マンション管理会社を変更するための9つの手順|ステップ⑤総会準備

松井 久弥

前回に引き続き、マンション管理会社変更の9つのステップについてご紹介します。

一般的にマンション管理会社の変更を検討する場合、5社程度のマンション管理会社を選定し、そこから見積提出 比較検討3社程度からプレゼンテーション1社に決定 というケースが多いようです。

プレゼンを経て、理事会で推薦するマンション管理会社が決定したら、総会準備に移ります。

今回は、マンション管理会社を変更する総会準備について、ポイントをご紹介します。

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目次

  • マンション管理会社変更の総会開催日を決めよう
  • 総会議案書の作成は新マンション管理会社にサポートしてもらおう
  • 現行マンション管理会社との契約解約日、新マンション管理会社との契約開始日を決めよう
  • まとめ

 マンション管理会社変更の総会開催日を決めよう

マンション管理会社の変更は、総会決議(普通決議:過半数の賛成)で行います。
年1回開催される通常総会のタイミングに合わせて、マンション管理会社変更の議案を審議しても良いですが、通常総会で審議する議案の項目が多かったり、通常総会の開催予定日がまだまだ先だ、ということであれば、臨時総会を開催しましょう。

そして、総会開催日と同日で、新しいマンション管理会社から、重要事項説明会が開催される場合が多いです。
同日で必ず行う必要はありませんが、契約を締結しようとするときは、あらかじめ説明会を開催することがマンション管理会社には義務付けられています。
別日で総会前に開催するよりも、同日で行う方が管理組員の方々の負担も軽減することができます。

※臨時総会とは?
通常総会が、会計年度において少なくとも年1回開催することとされているのに対して、臨時総会は必要に応じて開催できます。
臨時総会は、通常総会では時間的に対応が出来ない場合に招集をかける場合が多いです。

※重要事項説明会とは?
マンション管理適正化法(第72条)
「マンション管理業者は、管理組合から管理事務の委託を受けることを内容とする契約を締結しようとするときは、あらかじめ、国土交通省令で定めるところにより説明会を開催し、管理受託契約の内容及びその履行に関する事項であって国土交通省令で定めるものについて説明をさせなければならない」とされています。

総会議案書の作成は新しいマンション管理会社にサポートしてもらおう

総会議案書の作成は、本来であれば現行のマンション管理会社がサポートをします。
しかし、他のマンション管理会社に変更しようとしている中、その議案のサポートはなんだか頼みにくいですよね。

「この議案については頼みにくいな…。」と感じる場合は、新しいマンション管理会社に相談してみましょう。

総会で承認されれば、今後は新しいマンション管理会社が管理組合のパートナーとなります。
新しいマンション管理会社との議案書作成のやり取りを通して、今後のサポート体制や対応のスピードなども事前に確認することができるので、マンション管理会社変更の総会の議案書作成は、新しいマンション管理会社にサポートしてもらいましょう。

現行マンション管理会社との契約解約日、新しいマンション管理会社との契約開始日を決めよう

一般的に、マンション管理会社との管理業務委託契約期間は1年間になっていることが多いです。
「契約満了までは現行のマンション管理会社との契約を継続して、それから新しいマンション管理会社と契約を結ばなきゃ。」と思われるかもしれませんが、この契約は満了まで待つ必要はありません。

現行のマンション管理会社との契約書が、国土交通省が公表している「マンション標準管理委託契約書」に準拠して作成されていれば、下記のように記載されています。

「前条の規定にかかわらず、甲(管理組合)及び乙(マンション管理会社)は、その相手方に対し、少なくとも3月前書面で解約の申入れを行うことにより、本契約を終了させることができる。」

つまり、特段の取り決めがない限り、3カ月の猶予期間を付けて解約通告すれば、いつでも解約が可能ということです。

通告の申し入れから3カ月以降が解約日となります。

まとめ

マンション管理会社変更のための総会準備のポイントをご紹介しました。
何事においても準備が大切です!
総会準備が整ったら、次は総会審議のステップに移ります。

【関連記事】
→まる分かり!マンション管理会社を変更するための9つの手順とポイントをご紹介!
「まとめ|マンション管理会社を変更するための9つの手順」

→さらに細かいステップごとのポイントをおさえたい方はこちらからどうぞ!
「ステップ①現状のマンション管理会社の問題点を整理」
「ステップ②マンション管理会社の選定と見積依頼」
「ステップ③見積金額と提案内容の比較検討」
「ステップ④マンション管理会社のプレゼンテーションを開催」
「ステップ⑤マンション管理会社変更の総会準備」
「ステップ⑥マンション管理会社変更の総会審議」
「ステップ⑦現行のマンション管理会社と管理委託契約を解約」
「ステップ⑧新マンション管理会社と管理委託契約を締結」
「ステップ⑨新マンション管理会社への管理業務引継ぎ」

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松井 久弥

あなぶきハウジングサービス:松井 久弥(まつい ひさや)
2000年あなぶきハウジングサービス入社。
全国10都道府県において、管理担当・リプレイス営業・新規拠点立上げ・部門責任者に従事。特にマンション管理会社のM&Aにおいては、案件化からデューデリ・譲渡契約・お客様対応全般・統合後プロセス(PMI)までを実践。
マンション管理士、M&Aシニアエキスパート。
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