こんにちは。飯野です。
マンションを所有・居住するうえで大きなトラブルとなる原因の1つに漏水事故があります。上から突然水が落ちてきたらびっくりしますよね。実は漏水事故の原因は大きく分けると3つに分けることができ、この3つのどれにあたるのかを特定することで、漏水原因究明方法や漏水保険事故申請等その後の対応が異なりますし、それぞれ対応が大きく変わってきます。原因を見誤ると解決までに無駄な労力が発生することやより多くの時間を費やしてしまうことにもなりかねません。
本日はその3つの原因について紹介します。
※2017年12月25日に公開した記事に修正して、2018年5月18日に再度公開しています。
目次
- 原因その1~構造上の原因~
- 原因その2~設備の原因~
- 原因その3~人的原因~
- まとめ
原因その1~構造上の原因~
構造上の原因ですが簡単に言うと雨漏れです。屋上や外壁、サッシ周り等外部に接する場所に隙間があり、雨が降るとその隙間から水が漏れてきます。雨のたびに水が漏れてくる場合はこれが原因の可能性が高いと考えられます。
この原因で漏水事故が発生し被害が生じた場合は共用部からの漏水のため、漏水原因調査の他に、水濡れ被害個所の復旧工事費用も管理組合で支出します。
漏水を防ぐ方法は適切な時期に大規模修繕工事を行うなど定期的な修繕で漏水発生のリスクを抑えることです。特に屋上防水工事は工事実施後10年の漏水保証あり、保証期間内に発生した漏水については、原因箇所の修繕はもちろんの事、被害を受けた場所の修繕も保証の範囲内となります。
原因その2~設備の原因~
原因その1で紹介した構造上の問題と並び漏水の原因の最も高いのが設備からの漏水です。浴室や洗面所・トイレやキッチンなど水回り周辺で発生する漏水は設備からの原因の可能性が高くなります。給水管や給湯管などから発生する漏水の場合、水道管に圧力をかけて水漏れの原因を究明します。設備からの漏水の場合原因が共用部からの場合と専有部からの場合のどちらからも発生の可能性があります。共用部は計画的な修繕により、発生リスクを抑えることができますが、専有部は個人の持ち物となるため、管理組合で修繕することができません。自宅が原因による漏水で他の居住者に被害を与えてしまった時に備えて、漏水リスクが高まる高経年のマンションでは損害保険の内容の見直しも必要かと思われます。
原因その3~人的原因~
構造上の原因と設備の原因に比べ発生する可能性が少ないのが人的原因です。誤って水を大量にこぼしてしまった際は、床を伝って下階へ漏れる可能性が高くなります。もし大量にこぼしてしまった際は下階の居住者へのお声掛けをするか、管理会社へ相談しましょう。水漏れ発生後に調査をしても全く原因がわからず再発もしない場合、水を誤ってこぼしてしまった事も考えられます。「覆水盆に返らず」ということわざがあり、こぼしてしまったものはもとえは戻せないものの、原因がわかっていればお金を払って調査をすることもなくなります。申し訳なくて言い出せない場合もあるかもしれませんが、マンションのフロントマンは多くの経験値があります。きっとよい解決策をアドバイスしてくれると思いますのでもし発生してしまった際はぜひフロントマンへ相談してくださいね。
・まとめ
漏水の原因は以上3種類のどれかとなります。漏水が長期間放置された場合、被害が拡大し被害箇所の修繕で多額の費用が発生してしまう場合もあります。漏水原因調査には住戸内での調査が必要な場合もよくあるため、漏水が発生した際は調査のご協力をお願いします。
飯野琢磨
前職では大工や建築積算を経験。入社後、マンション修繕工事のコンサル業務、分譲マンションのリプレイス営業、分譲マンションのフロントを経験。
マンション管理のことについてはもちろんのこと、リフォームやリプレイスなどさまざまな視点から幅広い情報を提供します。
所有資格:一級建築士・マンション管理士・管理業務主任者・宅地建物取引士
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