マンション大規模修繕「バルコニー床改修工事」の流れ

野嶋隆多

こんにちは。あなぶき建設工業の野嶋です。

マンション・ビル等の新築の現場管理を経て、現在は主に大規模修繕、改修工事の巡回管理をしております。

新築現場と修繕・改修現場では業務のスタイルが違うことから、いまだに初めて経験することがたくさんあり勉強の日々です。

そんな業務の中での発見や気づきなどを発信し、

少しでもブログ読者の皆様に有益な情報がお届けできれば幸いです。

 

本記事では、建築工事に興味があるけど、工事現場まで足を運んで見学をするのは大変だな~と思われている人のために、私が体験していることを書いていこうと思います。

今回はバルコニーの床改修の施工状況を報告していきます。

1.既存長尺シート撤去

床のリニューアルの最初は、古い仕上がりの撤去からです。電動ピックの平ノミで少しずつ剥がしていきます。築年数が経っているとはいえ、床面全面に接着剤で張り付けられているので、簡単には剥がれません。
また、長尺シートが紫外線で傷みが進んでいると、ブツブツ千切れて、はかどらないことがあります。それでも取り残しが無いように剥がしていきます。

廊下の長尺シートを剥がす時は専用の機械があります。ペッカーという機械です。これは一度に多くの面積が剥がせるため施工性が良いです。

長尺撤去後は下地の状況を確認します。
撤去残りがないか、既存接着剤が残っていないか、コンクリート面を傷めてしまってる箇所はないかを確認します。清掃もしっかりと行います。

 

2.下地補修

撤去後の床は、傷がついてしまっている箇所があります。そういった部分にそのまま長尺シートを張ってしまうと、表面が凸凹になったり、雨降りの時には水溜りになってしまったりします。それを防ぐために左官屋さんにモルタルで平滑に補修及び、勾配不良の箇所はかさ上げをして水溜りになる箇所を解消します。

床のモルタル補修後は乾燥期間を経て、次工程に移行します。

 

3.排水溝の防水補修

長尺シートを撤去する時に、隣接する排水溝のウレタン塗膜防水を傷つけていることもあります。
部分的にウレタン防水材で補修をして、周囲と同色仕上げを施します。

 

4.長尺シート張り付け

そして長尺シートの貼り付けに入るのですが、直前に最終清掃をします。
職人さんも自分が施工した部分をより確かなものしようと心がけています。
ゴミが残っていると、接着不良やシートに浮きが発生し仕上がりが悪くなります。

続いて長尺シートを張る場所に仮置きしていきます。
予め裁断しておいたシートを実際の施工寸法に10cm程度切りしろを残してカットしていきます。

次に接着剤を床面に塗ります。
仮置きしたシートの半分をめくり、その部分に接着剤を入れてクシで均一に塗り広げてい行きます。その時に接着剤の溜まりが残らないようにします。これが残っているとシートの浮き上がりの原因になります。

接着剤を塗りおえるとオープンタイムをとります。
接着剤は接着可能になるまで時間をとる必要があります。これをオープンタイムといいます。オープンタイムは、接着剤の種類や季節により異なります。

オープンタイム経過後、シートを張り付けていきます。
シートを元の位置に戻してヘラなどを使ってシート中央から外へ向けて動かし、空気を押し出しながら圧着します。
シート全面の張り付けができたら、余分な切りしろをカットします。
カット後はローラーで端をしっかり圧着します。

張り付け後はシートのジョイントを溶接していきます。
ジョイント部分を細い溝形状になるようカットします。そこに溶接棒を専用工具を使って溶かしながら充填していきます。充填箇所は少し盛り上がった形状になるため、その部分はカットして平滑に仕上げます。

最後はシートの端末シールを打ちます。
シート外周部分に他にシールが付着しないようにマスキングテープで養生します。
その後シールを打ちます。これにより、シートの端から水が入り込まないようにします。

以上でバルコニー内床の改修工事完了となります。
引き続き入居者に喜んでもらえる品質のよい工事を心がけて現場管理していきたいと思います。

5.まとめ

いかがでしたでしょうか。当社では、この他にもマンションの大規模修繕工事に関連するブログ記事をたくさん配信しています。ぜひご参考にしていただければ幸いです。

◎知っておきたい大規模修繕工事後の【バルコニー床塩ビシートのお手入れ】

◎大規模修繕工事|工事内訳⑨防水工事(共用廊下・バルコニー・階段編)

 

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野嶋隆多

あなぶき建設工業 野嶋 隆多(のじま りゅうた)

2015年、マンション新築をメインとする建設会社の現場監督を経て入社。
現在は主にマンション大規模修繕工事を四国4県を股にかけて管理をしています。
業務では安全第一でこれからも取り組んでいきたいと思います。

保有資格 一級建築施工、土木施工、管工事施工管理技士
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