知っておきたいマンションの【音によるマーキング調査】

西口洸平 西口洸平

こんにちは。元気いっぱい夢いっぱい。あなぶき建設工業の西口です。

人生常に発見の連続、そして日々勉強。

マンション・ビル等の新築・大規模修繕工事の現場監督を経て、現在は建設統括本部という部署で各現場の安全、品質検査等の業務を行っております。

現場でのお客様との関わりを大切にして、日々の業務に努めております。

そんな業務の中での発見や気づきなどを発信し、

少しでもブログ読者の皆様に有益な情報がお届けできれば幸いです。

 

本記事では、主にマンション管理組合様・マンションオーナー様向けにブログを書いていこうと思います。特に大規模修繕工事など工事に関わる内容を中心に管理組合様に向けてブログを発信していきます。

今回は、マンションの『音によるマーキング調査』に着目して、劣化状況の見分け方についてお話しいたします。

◆マーキング調査とは?

大規模修繕工事において、皆様がお住いのマンションの補修工事に先立ち、タイル及び塗装、コンクリートなどの劣化部分の調査を行います。事前にどこの部分がどのように劣化しているのかを確認し、劣化部分に目印(マーキング)を残す調査のことをマーキング調査といいます。

カラフルな色で外壁に印をつける為、一見落書きのようにも見えますが、事前に決めた補修工法で適切に補修工事を行う為の重要な調査になります。

 

◆音の違いで見分ける劣化状況の違い

マーキング調査では劣化部分ごとに目印(マーキング)を残すとお伝えしましたが、実際の調査ではどのように劣化の種類を見分けているのでしょうか。

劣化状況は《目視で判断》する場合と《音で判断》する場合があります。

例えば、タイルの補修工事でいえば、《目視で判断》ができる内容としては、タイル表面にひび割れが入っていないか、欠けていないか、タイルが部分的に大きくたわんで膨らんでいないかなどを確認します。

《音で判断》する場合としては、タイルを打診して音の違いで、タイルがきちんと接着しているか否かを確認します。

今回は、《音で判断》する場合のマーキング調査について以下の通り、ご紹介いたします。

 

【タイル面のマーキング調査】

タイルの浮きや剥離の主な原因の一つとして、

日中と夜間の温度差による乾燥収縮が原因で、収縮係数の違うタイルと下地材が挙動することにより生じます。その他、様々な理由からタイルの浮きや剥離が生じます。

動画①の音は下地とタイルの浮きの音の一例です。

下地とタイルの間に空気層ができることで音が響いています。

タイル一枚に対し、下地との隙間がどの程度の範囲、どの程度の厚みの空間があるかで、音の違いが微妙に異なります。

 

動画②の音は下地とモルタルの浮きの一例です。

動画①と同様に下地とモルタルの間に空気層ができることで音が響いています。

同じタイルでも接着状況により音の違いは様々な為、現場では動画のような音をはじめ、微妙に変わる音を聞き分けマーキング調査を行います。そして、タイル打診音の違いからタイル貼替やエポキシ樹脂注入工法(接着工法)などの適切な工法選定を行います。

 

【塗装面のマーキング調査】

・下地の浮き

下地の浮きは、モルタルとコンクリート躯体の間に空気層ができている状態です。モルタル浮き部を打診すると正常部分に比べて軽い音がします。

動画③の打診音で確認いただくと打診1~6回目はモルタルとコンクリート躯体が接着している正常な箇所、打診7~12回目はモルタル浮き部の音というように音の違いを聞き分けます。

モルタル浮き部の補修は、浮き部を削孔(穴をあける)し、エポキシ樹脂(接着剤)を注入することでモルタル浮き部の剥落を防止します。

 

・塗膜の浮き・剥離

外壁にできたクラックから雨水や湿気が溜まるなどの原因で塗膜の浮きや剥がれが発生します。動画ではカサカサとした音が聞こえるかと思いますが、下地と塗装の間に空気層ができ塗膜が剥がれた状態の音です。

打診棒により壁面や天井面の塗膜の浮きを調査し、マーキング後に浮いた塗膜を剥ぎ取り補修した上で、塗装を行います。

 

◆まとめ

今回はマーキング調査の音について説明させていただきましたが、見た目だけでは判断できない劣化状況についても打診音の違いで判断することが必要です。マーキング調査は下地補修前に劣化状況を見極める為の重要な調査です。
大規模修繕工事では、《目で見える劣化範囲》だけでなく、《音で聞き分けた劣化範囲》を見える化し、理事会・修繕委員会の皆様に劣化調査数量表という形でご提出いたします。劣化調査数量は工事のできるだけ早い段階でご報告をさせていただき、数量の増減に伴う工法選択などのご相談・お打合せをさせていただきます。

今回のブログの目的は、《音によるマーキング調査》という着眼点から劣化調査数量表や工事内訳書の中身がどのような調査で集計されているのかを知っていただき、大規模修繕工事に少しでも興味を持っていただくきっかけになればと思いブログを書きました。

その他、マーキング調査や下地補修工事などの関連ブログURLを以下の通り掲載しますので、ぜひご参照いただければと思います。

https://anabuki-m.jp/information/construction/41197/

https://anabuki-m.jp/information/construction/19766/

https://anabuki-m.jp/information/construction/19894/

 

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西口洸平

西口洸平

株式会社あなぶき建設工業
西口 洸平(にしぐち こうへい)

新築工事、大規模修繕工事の現場監督を経て、
現在は建設統括本部にて現場の後方支援を行っております。

趣味ではありませんが、好きなことは現場近くや出張先で美味しいご飯を食べることです。
ご飯を食べると思わず『ウマッ』と声に出てしまうので、会社の人によく笑われます。
経験豊富な上司や好奇心旺盛な後輩がいる会社で毎日楽しく働いております。

本ブログでは現場で培った経験等を活かし、ブログ読者の皆様に
有意義な情報発信となるよう努めて参ります。

保有資格:1級建築施工管理技士
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