こんにちは。穴吹ハウジングサービスでマンション管理組合の会計を担当してる久米です。
今回はマンション管理組合の会計業務とチェックしなければならない点についてご紹介します。私たちマンション管理会社の会計部門が日々行っている業務ですが、会計業務をマンション管理会社に委託していない場合は管理組合で行わなければいけない業務になると思いますので、ぜひ参考にしてください。
①入金処理
区分所有者からの入金(管理費・修繕積立金)はマンションを維持するためにとても大切な資金となります。
入金をきちんと管理できないと、滞納者を把握することもできず、督促業務もおろそかになるでしょう。入金されたものを確認して正しく処理することはとても大切なことです。
【チェックするポイント】
・何号室の入金か (ご家族の方が代理で振り込んでくる場合もあります。必ず確認しましょう)
・何月分の入金か (滞納分の入金なのか、何月分かの確認しましょう)
・金額が正しいか (月額が不足していないか確認しましょう)
②支払処理
建物を維持していくためには、入金業務だけでなく、支払業務も行わなければいけません。
共用部の電気料・水道料はもちろん、建物を維持するための保守料や、修理をした際の工事代など…。毎月の公共料金は管理組合の口座から口座振替になっている場合が多いと思いますが、建物を修理した際の修繕費、工事代・法律で定められている建物の点検料などを業者に支払う業務も大切になってきます。
【チェックするポイント】
・業者の振込先 (金融機関や支店名、口座番号、口座名を確認しましょう)
・支払金額 (最初の見積書と合っているか、届いている請求書と確認しましょう)
③月次収支報告書の作成
マンション標準管理委託契約書には以下のように記載があり、マンション管理会社に管理を委託している場合、管理会社は月次収支報告書等の会計報告をしなければいけません。
(管理事務の報告等)
第9条 乙は、甲の事業年度終了後○月以内に、甲に対し、当該年度における管理事務の処理状況及び甲の会計の収支の結果を記載した書面を交付し、管理業務主任者をして、報告をさせなければならない。
2 乙は、毎月末日までに、甲に対し、前月における甲の会計の収支状況に関する書面を交付しなければならない。
3 乙は、甲から請求があるときは、管理事務の処理状況及び甲の会計の収支状況について報告を行わなければならない。
4 前3項の場合において、甲は、乙に対し、管理事務の処理状況及び甲の会計の収支に係る関係書類の提示を求めることができる。
※ 甲:マンション管理組合 乙:マンション管理会社
※ 国土交通省 マンション標準管理委託契約書より引用
月次収支報告書はマンションの管理会社によって内容が異なると思いますが、
・収支報告書(収入・支出の報告)
・貸借対照表(資産・負債の報告)
・未収金一覧(滞納者の報告)
等を作成し、管理組合へ提出します。
【チェックするポイント】
・通帳を記帳し、入金・支払について間違いないかを確認する
・計上されている科目で間違いがないかを確認する
・入金や支払が遅れているものはないかを確認する
④年次収支報告書・予算書の作成
管理組合が決算を迎えたら、1年間の収支を定期総会で報告するために年次収支報告書を作成します。
収支報告書を作成し、1年間の領収証や請求書を確認し、1つのファイルにまとめておきます。
【チェックするポイント】
・1年間の領収証や請求書を確認し間違いがないか
(最近では領収証がインターネットでの確認となり届かないものもあります。注意しましょう。)
・工事等が完了していて支払が翌期になるものはないか
(今期の経費として計上するものが漏れていないか確認しましょう)
収支報告書の作成が完了したら、完成した収支報告書を基に翌期の予算書を作成します。
まとめ
今回はマンション管理組合の会計業務についてご紹介しました。
マンション管理組合の会計は自分の資金ではなく、マンション管理組合の資産を扱う大切な業務です。
私たちも日々何度も確認し間違いのないように処理するように心がけています。
久米 則子
新卒で入社してから経理一筋。ホテル業の経理、マンション販売の経理、マンション管理業の企業会計とさまざまな業種の経理業務に携わってきました。現在はマンション管理組合の会計業務に従事し、スピードと正確性を重視し、忙しい時こそ笑顔で!をモットーに仕事に取り組んでいます。管理業務主任者を取得し、資格を活かした会計業務のお役立ち情報をお届けしたいと思います。
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