こんにちは!今回から自動車を所有することによってかかる税金を見ていきますね。
自動車関係の税金はたくさんあります。
・取得時 自動車税・軽自動車税環境性能割(取得課税)
・取得時と車検時 自動車重量税
・毎年 自動車税・軽自動車税種別割(保有課税)
・走行時 揮発油税・地方揮発油税・石油ガス税・軽油引取税
自動車の課税関係を図で表すと以下のようになっています。
ひとくちに自動車の税金といっても国税だったり地方税だったり、車の重さや性能によるものだったり、いろいろあるんですね。
今回は取得時にかかる 自動車税・軽自動車税環境性能割についてです。
課税される車、課税されない車
自動車税環境性能割は都道府県による課税。軽自動車税環境性能割は市区町村による課税です。
対象は三輪以上の小型自動車、普通自動車、バス、トラックなどです。
ロータリー除雪車やショベル・ローラなど特殊自動車は対象外になります。
取得価額が50万円以下の時や相続による取得は課税されません。
(取得価額にはカーナビ、オーディオやエアコンなどの付属物も含まれますが、購入後に装備した場合は取得価額に含まれないことになります)
法人の合併や分割による取得、自動車の性能に問題があり、取得の日から1ヶ月以内に返品した場合なども課税されません。
「環境性能割」という名称からもわかるように、CO2の排出が少なかったり、環境への影響が少ない車が優遇される仕組みになっていて、電気自動車・天然ガス自動車・プラグインハイブリッド自動車は非課税になります。
その他、以下のような特例が設けられています。
・条例バス特例・・・地域住民の生活の足として必要な乗合バスの取得は非課税になります。
・バリアフリー特例・・・ノンステップバスや福祉タクシーなどは普及を加速しようとしていて、取得価額から 車両の種類に応じて一定の金額が控除される特例措置が設けられています。
・ASV特例・・・衝突被害軽減ブレーキを搭載したバス・トラックに対しての軽減措置が取られています。
また、障害者の方が運転する車は減免を受けることが出来ますが、申請期限があったり、障害の程度などが決まっている場合もありますので、詳しくは申請される自治体へお問い合わせください。
いくら課税されるの?
計算方法は次のとおりです。
環境性能割の税額=*取得価額×環境性能割の税率
*取得価額は(課税標準基準額+オプション)で求めます。中古車の場合は、これに「残価率」をかけます。
50万以下の時は課税されません。
課税標準基準額は車種や仕様などから決められていて、車両本体価格の9割程度のようです。
オプションは購入時に取り付けられたオーディオやエアコン等の付属物になります。
中古車の場合は、新規取得価額から経過年数に応じて残価率が決められていて、新規取得価額にかけて取得価額が決められます。残価率は都道府県によって違うようですが、経過年数に応じて取得価額が下がるようになっています。残価率については都道府県・市町村のホームページや自動車税事務所などでご確認ください。
税率は、自動車税環境性能割も軽自動車環境性能割も、0~3%の税率で課税されます。
自家用・事業用・燃費基準などで基準が定められています。
基準がそれぞれ細かく決められていて正確な金額を自分で出すのは難しいようです。正確な金額を知りたい方は、所轄の自動車税事務所へお尋ねください。
納付場所は?還付されることはあるの?
自動車環境性能割は、自動車の新規登録・移転登録時に運輸支局または自動車検査登録事務所と同じ敷地内にある自動車税事務所などで納付します。
軽自動車環境性能割は、軽自動車検査協会の構内にある全国軽自動車協会で納付します。
還付についてですが、車の性能に問題があり販売業者へ返品した場合は、納税者の申請に基づき還付されます。
また、債権者が譲渡担保財産として取得した自動車が、債権の消滅により取得の日から6ヶ月以内に譲渡担保財産設定者に返還されたときも同様に納税者の申請に基づき免除されるところもあるようです。
何に使われているの?
「自動車税・軽自動車税環境性能割」が創設される前は、「自動車取得税」という税金がありました。
「自動車取得税」は都道府県や市町村の道路に関する費用にするため1968年創設され、2019年9月まで登録者に対しては3%、軽自動車に対しては2%課されていましたが、消費税が10%に引き上げられた時に廃止されて、現在の「自動車税・軽自動車税の環境性能割」が新たに創設されたという経緯があります。
現在納税者には、自動車を使用することによるCO2の排出や、道路補修、公害、騒音などの費用を負担してもらっているのですが、地方税における普通税として、使い道については特定されておらず、いろいろな公共サービスに利用されています。
まとめ
購入した時のみ支払いする環境性能割。
好きな車を選ぶのが一番ですが、環境負荷の小さい車を選んで税金対策と環境対策をしたいものです。
田中 智恵
財務・経理本部 経理課
田中 智恵(たなか ちえ)
2009年入社
2年程組合の庶務業務を経た後、会社の経理業務に携わってきました。
現在は、九州エリアの経理を担当。
主に預金関係、売上・原価のチェック、立替精算書チェック、問い合わせ対応を行っています。
趣味:庭の手入れ、音楽鑑賞、読書
資格:日商簿記二級・管理業務主任者・宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士ほか
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