分譲マンションインターホンをリニューアル更新するときのポイント

飯野琢磨

こんにちは。あなぶきハウジングサービスの飯野です。

皆様がお住まいのマンション、特に築10年を超えたマンションでインターホンに故障が発生してきたということはありませんか?

今回はマンションのインターホンをリニューアルするときのポイントについてご説明します。

 

インターホンリニューアルの目安

インターホン設備は設置後24時間365日稼働する電源がずっと入った電気製品で、使用していなくても働いているため、老朽化により様々な問題が発生してしまうことがあります。

経年劣化による部品の故障発生率は設置後10年を境に増加します。故障率の増加に伴って、インターホンの修理に掛かる費用がかさんできます。

さらに大きな問題があります。各インターホンメーカーの補修部品の保有期間は生産終了後7年間となっております。メーカーでストックしている部品が無くってしまうと、その後は部品交換での対応ができなくなります。

故障率の増加とメーカーの補修部品保有期間を考慮すると、マンション竣工後約15年がリニューアルの目安です。

 

オートロック設備があるマンションのインターホンリニューアル

インターホンが故障した場合、オートロック設備のあるマンションでは以下の問題が発生します。

・お部屋内からオートロックを解錠できない。

・エントランスからお部屋への呼出しができない、エントランスからの呼び出しの応答ができない。

共用部の自動火災報知設備と連動している場合、警報音が鳴らないため、消防設備点検において指摘事項に該当してしまう。

また、インターホンはエントランスの集合玄関機、自動火災報知設備と連動するため、個別で新しいものに交換できません
もし、交換部品が無く修理できない場合は全戸一斉交換を総会で決議する必要があり、突然の故障発生の際には臨時総会を開催しなければならなくなるため、適切な時期にインターホンのリニューアル工事が実施できるよう、計画的な準備が必要です。

 

オートロック設備が無いマンションのインターホンリニューアル

オートロック設備の無いマンションのであれば一戸建てと同じように各戸でインターホンの交換が可能なため個別で交換を進める管理組合もありますが、マンション内で住戸によってインターホンがバラバラであると統一感が無くなりますので、あまりお勧めではありません。

全戸一斉交換を行う事でマンション全体の統一感が保たれるだけでなく、まとめて発注することで1住戸あたりの工事費用の圧縮できるという集合住宅ならではのメリットもあるため、全戸一斉交換の検討をお勧めします。

 

インターホンリニューアル工事の進め方

まずは、各戸のインターホンに不具合が発生していないかの確認をアンケート等で実施することをお勧めします。現状の不具合件数把握や、新しいインターホンへどの程度興味をもっているかの確認、新しいインターホンに求める性能等、居住者の意見・要望も集約した方がその後の修繕計画に役立ちます。

また現在のインターホンは10年前のものと比較し、性能や操作性が格段に向上しています。管理会社へ相談すればデモ機(メーカーの貸出機)を管理組合の会合へ持ってきてもらえるので、検討の際は一度試しに操作してみることをお勧めします。

アンケート結果を踏まえたインターホン機器の選定と施工業者の選定を理事会で決定したら総会へ上程となり、無事承認されると、インターホン設備の交換工事となります。

なお一斉交換の際には居住者の在宅が必要になりますので、各戸の工事日程に関しては改めてアンケートを実施すること等もお勧めします。

まとめ

現在のインターホンは呼出し音が鳴るだけでなく録画機能付カメラが付いていたり、室内の親機がハンズフリータイプ(従来は受話器型)のものや外部が暗くても訪問者を確認できるようLEDライトが点灯するタイプのものなど、さまざまな種類があります。

オートロック設備のあるマンションで消防設備と連動するタイプのインターホンは交換できる種類が限られる等、マンションによっては導入できないものも多くあります。

管理会社担当者にもアドバイスを求めていきながらインターホンリニューアル工事を進めていきましょう。

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飯野琢磨

あなぶきハウジングサービス 飯野 琢磨(いいの たくま)
前職では大工や建築積算を経験。入社後、マンション修繕工事のコンサル業務、分譲マンションのリプレイス営業、分譲マンションのフロントを経験。
マンション管理のことについてはもちろんのこと、リフォームやリプレイスなどさまざまな視点から幅広い情報を提供します。
所有資格:一級建築士・マンション管理士・管理業務主任者・宅地建物取引士
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