マンション管理会社より“管理委託費値上げの申し入れ”があったとき、提示金額で受けていいの?

こんにちは、あなぶきハウジングサービスの江郷です。

 

さて、今回はマンション管理会社より「管理委託費の値上げ申し入れ」があった場合その金額にて更新を行うべきなのか?についてご紹介させていただきます。

毎月の(管理組合によっては数カ月に1回の)理事会の場で「委託費用を値上げさせてください」と話が上がった場合、そのまま提示の金額を了承していいものでしょうか?

 

①某管理会社には長年管理を委託してきたし、しょうがない

②交渉すれば金額は抑えられるはずだ

③正直金額の高い安いはわからないから他と比べてみたいな

と悩まれるかと思います。

(管理委託料の値上げの理由はいくつか考えられますが、最大の理由は「最低賃金の改定」による人件費の高騰です。)

そんなときに本ブログを参考にしていただければと思います。

 

管理会社への委託業務内容は?

まずは先ほど①~③にあげた疑問点を考えるうえで、今現在管理会社に委託している業務内容を確認してみましょう。

委託業務内容は、委託契約更新の議題が上程されている総会の議案書と一緒に重要事項説明書が各所有者へ配布されておりますので、そちらをご確認ください。

※実際に比較検討のために見積依頼を行う際も重要事項説明書は必要になりますので、ご準備いただけるとスムーズにいけるかと思います。

 

管理会社に委託できる仕事は大きく分けると以下の4つがあります。

 

1.事務管理業務

・事務管理業務とは基幹事務と基幹事務以外の業務に分類されます。基幹事務の主な業務として、収支予算・決算案の素案の作成、収支状況の報告、管理費等の収納、未収金の督促、経費の支払いなどがあります。

・基幹事務以外とされるのは主に理事会や総会の開催や運営支援です。その他にもフロント(マンション担当者)による建物巡回、組合名簿の作成や防火管理などがあります。

 

2.管理員業務

管理事務室にて従事し、訪問者(来客や工事車両)の受付や対応を行います。

また必要に応じマンションの巡回、作業の立会として引っ越しの立ち合い業務などが該当します。

 

3.清掃業務

清掃業務は日常清掃と定期清掃に分けられます。

・日常清掃とは管理員や清掃員が業務の中で共用部(エントランスや廊下・階段など)の清掃を行うことです。

 管理員が清掃業務も担っている場合は管理事務室にいない場合は、マンション内の清掃を行っていることが多いです。

・定期清掃とは専門業者が機械(ポリッシャーなど)を使用して、定期的(年に数回)共用部の清掃を行うことです。

 

4.建物・設備管理業務

マンションの建物、エレベーター、消防設備、給水設備、電気設備などの法定点検や保守点検を行います。

また、定期にマンションの建物や附属施設の目視点検や給排水設備の衛生管理なども行います。

 

これらの内容を聞いて値上げの価格が妥当な金額だなと判断された場合は現管理会社の提示金額もしくは値交渉後の金額にて契約更新を総会で決議し、契約締結する流れになります。

 

他社と比較する

では、業務内容を聞いても妥当な金額かわからない、他社はどうなのだろう?と疑問が残る場合は他社へ相談してみて見積りを依頼してみましょう。

見積りの依頼内容も比較検討しやすいよう現在の管理委託契約と同じ仕様で取得し複数社比較することで、現在の金額の妥当性の判断材料になります。

 

ただし、比較検討するうえで注意していただきたい点があります。

それは安価な委託費用を提示した管理会社が必ずしも最善の選択ではないということです。

委託業務内容に記載している委託業務はもちろんのこと、管理業務は目に見えないサービスを提供しておりますのでその質のチェックも欠かせません。

提供サービスの質の確認

1.管理会社の教育体制

マンション管理業のサービスレベルは人材に依存します。マンションという特殊な設備管理の知識はもちろんですが、マンションに住む方の立場に立って考え、提案を行えるかが今後長いお付き合い・信頼関係の構築を行っていくうえでも大切になります。

また、フロント(マンション担当者)だけではなく現地に派遣している管理員への教育カリキュラムが整っているかも併せてホームページなどでチェックしてみましょう。

 

2.緊急時(夜間・休日)の対応

日中専有部や共用部で不具合が発生した場合、直接業者に連絡を入れることが可能かもしれませんが、実際にトラブルが起こりやすいのは帰宅後各業者の営業時間外です。こんな時は管理会社のコールセンターに問い合わせを行いましょう。電話口で現状の把握・修復業者の手配までワンストップで行ってもらえるかも今後マ安心してマンションで生活を行っていけるかにつながるかと思います。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。

管理会社から申し入れがあった場合、必ずしも提示金額で契約しなければならないわけではなく、管理組合にて検討することができます。また、比較検討中に契約期間の満了が近付いてきたら時間切れの心配が頭をよぎるかもしれませんが、そんな場合も現行と同一の条件で期間を定めて暫定契約を結ぶことも可能ですので安心してしっかり検討することが可能になっています。

 

本ブログでは業務内容を把握したうえで金額の妥当性を踏まえて検討しておりますが、検討する本来の目的は「今よりマンションを良くするため」です。

金額だけでなく、現状の問題点が解決できるがどうかしっかり比較検討されることをお勧めいたします。

金額が安いことはとても魅力的ですが管理の品質向上という目的を忘れないでくださいね!

 

きっかけは些細なことかもしれませんが、今は様々な検討ツールがありますので、一度ご自身のマンションの管理運営を見直してもいいかもしれませんね。

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江郷遥香

あなぶきハウジングサービス 開発事業本部
江郷 遥香(えごう はるか)

福岡県出身。2018年に新卒入社。
分譲管理事業部でフロントマンとして3年間現場を経験し、現在は分譲マンションの管理会社変更をお手伝いする営業を行っております。
現場経験を活かし、皆様のマンションライフ生活が快適に過ごせるご提案ができるよう意識しております。
このブログを通して少しでも「あなぶき」に興味を持ってもらえるよう発信していきますので、よろしくお願いいたします!
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