告手配・更新をオーナー様一人で実施するのはかなりの重労働です。(ポータルサイトによってはオーナー様個人が出稿することはできません)
管理会社によって取捨選択はありますが、概ね上記のような募集の手立てを手配し、更新してくれます。
ITを利用してお部屋探しをしている現代では、欠かせない項目となります。
なお、現在まで自主管理をしてきたオーナー様からよく聞かれるのは「依頼した管理会社に問い合わせたお客様だけしか紹介してもらえないのでは?」という点です。
管理会社によっては、同業の不動産会社へ管理物件の空室情報を、開示しないところはありますが、概ねの管理会社さんは開示しています。
結果、依頼した管理会社が情報を同業他社の不動産会社へ情報提供してくれる管理会社であれば、オーナー様は各不動産会社へお客様の斡旋を依頼するため、空室の情報を持って複数社訪問したり、メールを送ったりすることも必要なくなります。
市場動向の把握
賃貸マンションも日々進化しています。
以前は、「洗浄機能付き便座がついていてほしい」という希望の設備だったものが、現在は「洗浄機能付き便座がついていなければ借りない」という必須設備になってきたりと、お客様のニーズはどんどんと高まっています。
需要と供給のバランスが崩れて空室が多くなっている地方エリアは特にマンションに設置されている設備の進化は進んでいます。
これから、IT化がますます進むなかで、IOTなど賃貸マンションの設備の進化はさらに加速すると考えられます。
このような、刻々と変わる入居者ニーズを自主管理のオーナー様がとらえていく為には、それなりのアンテナを張っておかなければなりません。
その点、管理会社に依頼しておけば、管理会社へ流入してくる情報や、管理会社自身がアンテナを張っている情報を聞くことが可能となります。
なお、市場の動向は入居の時だけではありません。
近年、解約時の敷金精算、原状回復工事の費用負担割合の決定などで、多数のトラブル事例がでており、解約時の手続きに伴う動向も意識しなければなりません。
前回お話しした通り、国土交通省によって公表された「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(以下、ガイドラインとします)」とIT化による情報収集の簡素化により、退去者様も多くの知識を持って解約精算に臨まれます。
結果的に、自主管理の場合、オーナー様の知識力がなければ、トラブルになり、最悪の場合には訴訟事案になることもあります。
管理会社に任せることによって、管理会社は、当然上記のガイドラインの内容や、最近の敷金精算の動向なども理解していますので、解決に向けて提案を実施してくれることとなります。
オーナー様にとって、解約精算時の負担割合で折り合いがなかなかつかず、空いた部屋の修繕手配が進まないことによって、空室期間が延びることが最も痛手であることも理解が必要です。
入居者対応レベルの向上
こちらの項目も前回及び上記でお話しさせていただいた通り、需給バランスの崩れた地方エリアの場合、借主は家賃を払っている変わりに『良い住環境の提供』をオーナー様に求めています。
結果、設備の故障や陳腐化は、入居者様の大きな不満となり、対応が遅れればクレーム事案となります。
入居者様への対応で大切なポイントは2点あり、1点目は『迅速な対応』です。
大手の管理会社であれば入居者様対応専属の担当者が設置されていたり、24時間365日受付のコールセンターを設置しているところもあります。
設備の故障などは、発生した時に入居者様の不満度数は高まりますが、迅速な対応により『この賃貸マンションは対応が早くてありがたい』とプラス方向に転じることもあります。
あともう1点は、『最近のトレンドの把握』です。
この点については、上記「市場動向の把握」と同じ内容ですが、その内容を募集だけにとどまらず、現在の入居者様にも提供するという点がポイントになります。
一般的なオーナー様であれば、『入居中のお部屋の設備を変える』という点にはあまり力をかけません。故障が出れば対応するといったところだと思います。
しかし、インターネットなどの情報社会の中で、近隣に同じ家賃又は現在契約している家賃より安い家賃で空室があれば、入居者様は住み替えを検討します。
結果、転居されてしまうと募集のために、近隣の物件に家賃や設備を合わせていく必要が発生します。
管理会社に任せることによって、近隣の情報や、市場の動向をもとに、設備のグレードアップの提案をもらうことが可能となります。
地域でそれなりの戸数を管理している管理会社であれば、近隣の物件の設備状況も把握することができるでしょう。
その情報と、現在のマンションの入居者様の契約条件をもとに、担当者と相談しながら先手を打つことができるのも、管理会社へ任せたときのメリットと言えます。
まとめ
入居募集チャンネルの拡大だけであれば、管理を任せずに仲介会社へ依頼することでカバーできる部分はあります。
しかし、ほかの2点をカバーすることは非常に困難です。
なお、管理会社に任せることによって得られるメリットは上記だけではありません。例えば管理を任せている管理会社の仲介担当者は、当然管理しているマンションを優先的に紹介する点があります。
2020年には民法の改正も予定されています。これからますますIT化も進むことも考えられ、情報があふれる中で、どの情報が正しい情報なのかを取捨選択する知識も必要となります。
少し不安だなと感じられたオーナー様は、お近くの管理会社に相談してみましょう。
藤川展行
うどん県出身。穴吹カレッジを卒業後、20歳で株式会社穴吹ハウジングサービスに入社。
カーテンや照明などの物品販売営業、室内リフォーム営業、マンションの大規模修繕(外壁改修)営業を経て、賃貸マンションの管理業務・新商品の開発に従事。県外への転勤の際に、自宅用に購入したマンションを貸し出しし、賃貸オーナーとしても奮闘中。。
プライベートでは、さぬきうどん研究会に入会し「さぬきうどん」について勉強しています。
保有資格:賃貸不動産経営管理士、上級相続支援コンサルタント、CPM(米国不動産経営管理士)、CCIM(米国不動産投資顧問)、マンション維持修繕技術者、宅地建物取引士等
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