終活に向けて、エンディングノートの利活用法

柳谷智洋

👧: パパ、そういえば、お婆ちゃんって、何歳だったけ?
👨: 確か、75歳だったかな。
👧: そうか、じゃぁ、今のうちにいっぱいおもちゃ買ってもらっとこ。
👨: このあまのじゃく娘め!

 

こんにちは。
あなぶきインシュアランス 柳谷です。

 

皆さん、終活って、されていますか?

まだまだ先のこととお考えかもしれませんが、終活を行っていくことは、自分を見つめ直し、新たな目標を立て、家族のことを改めて考える良い機会になるかもしれません。
今回は、終活の手始めとしてエンディングノートの利活用を記載しております。

 

お婆ちゃん:私も歳をとったねぇ。そろそろ、終活でも初めようかな。

孫娘:お婆ちゃん。終活って何?

お婆ちゃん生きているうちに自分や家族が困らないよういろいろ準備することよ
まず、自分のことをエンディングノートに書き出して整理してみようかねぇ。

孫娘:自分のこと?なんか面白そう、私も一緒にしてみたいわ。

 

1.エンディングノートとは

もし、自分に何かあったとき、例えば、死亡、病気、認知症などに備えて、家族のためにも必要な情報を書き残しておきたいものです。ただ、メッセージ的なものの必要性を感じながらも、まだ元気だから大丈夫とか、何から始めればよいか分からないという理由で着手できない人は多いようです。
そこで、エンディングノートは、まず、自分に関する事項を整理することで、今のうちにやっておいた方が良いものや家族に何を伝えていけばよいかを気づかせてくれるツールです。

エンディングノートは書店等で購入できます。ノートは各項目に沿って記入していくような仕組みになっていますが、自由に自分流のスタイルにしてみても良いです。項目によっては、忘れていた情報を思い出しながら新たな情報も調べながら付け加えたりする必要もあります。手間がかかる場合もありますが、締切はありませんので、時間をかけて整理してみて下さい。

ノートをまとめあげることで、終活の全体像やこれから何を目標としていけばよいか整理ができます。
また、ノートに記載されている情報は、生活していく上で必要な情報なので、備忘録としての役割も果たす
こともあります。

以下は、エンディングノートに記載されている主な項目例です。

自分のこと(氏名・生年月日・住所・本籍・趣味・履歴・思い出)
親戚・友人・知人の連絡先名簿
病歴・入院歴・かかりつけの医療機関
財産(貯蓄・借入・保険・年金・不動産・株式等)
伝言ごと(介護方針・葬式スタイル・お墓・相続・残された写真・ペット等のこと)
家族、知人へのメッセージ
生きているうちにやりたいこと(夢や目標)

 

 

2.エンディングノートの開始時期・利用法について

高齢になってからエンディングノートを書けば良いと思われるかもしれませんが、世代に関係なく、自分史として活用する方法もあります。ノート項目の「生きているうちにやりたいことリスト」の夢の実現に向けて取り組む事は世代には関係ありません。
さらに、今後のライフイベントを盛り込むことで、時間設定や必要資金の目標設定にも役立ち、ライフイベントノートとして利用する方法もあります。

 

【世代による追記イベント例】

20・30代 結婚・子供の進学・車購入等

40代~ 住宅資金・子供の結婚・趣味につかう資金等

60代~ 退職・親や自分の老後資金・旅行資金・お墓購入等

 

【こんな利用方法も】

夫婦間の相互理解
エンディングノートを見せあって、自分たちの今後の話し合いのきっかけになるかも

家計の把握
妻に任せっきりだった資産管理を自分で把握

家族の把握
子供や親、家族の歩みを振り返ることも

気づき
家族に対して感謝の気持が湧いてきた、こんな自分になりたいなど

ボケ防止
記憶をたどりながら思い出とか整理するので、認知症予防として

 

孫娘:お婆ちゃん。ノートできたら見せてよ。

お婆ちゃん:だめだよ。まだ元気なうちは見せません。おばあちゃんの体が動けなくなったら見せてあげる。見せたくないことも書いてあるからねぇ。

孫娘:何、ちょっと気になる!

 

3.エンディングノートの注意点として

場合によっては、せっかく作成したエンディングノートが誤認・悪用されるかもしれません。
そうならないためにも十分取扱いに注意して下さい。主な注意点を列記させていただきます。

 

エンディングノートは、遺言書と違って法的な効力はありません
ただ、家族や身近な人への精神面でのメッセージ効力は期待できます

保管場所
見られたくない個人的な情報もあります。いざというときのために親しい人だけに保管場所を伝えておきましょう。

情報は、定期的に更新
医療情報等は適切な治療が受診できるよう定期的に更新しておく。

ID・パスワード等の保管に注意
ATM等のパスワードのメモ書き、盗撮、盗難等によるパスワードの流出注意

その他
書き直しをする場合もありますから、修正できるように鉛筆とかで記入しておく。
データで保管しても良いですが、必要・不必要なデータを選別する時に、誤って情報を消去しないよう注意して下さい。

 

 

4.エンディングノートからライフプランの見直しへ

今の財産状況を一覧表にして整理しておくと、今後の生活に必要とされる資金夢の実現のための必要資金等を把握することができ、また、必要なものとそうでないものを選別することができます。

特に、医療保険等については、昔入った保険内容が今ではあまり役に立たない場合があります医療の発展等により入院期間が短くなったりして保険の対象期間にマッチしていない等)ので、ついでに保険の見直しを行うと良いかもしれません。

また、社会保険制度、財産管理、相続対策、公的制度の仕組み、お葬式のことなどは複雑です。専門家への相談が必要になる場合がありますので、事前に窓口を把握して相談しておくことも大事です。

 

【ちょっとした財産の整理方法】

預貯金
金融機関ごとに普通預金、定期預金(満期時期)を一覧表として整理
例えば、長い間取引されていない預貯金(10年以上)の休眠口座は各銀行のルールにより管理料が発生したりしますので、不要なら解約するなど注意が必要です。

有価証券
有価証券や証券会社から定期的に送られてくる報告書を元に整理

不動産
不動産リストを作成(名義、所有権か借地権か、抵当権者、担保設定者はいないか

保険
保険会社別に、生命保険、医療保険、年金保険、自動車保険、火災保険等を一覧にし、
証券番号、保障期間、補償額受取人等を整理
本当に必要な保険・使える保険に加入していますか?

住宅ローン・クレジットカード等
カード別に、現在の残額、月々の返済額、返済予定年月の一覧表を作成
返済可能ですか?余裕があれば繰り上げ返済をおすすめします。

その他
カード等の利用で貯まったポイントは、相続できないで上手に使い切る

 

お婆ちゃん:こうしてエンディングノートを書いてみると、やることいっぱいできたわ。これじゃ、まだまだ安心して死にきれんわ。

孫娘:いいじゃん。長生きして私の子供の面倒も見てね。

お婆ちゃん:いいね!やりたいことリストに追加しておくわ。

 

5.まとめ

今回、エンディングノートの内容や利用方法について記載しました。エンディングノートの作成はどのタイミングで始めても遅くはありませんし、むしろ早いほうが様々な見直し・目標設定に役たちます。自分の人生を見つめ直しながら、悔いのない人生を送れるようになれば素敵ですね。また、ご家族にも大事なことを伝える手段としてぜひ、ご利用してみてください。

 

The following two tabs change content below.

柳谷智洋

あなぶきインシュアランス フィナンシャル事業部
柳谷 智洋(やなぎたに ともひろ)

香川県出身。2008年穴吹ハウジングサービスに入社。賃貸事務センターにて、オーナー様への送金・入居者様からの入金処理等の業務に従事。2021年4月より、あなぶきインシュアランスに出向。銀行代理業の住宅ローンに係る事務手続き業務を中心に従事しております。できるだけ、身近で有意義な情報が発信できるよう頑張っていきます。どうぞ、よろしくお願いします。

保有資格:宅地建物取引士、管理業務主任者・ファイナンシャルプランナー(日本FP協会:2級)
  • twitter
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

ブログの読者になる

ブログの読者になると新着記事の通知を
メールで受け取ることができます。
読者登録はコチラ

最近書いた記事

関連の記事

  • facebook
  • feedly
  • rss
backtotop