こんにちは。
あなぶきインシュアランスの柿沼です。
今回のテーマは地震保険です。
地震保険に関する記事はたくさんありますが「そもそも地震保険ってなに?」って感じている方も多いと思います。
この記事は地震保険の入門編として、地震保険をできるだけ分かりやすくご紹介します。
※本投稿は2021年1月3日の記事をリライトしております。
1.地震保険の目的は?
地震保険は「国」と「民間の損害保険会社」が共同で運営する制度です。
その目的は「地震による被災者の生活の安定に寄与すること」です。
よく『地震保険に入っていれば、建物や家財が被害を受けた時に全部を元通りに直すことができるの?』といったご質問をいただきますが、答えは「できない」です。あくまでも被災されたあとに少しでも以前の生活に戻せるように手助けをするための保険となっています。
また、なぜ国と民間の損害保険会社が共同で運営しているのか?とご質問をいただくこともあります。
それは「巨大地震により相当な被害が発生したときに民間の保険会社だけでは対応できないおそれがあるから」です。
つまり、民間の保険会社でカバーできない部分を国がバックアップするということです。
災害の発生時期や発生頻度の予測がとても難しく損害が巨額になることも考えられるので、このような制度となっているのです。
また保険の内容や保険料は『どの損害保険会社で加入しても同じ』です。
国と共同運営している制度ならではの特徴ですよね。
2.地震保険でどこまで補償できる?
“建物や家財が被害を受けた時に全部を元通りに直すことができない”と書いていますが、では地震保険ではどこまで補償できるのでしょうか。
まず保険金額の設定は「火災保険金額の30%~50%の範囲内」です。
もしご自身のマンション住戸の火災保険金額が1,000万円の場合は、地震保険金額は500万円までしか設定できません。
また、支払われる保険金は損害の程度によって「全損」「大半損」「小半損」「一部損」に区分され、それぞれの区分に応じた割合で保険金が支払われます。
<地震保険 支払われる保険金>
地震保険金額が500万円だとしても、一部損と認定されると契約金額の5%である25万円しか支払われません。
地震保険では建物や家財が被害を受けても全部元通りに直すことはできないのです。
3.地震保険は単体で加入できる?
よく「地震保険だけで加入することはできますか?」とご質問をいただきます。
答えは「火災保険とセットでないと加入できません」です。
地震保険金額の設定も前述のとおり「火災保険金額の30%~50%の範囲内」となっていますので、火災保険契約がないと加入することができないのです。
現在、火災保険だけに加入されており地震保険をセットしていなくても、火災保険の契約期間の途中で地震保険をセットすることができます。
4.地震保険の保険料は都道府県によって違う
日本は地震大国ですが、都道府県ごとに地震の発生確率は違います。
そのため、建物の構造とお住まいの都道府県によって、地震保険の保険料は異なるのです。
地震保険料は、本来必要な保険料に対する不足分を補うため都度見直しがなされており、2022年10月1日に改定が決定しております。
<地震保険料(2022年10月1日~)>
今回の改定では、基本料率が全国平均で0.7%引き下げられますが、所在地や構造によって、引上げ・引下げ(引上げ率最大:+29.9%、引下げ率最大:▲47.2%)となる区分があります。
お住いの都道府県が引上げ地域で地震保険未加入の方は、早めに中途付帯を検討してみても良いかもしれませんね。
なお、お住まいの都道府県ごとの地震活動に関する情報は、政府の「地震調査研究推進本部」が詳しい情報を出していますので、気になる方はチェックしてみてください。
5.まとめ
東日本大震災や熊本地震、直近では2022年3月16日に発生した福島県沖地震など、ここ10年前後で大きな被害をもたらした地震が全国各地で発生しております。
これに伴い地震保険も注目されていますが、分かりにくい部分も多くありますよね。
今回の記事で、少しでも地震保険についての理解を深めていただければ幸いです。
また、以下に地震保険を調べる際に参考になるサイトのリンクをいくつか載せていますのでぜひ参考にしてみてください。
・一般社団法人日本損害保険協会 地震保険特設サイト
・「地震調査研究推進本部」
・財務省「地震保険制度の概要」
柿沼孝明
2015年あなぶきハウジングサービスに新卒入社。マンション管理組合の運営サポート業務を経験後、あなぶきインシュアランスへ出向。フロント担当者の経験を生かした、東日本エリア(関東・東北・札幌)の管理組合様への火災保険の更新提案や、個人・法人への様々な損害保険提案業務を行っています。
保有資格:管理業務主任者
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