こんにちは。あなぶきハウジングサービスの岡です。
近頃は管理会社の提供するサービスがマンションにとって有益なものとなっているか検証するために、管理会社の比較検討を行うことが一般的となってきています。
皆さんも管理会社の比較検討をスタートするにあたって、さっそく理事会で話し合ったものの、どういう項目を比較し、どこが重要で何を基準に判断したらいいのか分からないですよね!?
今回は、マンション管理会社の比較検討にチャレンジする皆さんにいくつかのチェックポイントをお伝えしたいと思います。
■候補会社の選定
どうやって探すの?
インターネットの比較サイトやランキング情報から選出するのが一般的ですが、各都道府県で活動するマンション管理士会に相談してみるのもいいでしょう!入居者の目線でいろいろな情報やアドバイスを提供してもらえると思います。
マンション管理業界の市場
現在、マンション管理会社は何十万戸も管理する大手から、街の不動産屋さんまで、全国に2,000社以上あります。特に上位20社で全体の60%を管理している、いわゆる大手の寡占化がすすんでいるのが現在のマンション管理業界です。
また、昔はマンションの共用部を管理対象とするのが一般的な管理会社の業務でしたが、現在は共用部の管理はあたりまえで、専有部(お部屋内)のお困りごとやサポートも管理サービスの対象となってきており、各社、独自の専有部サービスを商品化して提供されています。今ではAIやIT技術を駆使した新しいサービスもスタートされ、新聞記事等のメディアでも見かけるようになって来ました。
マンション管理会社は大きく3つのタイプ
<デベロッパー系>
新築マンションを分譲するデベロッパー会社の子会社や関連会社。
<独立系>
デベロッパー系のように親会社や関連会社ではなく、マンション管理をメインにしている会社。
<ビルメンテナンス系>
オフィスビルや商業施設のメンテナンスがメインであるが、マンションの管理業務も請け負っている会社。
各社、強みもあれば、注意点もあります。
みなさんのマンションに合った管理会社を見つける最初の分岐点なので慎重に進めましょう。
詳しくは以下のブログをご覧ください。
■見積・提案依頼
候補会社が決まったら実際にコンタクトをとって見積提案を依頼しましょう。ポイントは各社の提案内容を統一することです。
【見積項目】
費用面を正確に比較するためにも比較項目と仕様を統一することが重要です。
-例えば-
管理員業務の勤務条件(勤務日・勤務時間・その他の条件)
年末年始やお盆、祝日勤務の有無、有給休暇時の代務有無なども明確にしないと費用が変わってしまいます。
マンションに付属する消防・給水・エレベーター・機械式駐車場等の設備点検の仕様(点検回数・点検範囲・実施内容等)
特にエレベーターの点検業務は製造メーカーによる点検・独立系会社による点検、フルメンテナンス契約・POG契約と契約内容によっても大きく変わってくるので要注意です。安い点検金額には安いなりの理由が必ずありますので、詳細はしっかり確認しましょう。
■比較する時の注意点
まずは各社の見積金額が集まったところで、分かり易く一表に纏めて比較しましょう。
【金額より質を優先】
各社からの見積書には会社概要やサービス内容の提案書が添えられているのが一般的です。
ここでは金額よりサービスの品質について比較のヒントをご紹介します。
チェック①
担当拠点と担当者は?
ここでまず目につくのが会社の規模です。大手は従業員数も多く資本力もあり業務の品質や提案書の見栄えもいいかもしれません。
しかしながら実際の業務はマンションのエリアを担当する支店や営業所です。
担当者の業務はアナログなものが多いのも管理会社の特徴で、定期的にマンションを担当者が巡回し、緊急時にはすぐに駆けつけることができる環境が整っているのかチェックしましょう。遠隔でのマンション管理はデメリットとなります。
次のチェックポイントは管理実績です。ここでの実績とは窓口となる拠店事務所の管理棟数や戸数・担当者一人あたりの担当数です。どんなに大手の会社であっても肝心の担当事務所が小規模で、一人当たりの担当数が多ければ、あきらかに良いサービスが受けれないですよね。マンションの近隣に同じ管理会社が管理するマンションがあるだけでも安心感があります。
チェック②
コールセンターや専有部(お部屋内)のサポートが充実しているか?
各社、コールセンターは持っているが、どのような対応をしてもらえるかが重要です。一般的な管理会社は電話受付業務をアウトソーシングで運用している会社が多いようですね(特に夜間の時間帯)
コールセンターの役割は緊急時にいかに早く正確に対応できることが基本です。アウトソーシングとなることで受付のみの対応となる場合が多いことから、対応が遅れたり、たらい回しになったり、担当者が忘れてしまったり、と皆さんも経験したことはありませんか?
安心・安全なサービスを受けるためにも、自社で24時間365日運営している会社を選択することが重要です。
また、管理会社は共用部を管理する時代は過去の話です。現在の管理会社は共用部と専用部の棲み分けをすることなく、お客様の住生活をサポートするサービス体制がスタンダードとなっています。駆けつけサービス(水まわり・カギ・ガラスのトラブル)はあたりまえ。管理組合ホームページ(行事や議事録、毎月の請求明細等の閲覧)、災害時の安否確認、お年寄りや子供の訪問在宅確認、各種相談サポート、不用品買取、引越、リフォーム、管理組合向け賠償責任保険まで、多岐にわたるサービスが提供されています。
■まとめ
今回のブログではマンション管理会社を比較検討する際の注意点やチェック項目を記載してみました。たとえば新築販売時には既に管理会社が決まっており、会社を自由に選択することはできないと思っている方がほとんどと思いますが、マンションも年数を重ねることで環境や問題点も変わってきます。本当に今の管理会社が皆さんのマンションにとって有益で適正なサービスが提供されているのかを考えてみるためにも、比較検討は重要な役割となるでしょう。マンションの資産価値を維持向上させるためにも皆さんの目線でパートナーとして信頼のおける管理会社を探してみませんか!!
岡宏樹
岡 宏樹(おか ひろき)
うどん県出身。2014年入社。
金融業界・通信業界を経て、現在は不動産業界に従事。一貫してストックビジネス事業を経験して参りました。
入社以来、分譲マンションの管理変更についてのご提案を専門に四国エリアの責任者として、毎日、西へ東へ奔走しております。
みなさまの住生活環境が快適となりますよう情報発信して参りますのでよろしくお願いいたします!
保有資格:宅地建物取引士、管理業務主任者
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