ご存知ですか?「窓ガラス熱割れ」の火災保険適用について

柿沼孝明

こんにちは。
あなぶきインシュアランスの柿沼です。

みなさんがお住まいのお部屋の窓ガラスが
何もぶつかったりぶつけたりしていないのに、いつの間にかひびが入っていた…”
ということはありませんでしょうか?

それは「熱割れ」という現象の可能性があります。

実は、火災保険で「熱割れ」が保険の適用対象となる場合があるのをご存知でしょうか?
今回は弊社でも事故受付も多い「ガラス熱割れ」発生時の火災保険について紹介します。

※本投稿は2021年11月28日の記事をリライトしております。

 

①窓ガラスの熱割れとは

熱割れ写真

窓ガラスが熱割れする原因は、窓ガラス内の温度差によるものと言われています。
太陽の陽があたる中央部分は、熱を吸収して温度が高くなりガラスが膨張します。
一方、太陽の陽があたらない端の部分は温度が変わらないため膨張しません。この中央部分と端の部分の引っ張り合う力により、窓ガラスにひび割れが発生し、この現象を熱割れと呼びます。

<熱割れのメカニズムイメージ図>

熱割れのメカニズム

 

②なぜ火災保険で補償対象となるのか

保険会社や補償付帯の有無はご契約内容により異なりますが、火災保険の基本補償には「破損・汚損」という補償があります。
この破損・汚損は、「不測かつ突発的な事故による損害」を補償するという内容が含まれています。
これは、被保険者が予想できなかったであろう損害(事故)に対して保険金が支払われるもので、熱割れの場合には予測できなかった損害(事故)と認定される場合があります。

分譲マンションの場合、「窓ガラス」は標準管理規約(第7条三)において専有部分に含まれない(=共用部分)とされております。
一般的な分譲マンションにおいては、標準管理規約を基に分譲主ないし管理組合が作成や改訂を行っているため、標準管理規約に準拠した内容となっているケースがほとんどです。

そのため、管理規約上共用部である窓ガラスの熱割れが発生した場合、管理組合(または管理会社)へご連絡いただき、管理組合(理事会・総会など)がマンション共用部の火災保険を使って対応(保険申請)し、修繕工事を実施するかについて検討いただくこととなります。

 

③免責金額等にご注意

免責金額とは、損害の金額から差し引く金額を言います。
被保険者が自己負担する金額と思ってください。

「破損・汚損」については、保険会社が最低免責金額を設定している場合が非常に多いです。
窓ガラスの熱割れは複数箇所発生しているケースもみられ、その場合にはガラス1枚につき1事故と判断されます。免責金額は1事故に対して発生しますので、まとめて事故申請した場合には注意が必要です。

<事例>
熱割れと思われるガラスが2枚発見。ガラス2枚交換工事の保険申請を行う。

・免責金額:10,000円
・見積金額:100,000円
・認定金額:100,000円
・保険金支払金額:80,000円
※80,000円=100,000円(認定金額)-20,000円(ガラス2枚免責:10,000円×2)

工事費用が免責金額を下回る場合には支払い対象外となるため、保険申請する際には補修内容をよくご確認ください。

また、マンションの共用部火災保険においては、保険契約更新前の成績計算期間中に保険申請する場合、1つの事故申請においてもガラスの熱割れが複数個所発生していると複数事故扱いになり、更新保険料が値上がりする可能性もありますのでご注意ください。

 

まとめ

今回は窓ガラスの“熱割れ”について紹介しました。

ただし、窓ガラスの破損といっても熱割れだけではありません。
台風や強風による破損、泥棒の侵入による破損、鳥が衝突しての破損など様々なケースが考えられ、これらの破損はその原因によって補償内容が異なります。

この機会に、一度ご自宅の窓ガラスや保険証券をご確認してみてはいかがでしょうか。

The following two tabs change content below.

柿沼孝明

あなぶきインシュアランス 柿沼 孝明(かきぬま たかあき)

2015年あなぶきハウジングサービスに新卒入社。マンション管理組合の運営サポート業務を経験後、あなぶきインシュアランスへ出向。フロント担当者の経験を生かした、東日本エリア(関東・東北・札幌)の管理組合様への火災保険の更新提案や、個人・法人への様々な損害保険提案業務を行っています。

保有資格:管理業務主任者
  • twitter
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

ブログの読者になる

ブログの読者になると新着記事の通知を
メールで受け取ることができます。
読者登録はコチラ

最近書いた記事

関連の記事

  • facebook
  • feedly
  • rss
backtotop