一昔前はマンションのバルコニーで喫煙をする人を「ホタル族」と呼び、家族から室内で喫煙することを許してもらえない状況に同情の声すら上がっていましたが、副流煙による被害が社会問題となっている現在では、マンションのバルコニーでの喫煙は訴訟を起こされる可能性すらあります。
バルコニーでの喫煙がなぜ問題視されるのか?
マンションに居住する愛煙家が配慮すべきことは何なのか?
マンションにおける喫煙問題についてご説明いたします。
目次
- 喫煙が他人に及ぼす悪影響
- 過去には裁判も
- 近隣住民に迷惑にならない喫煙方法を考える
- まとめ
喫煙が他人に及ぼす悪影響
①副流煙
副流煙が健康に与える悪影響は今や常識となっています。
マンションは戸建て住宅と比べ、近隣住戸との距離が非常に近いためタバコの煙が近隣住戸に流れ込むケースは非常に多いです。喫煙行為が自分だけでなく、近隣住民の健康をも損なう可能性があることを認識しましょう。
②臭い
マンション管理業に携わっていると、マンション居住者からの悪臭に関するクレームを受けることは少なくありません。悪臭の原因として多いのが、ゴミ、ペットそしてタバコです。
喫煙しない人はタバコの煙の臭いに大変敏感です。室内に流れ込んでくる煙の臭いだけでなく、バルコニーに干してある洗濯物に臭いがつくこともクレームとなります。したがって、マンションでのバルコニーでの喫煙はお薦めできません。
③灰・吸殻
喫煙時に出る灰や吸殻もクレームに繋がることがあります。灰皿に溜まっていた灰や吸殻が風で飛ばされ周囲を汚してしまうことは良くあります。これらの処理をしっかりと行うことが必要です。
過去には裁判も
マンションのバルコニーでの喫煙が訴訟沙汰になったこともあります。
2012年に階下に居住する男性の日常的なバルコニーでの喫煙に悩まされていた女性が訴えを起こし、喫煙した男性に賠償金の支払いを命じる判決が下されました。この時、男性のバルコニーでの喫煙を他人の健康に悪影響を及ぼす恐れのある行為とし、女性に不利益を与えた「不法行為」と認定しました。
バルコニーで喫煙すると訴えられる可能性があるのです。
近隣住民に迷惑にならない喫煙方法を考える
先に述べた裁判の事例のとおり、マンションのバルコニーでの喫煙は避けるべきです。バルコニーでの喫煙問題が後を絶たないのは、バルコニーが専用使用が認められた共用部という位置付けにあることも原因の一つです。
通常、共用部での喫煙はマンション管理規約で禁止されている場合が多いため、バルコニーでの喫煙も禁止となるのですが、部屋に付随したバルコニーはその部屋の居住者の専用使用が認められていることから長年グレーゾーンとなっていました。
しかし、最近の新築マンションの多くがバルコニーでの喫煙を禁止にしており、バルコニーでの喫煙が社会問題として取り扱われることも多くなっています。
バルコニーが駄目なら室内で喫煙するしかありません。そこでよく聞くのが、換気扇の下でタバコを吸う行為です。しかし、換気扇の排気ダクトの出口はバルコニーや共用廊下に設けられていることが多く、結局近隣住民へ迷惑をかけることになります。
こうなると、室内に喫煙ルームを設ける方法しか迷惑をかけずに喫煙する手段は無いことになります。空気清浄機や脱臭機を置くことで、煙の影響を少なくすることは可能ですし、電子タバコに切り替えることも有効です。
まとめ
愛煙家の皆様にとって残念な回答となってしまいましたが、近隣住民と良好な関係を保つことが快適なマンションライフに繋がることから、居住空間に喫煙スペースを設けることが最低限の配慮となると捉えていただければ幸いです。
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