どうしよう!! マンション管理組合の役員になっちゃった!(大規模修繕工事編PART⑧)

株式会社ツツミワークス工事統括本部の吉橋です。

前回は、『工事着工前に行うこととは②届出・申請編』について一連の流れをご説明させていただきました。

まだ過去のブログをお読みでない読者様がいらっしゃいましたら、ストーリー仕立てでお届けをしておりますので、是非とも1回目の投稿よりお読みになって頂ければと思います。

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第7回目のブログ【 工事着工前に行うこととは②届出・申請編 】はこちらをクリック

 

第8回目となる今回は、

工事着工前に行うこととは③仮設計画・特注製作品計画編』です。

前回までのお話で、このブログをお読みになっている読者さまは、

大規模修繕工事に必要な届出・申請が完了している段階まで来ている状況ではないかと思います。

ですが、着工までに同時進行で進めておかなければならない事を皆さまにお伝えさせて頂きたいと思います。

 

 

仮設計画とは主に共通仮設と直接仮設の二つをどの様に計画するかです。

  • 共通仮設とは、主に施工業者が大規模修繕工事を管理し、居住者への直接的な窓口となる仮設現場事務所、実際に作業を行う職人さんが休憩等で使用する仮設作業員休憩所、工事で使用する機材・道具・材料を保管する為の仮設倉庫、衛生面の観点から仮設手洗い場・仮設トイレ、工事で発生した産業廃棄物の集積場、工事内容においては特定の材料の保管庫又は加工場が主に必要な仮設物となります。
  • 直接仮設とは、大規模修繕工事を実施する為に必要な足場やゴンドラ・リフト、屋上防水単体工事では、作業員の墜落防止用の手摺など作業に直接必要な仮設物となります。

大規模修繕工事を計画される際に、マンション敷地内の空きスペースをどこにどの様な仮設物を設置できるか、一度ご検討しておいて頂き、ある程度の想定プランをご計画して頂くと、施工業者との打ち合わせがスムーズに行えます。

施工業者選定時に施工業者からこの仮設計画に関する案をプランとして提案されることが主流ですが、この際にマンション管理組合が想定していない良い案や悪い案が出てくる場合もある為、先述の通り想定プランを固めて頂く必要があります。

                  

現場事務所・作業員休憩所・仮設倉庫

まず現場事務所・作業員休憩所を敷地形状により1階建て平屋にするのか、2階建てにするのか、2階建ての場合風の影響による倒壊防止も考慮しなくてはなりません。

現場事務所・休憩場等が敷地内に設置が難しい場合、エントランスホールに間仕切りを設けてこれらを設置、または外部に現場事務所を賃貸で借りるケースもあります。

   

 

 

仮設手洗い場・トイレ

仮設の手洗い場・トイレは新規に水道管や下水管を大規模工事時に新設するとコストが上がってしまう為に、マンションに既設されている共用水栓と汚水桝を利用し設置することが通常です。したがって既設の共用水栓と汚水桝がある場所に設置場所が限定されてきます。また災害時の仮設トイレ設置場所としても計画を転用できる為、十分に検討して下さい。

  

 

産業廃棄物保管場所

仮設の産業廃棄物保管場所についても、マンション住民や近隣からクレームが来ない場所にスペースが設けられ、且つ搬出をスムーズに行える場所に設置ができるか検討が必要です。

   

 

直接仮設

直接仮設についてはマンションの高さや規模によって異なりますが、足場・ゴンドラ等のどの仕様の直接仮設を採用するかによって諸条件が発生します。マンション建物廻りに設置可能なスペース・設置する為の資材を仮置きし、実際の作業を行うスペースがあるのか。マンションの建物廻り空きスペースや条件等を十分検討の上で施工業者と打ち合わせを行って下さい。

  

近隣越境

また敷地条件によっては近隣敷地内へ越境しなくては直接仮設が設置できない場合があります。その際には計画段階で近隣への協力のお願いを事前に行って頂く必要があります。以前担当した何現場かで施工業者として工事着手前に近隣へ敷地越境のお願いに伺った際に門前払いを受けたことがあります!!その際に近隣の方から、『敷地に越境しないと工事ができないのは理解できるが、マンション側は計画段階で越境しないと工事ができない事を知っていただろう!!工事が決定してから了承を得に行くのでは無く、計画段階で近隣の理解・了承を得てから工事を決定するのが筋だろう!!』と言われトラブルになってしまったのです。

施工業者は受注が決定してからでないと、こういった具体的な説明・お願いを近隣にすることができません。

工事計画時に管理組合が事前に近隣へ工事に関する説明を行って頂き、了承を得て頂くと、近隣トラブルを未然に防ぐことができるのです。

  

 

仮設計画に伴う車等移動の検討

共通仮設及び直接仮設計画の中で敷地内の空き駐車場や駐輪場、近隣に代替え駐車場が用意できそうであれば、マンション敷地内の車を近隣駐車場に移動し空きスペースを確保する手法を取られるケースもあります。また既設の設備等(例:駐輪場の屋根や防災倉庫など)の撤去復旧又は移動等が発生する場合の運用方法についても、事前に計画検討を行って頂く必要があります。

   

 

仮設計画まとめ

共通仮設及び直接仮設は工事着工時に設置を行い工事竣工まで撤去が行えない物の為、想定される仮設が大規模修繕工事中にマンション居住者の日常生活が考慮された計画か、また近隣への影響を考慮された計画か、施工業者と十分な打合せが必要となります。また、これらの費用は直接的に大規模修繕工事費に含まれてくる為、仮設計画は意外と重要なのです。

 

 

 

特注製作品計画

大規模修繕工事を行う際に特注で製作し、工事の材料とするものがあります。

代表的な例としては、外壁タイルです。

また工事メニューによっては玄関扉改修時の玄関扉、サッシ改修工事のサッシ、エントランス自動ドア新設又は更新など、金属製品を特注で作成する内容です。

前回と同様に契約後に工期及び工程に大きく関わってくる内容ですので、大規模修繕工事計画時に必要期間を想定・検討して下さい。

外壁タイル

外壁タイルは新築時に特注でタイルを作成、既製品を使用していても年代的に廃盤になっているケースがほとんどです。外壁タイル補修で使用するタイルは大規模修繕工事時に特注で再作成することが一般的です。

その際の一般的な流れとしては、

  • 既存タイルの採取
  • 見本焼きタイル作成(納期2~3週間程度)
  • 管理組合の見本焼きタイルの確認・承認 見本焼きタイルが合わない場合見本焼きタイル再作成に戻ります。
  • 管理組合の確認・承認後に本焼きタイル作成(納期45~60日程度)
  • 本焼きタイル納品後にタイル補修工事が開始できる様になります。

特注でタイルを作成する場合、スケジュールをタイトに詰めても納期まで約3カ月程度必要となります。マンションの規模によって全体工程は異なりますが、契約からタイル補修工事着手までの日程が

特注タイル製作期間を考慮した設定になっていますか!?

外壁タイルは陶器製の為、色や表面の凹凸を既存タイルに合わせて作成することが大変難しいです。かといって近似の既製品タイルで補修を行うと、大規模修繕工事終了後に外部からどこの外壁タイルを補修したかよく分かる位に目立つケースがあります。大規模修繕工事完了時に物外観に大きく影響が出る為、特注タイルの製作に係る手順及びスケジュールは特に重要です。

  

 

 

特注金物製品

金物製品を特注で作成する場合

大規模修繕工事で玄関扉やサッシ・自動ドアに限らず、金物製品を特注で作成する場合の例として玄関扉交換工事(カバー工法)で説明させて頂きます。

まずカバー工法とは既存の玄関枠の上に新しい枠をかぶせてから新しい玄関扉を取り付ける施工方法です。既存の枠を取り外して新しい枠を取り付ける工法より現地作業を短縮し、騒音振動を低減させるので、マンションの大規模修繕工事等で多く採用されている工法です。

玄関扉カバー工法を発注した場合の手順を説明させて頂きます。

  • 現地確認調査を行う為の全住戸在宅確認調整。
  • 全住戸現地確認調査及び寸法測定、既存玄関枠の歪み測定。
  • 測定結果を基に図面作成
  • 管理組合の図面確認及び承認
  • 図面確認及び承認後に玄関扉作成
  • 作成した玄関扉が納品されて玄関扉工事に着手

玄関扉カバー工法は1世帯あたり半日程度で施工完了させる事が可能ですが、住戸毎に玄関枠の歪みに応じて材料を作成する為に、全住戸の在宅の調整・現地調査・図面作成・製品作成と工事を行う為の事前準備に相応の期間が必要です。また調査時と施工時に該当住戸の在宅が必要となります。各住戸の在宅日がバラバラになってしまうと、事前準備の調査日・施工日がバラバラになればなるほど日数が増えてしまうのです。マンション全体での在宅に関する協力がとても重要です。マンションの世帯数によってこれらの事前準備期間は大幅に異なる為、施工業者を選定後に事前準備に係る期間及び実際に契約する工期を施工業者と十分に打合せ検討して下さい。

      

 

まとめ

今回は大きく2点説明させて頂きました。

大規模修繕工事における仮設計画は、大規模修繕工事を安全に効率よく管理運営する為に、とても重要な計画です。またマンション居住者・近隣の方の協力が必要なケースもある為、大規模修繕工事中だけでの一時的な仮設物として安易にならず、大規模修繕工事計画段階で十分にご検討下さい。

また特注品作成については、準備から作成まで相応の期間が必要です。必要な期間が足りずに慌ただしく進めていくと、品質面・安全面にも影響が出る内容ですので、施工業者選定後に必要に応じた期間について施工業者と十分に打合せを行って下さい。

 

次回はいよいよ『大規模修繕工事実施編 着工後』です。

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