どうしよう!! マンション管理組合の役員になっちゃった!(大規模修繕工事編PART⑦)

前回ブログの前振りにより、今後は

『大規模修繕工事実施編』に突入となりました。

今回からは当社の配信担当者が変わり、
株式会社ツツミワークス 工事部の吉橋です。

前回まで営業担当大槻が『大規模修繕工事準備編』としての、過去のブログをストーリー仕立てでお届けをしておりますので、是非とも1回目の投稿よりお読みになって頂ければと思います。

第1回目のブログ【 一体なにからはじめればいいの? 】はこちらをクリック

第2回目のブログ【     建物の現状を知る    】はこちらをクリック

第3回目のブログ【 建物の現状が分かったその後は 】はこちらをクリック

第4回目のブログ【 建物の現状が分かったその後は 】はこちらをクリック

第5回目のブログ【    いよいよ最終段階!    】はこちらをクリック

第6回目のブログ【    工事着工前に行うこととは①    】はこちらをクリック♪

第7回目のブログ【 工事着工前に行うこととは②届出・申請編 】はこちらをクリック

第8回目のブログ【 工事着工前に行うこととは③仮設計画・特注作成品計画 】はこちらをクリック♪

第9回目のブログ【 大規模修繕工事実施編 着工後 片付け・広報 】はこちらをクリック♪

第10回目のブログ【 大規模修繕工事実施編 直接仮設 下地・タイル補修工事 シーリング工事① 】はこちらをクリック♪

第11回目のブログ【 大規模修繕工事実施編 下地・タイル補修工事 シーリング工事② 洗浄工事 塗装工事 防水工事 】はこちらをクリック♪

第12回目のブログ【 大規模修繕工事実施編 改善追加工事 施工範囲の確認 竣工について 】はこちらをクリック♪

 

営業担当大槻からブログ内容のバトンを渡され、今後のブログでは、実際の大規模修繕工事を実施円滑に行って行くために、マンション管理組合の皆様に知って頂きたいポイントをお伝えさせて頂きます。

第7回目となる今回は、、、

『大規模修繕工事実施編』ということでしたが

ちょっとお待ち下さい!!

工事着工し大規模修繕工事を実施する為に行わなくてはならないことがまだあります。

ということで、、、

 

『工事着工する前に行わなければならないこと②届出・申請編』についてです。

皆様は仕事をしていく上で、『段取り八分の仕事二分』という言葉をお聞きしたことがあると思います。大規模修繕工事を成功させる為にも、この『段取り八分』をしっかり行うことによって、大規模修繕工事を円滑に着工から竣工まで流していくことができます。大規模修繕工事を着工する前に事前の段取りとして申請や届け出、決めておかなければならない事項があります。

 

今回配信する内容は、、、

 

大規模修繕工事を実施するにあたり事前に届け出・申請を計画・実施していますか!?

まず大規模修繕工事を実施する際にマンション管理組合の皆様事業主である事を改めてご認識下さい。大規模修繕工事を施工する施工業者事業者ですが、事業主が出さなければならない届け出や申請がある事や、施工業者がキチンと必要な手順を踏んで、届け出や申請を行っているかを確認しなくてはならない立場でもあります。施工業者や管理会社・設計コンサルタントに任せっきりになっていませんか?
       

通常この段取りについては、大規模修繕工事を施工する施工業者または設計コンサルタントが先導して進めて行きますが、決められた通りに申請しないと罰則がある届出もあります。 さらに補助金・助成金に関しては、事前に申請しないと受けることができません!!

大規模修繕工事の計画段階から、どの様な工事内容に対して、どんな申請や届け出が必要か、併せてご検討ご確認頂く必要があります。
また必要な申請や届け出がお住まいの各自治体によって異なる為、計画段階で各自治体にご相談ご確認頂くのがベストです。

特に補助金・助成金は長期修繕計画の助けとなるものがありますので、計画段階で各自治体の制度をご確認ください。
助成金・補助金制度の情報は、「公益財団法人 マンション管理センター」が公開している「地方公共団体の補助制度http://www.mankan.or.jp/08_reformloan/publicsupport.html)」で全国の情報が閲覧できるので、各自治体に確認・相談してみてはいかがでしょうか。

      

 

 

ここからは、一般的な大規模修繕工事時に必要な届け出・申請を事前にマンション管理組合の皆様にも知って頂きたい5つのポイントをお伝えさせて頂きます。

一般的な届け出申請でもうっかり届出・申請がされていないと、様々な弊害が起こるケースがあるからです。

 

① 道路使用届 道路占用届

どちらも公道上で工事や作業をするときに必要な申請です。

  • 道路使用許可申請は、道路を使用する3~30日前に下記の申請書を管轄の警察署に申請し、許可を受ける必要があります。(期日は管轄の警察署によって異なります。)
    道路使用許可申請は交通の安全に支障が生じる可能性のあるものを対象にしており、一時的に道路上で行うものであっても提出しなければなりません。
  • 道路占用許可は、公道にはみ出して行う工事や、足場などの仮設物を設置したりするときに必要な申請です。15~30日前に管轄の行政や土木事務所などの道路管理者へ提出します。(期日は管轄の道路管理者によって異なります。)なお道路占用許可は継続的に道路を使用するものが対象です。道路占用許可が必要なときは、道路使用許可もあわせて提出します。

大規模修繕工事を行うにあたってマンションの敷地に余裕が無い場合は、道路使用または、道路使用・道路占用両方の届け出が必要です。

工事の請負契約内容に道路使用届・道路占用届がキチンと含まれていますか!?

特に道路占用届は届け出時に占用使用料が占用面積によって高額になる場合があります。

またキチンと届け出を行わずに工事に着手してしまい、近隣から苦情や行政指導により工事ストップ、、、なんて場合もあります。

その為に、マンション管理組合の皆様と施工業者がしっかり相互に確認しなくてはなりません。

 

② 機械等設置届の届出

高さが10m以上の足場の設置期間が60日を超えて設置するとき、作業開始30日前までに労働基準監督署長への届け出が必要です。

ただし、組立着手から解体完了までの期間が60日未満の足場は、設置のときの届出は不要です。

これらの届出は、大規模修繕工事の施工業者が届出をする義務があります。
通常の施工業者であれば、届出が漏れることはないはずです。ただマンション管理組合の皆様にも責任が発生するので、きちんと届出が出されているか、施工業者から報告を受けて確認するようにしましょう。

また機械等設置届の書類作成準備に約30~40日程度有します。30日前までに届出をする為には、大規模修繕工事の契約日から着工日の間が60~70日必要となります。

契約から足場着手までの期間が無理な設定になっていませんか?

安全な大規模修繕工事を実施するにあたり重要な届出です。無理のないスケジュール計画をご検討下さい。

 

 

③ 景観条例の届出

マンションの大規模修繕工事の際に景観条例に基づく届出制度があるのをご存じですか?

簡単に申し上げると良好な都市景観を形成することを目的として各自治体にて建物や看板等の造作物の色を制限する条例です。この条例に基づいて届出を行い各自治体の協議結果が出てから、建物の色が確定できるものです。

例えば大手チェーン店等が特定のエリアでは店舗の看板の色が特殊な時がありませんか?これが色彩計画が景観条例に則っている一例です。

この届出は、外観の色やデザインを変更しない場合でも、マンションの外観へ手を加える工事と見なして届出が必要です。
しかし外壁塗装物件で色やデザインを変更しない場合や、外壁がタイル物件等で外壁面部分補修の場合、条件によっては届出を求められないケースもありますが、各自治体によって異なります。事前に各自治体に確認が必要です。

各自治体において一般的には工事着手の30日前までに景観に関する計画届出を提出し、各自治体の協議結果が返信されてきます。その後景観に関する行為開始の届出を出して初めて工事着手することができます。

その為、大規模修繕工事着工前に使用する材料の色彩を決定し景観に関する計画届出を提出しておく必要があります。塗装工事着手前までに届出をすれば良い自治体もあり、工事着工後でも間に合う場合がありますが、各自治体に事前にご確認頂くのがベストです。

またマンションの外壁のデザインを変更する場合は、各自治体によって規制が異なりますので、デザイン変更を行う場合は専門のアドバイザー等にご相談の上で、デザイン変更をご検討頂くことをお勧めします。

デザイン変更する場合はこの届け出を出す為に、

デザインの提案・景観条例に適合するかの確認
 ⇓
総会決議によるデザインの確定
 ⇓
その後、景観に関する計画届  

となりますので、それ相応の期間が必要となります。

景観条例に基づく届出は発注者が届出をしなくてはならないものです。
ですが、委任状を用いて施工業者に届出を協力依頼する事が出来ますので、ご心配には及びません。
提出までの期間にゆとりをもった工期設定を行い、マンション管理組合も施工業者もこの届出を忘れてしまっているなんて事が無いようにご注意下さい。

④ アスベスト含有調査報告の義務

マンション大規模修繕工事の際に石綿(アスベスト)に関する法令が関係しているのをご存じですか?

建材等に広く使用されてきた石綿(アスベスト)は、肺がんや中皮腫などの原因となることから、現在は輸入・製造・使用などが禁止されています。しかし、建築物の解体・改修・リフォームなどの工事の際に適切な対策がとられない場合には、工事に従事する方が石綿を吸い込んだり、大気中に石綿が飛散するおそれがあります。石綿による健康障害を防ぐため、適切な石綿対策を行うことが必要不可欠です。

また法改正により2022年4月施行にて解体・改修工事を発注する場合、発注者として、施工業者に対し、以下の配慮を行うことが義務となりました。

  • 建築物・工作物・船舶の解体・改修工事の前に施工業者に実施が義務づけられている石綿の有無の調査(事前調査)の結果、石綿が使用されていることが明らかになった場合は、石綿除去等の工事に必要な費用等を含めた以下の発注条件について、施工業者が法令を遵守して工事ができるよう配慮すること ・ 工事の費用(契約金額) ・ 工期 ・ 作業の方法 【注】石綿除去工事を行う場合は、通常より費用、工期がかかります。
  • 工事を発注する建築物等の事前調査が適切に行われるよう、石綿の有無についての情報がある場合は、その情報を施工業者に提供するなどの配慮をすること。
  • 石綿除去等の工事を行う場合に、施工業者に義務づけられる作業の実施状況についての写真等による記録が適切に行われるよう、写真の撮影を許可する等の配慮をすること。

大規模修繕工事を行う前に調査を行わなければなりません。

★大規模修繕工事着手前に石綿(アスベスト)含有の有無を調べる事前調査を実施し調査結果を労働基準監督署に届出義務

この届出は施工業者が行う手続きとされていますが、万が一大規模修繕工事着工直前にアスベストの含有が発覚すると当初の計画を変更しなくてはならない状況が発生する場合もあります。

 

それを回避する為には、大規模修繕工事設計計画段階でアスベスト含有事前調査を行い、アスベストの含有の有無を事前に把握しておくことで着工前に慌ただしくならず、且つ工事計画の見直しもできるゆとりが作れます。

 

 

⑤ 建設リサイクル法の届出

建設リサイクル法では、現場において適切な資材の再資源化、処理を行うだけではなく、事前に各自治体に対して、発注者が届け出を行う必要があります。こちらの届出は大規模修繕工事において発注金額が1億円(税込)を超える場合必要な届出です。

具体的には、以下のような流れになります。

  1. 施工業者が発注者に対して、分別解体の計画などの説明を行い、書面を交付する。
  2. 発注者が工事着手の7日前までに都道府県知事に対し、分別解体計画書などを提出する。
  3. 施工業者は、リサイクルを完了した後に発注者に完了の報告と実施状況の報告を行う。

こちらの届出は発注者が届出をしなくてはならないものですが、委任状を用いて施工業者に届出を協力依頼する事が出来ますので、ご心配には及びません。提出までの期間にゆとりをもった工期設定を行い、発注者も施工業者もこの届出を忘れてしまっているなんて事が無いようにご注意下さい。

ここまでが着工前に大規模修繕を実施する為に、必要な代表的な届出・申請です。

 

 

まとめ

大規模修繕工事着工前にこれらの届出・申請の書類作成から提出期限までそれぞれ相応の期間が必要です。

大規模修繕工事契約後に、着工する為の実質業務として、契約日から着工までの間にこれらの届出・申請に

必要な期間が考慮されているでしょうか!?

円滑な大規模修繕工事を行う為にも様々な届出・申請必要なことがご理解頂けたかと思います。

計画段階に振り返って契約日から着工(契約工期)までの期間にゆとりをもって大規模修繕工事の計画を検討して頂ければと思います。

 

次回は

『工事着工する前に行わなければならないこと③  仮設の計画・特注製作品の計画編 』

大規模修繕工事着工前に大きく2つの行わなければならない計画をご説明します。

 

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