どうしよう!! マンション管理組合の役員になっちゃった!(大規模修繕工事編PART⑨)

株式会社ツツミワークス工事統括本部の吉橋です。

前回は、『工事着工前に行うこととは③仮設計画・特注製作品計画編』について一連の流れをご説明させていただきました。

まだ過去のブログをお読みでない読者様がいらっしゃいましたら、ストーリー仕立てでお届けをしておりますので、是非とも1回目の投稿よりお読みになって頂ければと思います。

第1回目のブログ【 一体なにからはじめればいいの? 】はこちらをクリック

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第9回目のブログ【 大規模修繕工事実施編 着工後 片付け・広報 】はこちらをクリック♪

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第11回目のブログ【 大規模修繕工事実施編 下地・タイル補修工事 シーリング工事② 洗浄工事 塗装工事 防水工事 】はこちらをクリック♪

第12回目のブログ【 大規模修繕工事実施編 改善追加工事 施工範囲の確認 竣工について 】はこちらをクリック♪

 

第9回目となる今回は、前回お話をさせていただきましたように

『大規模修繕工事実施編 着工後 片付け・広報』についてです。

前回までのお話で、このブログをお読みになっている読者さまは、

大規模修繕工事に必要な計画が完了し、工事着工までの段階まで来ている状況ではないかと思います。

工事着工後に居住者の皆様に行って頂かなければならない事をご説明させて頂きます。

工事着工後に大規模修繕工事を円滑に進めいく為に、重要な内容です。

 

共用部の私物のお片付け

大規模修繕工事時に居住者の生活環境に大きく関わってくるのが、各住戸のバルコニー及び玄関前等の共用部内での工事です。バルコニー及び玄関前等はマンションの共用部である事を改めてご認識下さい。

一般的に大規模修繕工事を行う際には、居住者の私物は各住戸の居住者ご自身で片付けて頂き、共用部内に私物が何も無い状態で工事を行うという内容で契約するのが、一般的です。

私物が残存する中で工事を行うと、私物を破損・汚損させてしまうトラブルが発生する可能性があります。また私物が残存すると、移動させながら工事を行ったり、養生を行いながら工事を行うと、施工効率の低下から工期が長くなってしまったり施工金額が増加してしまうデメリットが発生してう場合があります。

それらを回避する為にも、各居住者の私物は大規模修繕工事時には片づけて頂く必要があるのです。

   

エアコン室外機

エアコン室外機も片付けないといけないの!?とお思いになるかもしれませんが、一般的な工事メニューにおいてエアコン室外機は人力で移動させながら工事を行うのが一般的です。エアコン室外機を片付けてしまうとエアコンが使用できなくなったり、片付ける為には専門の電気業者を手配しなくてはエアコン室外機を片付けることが出来なく別途費用が発生してしまう等、現実的ではないからです。

ただし、エアコン室外機については、例外的に処置を行わなくてはならない物があります。各住戸が入居時のエアコン設置業者が異なることから、エアコン室外機の設置状況は様々です。

エアコン室内機とエアコン室外機を繋いでいる冷媒管に余長がありエアコン室外機を人力で移動可能な設置状況であれば、一般的な工事メニューの施工が行えるのですが、

  1. 冷媒管の余長が短く、エアコン室外機を移動させられない物。
  2. エアコン室外機が2段で設置してあり、重量の観点から人力で移動ができない物。
  3. 冷媒管をプラスチックのカバー等で固定してあり、エアコン室外機を移動させられない物
  4. 天井又は壁に専用のラックでエアコン室外機が固定され移動ができない物。

代表的な例として上記4点の設置状況のエアコン室外機は、施工が行えない範囲が発生してしまう為、施工が出来る様にエアコン室外機の細工工事が別途費用として発生します。その別途費用は各住戸での個人負担の場合と、マンション管理組合として大規模修繕工事時でしか発生しない特殊内容という考えから、大規模修繕工事契約項目内に組み込み修繕積立金から費用を捻出する場合もあります。費用負担に関する考え方は、各マンション管理組合によって異なるかと思いますので、工事計画時にご検討頂くか又は施工業者決定後に施工業者にご相談下さい。

植木鉢・プランター

植木やプランターの片付けについても、やはり片付けが必要です。

室内へ片付けて頂くか、敷地の形状によって異なりますが、マンション敷地内に植木やプランターの工事期間中の避難場所として植木仮置き場を仮設で設置する場合もあります。工事計画時にご検討頂き大規模修繕工事契約項目内に組み込んで頂くか又は施工業者決定後に施工業者にご相談下さい。

イメージとしては下記写真の様な足場仮設材料を用いて、棚を仮設する物です。

ただし植木仮置き場を設置しご利用になる際の水やり等の管理については、植木等の所有者である各住戸にてご対応頂く事が必要となります。

また敷地内の空きスペースに余裕があるマンションでは植木以外の物品の仮置き場を設ける事が可能な場合があります。植木仮置き場と同様ですが、足場仮設材料を用いて、棚を仮設しご利用頂くことも可能です。工事計画時にご検討頂き大規模修繕工事契約項目内に組み込んで頂くか又は施工業者決定後に施工業者にご相談下さい。

   

その他の私物

またバルコニー内の片付けの中でよくお問い合わせ頂く物品が、床に置き敷きのタイルやウッドパネル・ウッドデッキです。

これらの物品は新築時のオプションで設置をされたり、途中入居の方の場合で前居住者が設置したものをそのまま引継いでいたりと設置の経緯と状況は異なりますが、タイルやウッドパネル等が私物として設置されているというご認識を持たれていない住戸が数多く過去にいらっしゃいました。その為、大規模修繕工事時に片づけなくても良い物品と考えられてしまい、一向に片付けをして頂けずに工事が進められないというトラブルが起きたこともあります。

余談ですが、過去バルコニー内の物品の片付けをお願いする際に、コンクリートブロックとモルタルで花壇を作っていたり、サウナルームを設置してしまっていたり、バスタブが設置してあったりと片付けが困難な状況でバルコニーをご利用されてた住戸もあります。これらの物品や、植木関係・倉庫だったりと共用部には住戸毎に様々な私物がありますが、エアコン室外機を除く私物は全て片付けが必要です。

片付けのまとめ

大規模修繕工事時の施工範囲としてバルコニー及び玄関前の施工箇所が一般的に共用部であり、共用部の工事を行う際に私物は片付けなくてはならないという事を大規模修繕工事着工前に居住者の皆様にご理解頂くと共に工事着手後に片付けを実施して頂く必要があるのです。

 

網戸の取り外し・室内保管

大規模修繕工事を行う際にバルコニー内の物品のお片付けと共に、網戸の取り外し及び室内保管が一般的に必要となります。窓の外側についている網戸全てが一般的に対象になります。

網戸が取り付けたままですと、網戸の汚損・破損のリスクは物品の片付けと同様ですが、適正な工事が行えないと共に施工が行えない範囲が発生するからです。

網戸を取外して頂く必要性として多くは窓廻りのシーリング工事と塗装工事や防水工事の仕上げ工事に関係があるのです。

シーリング工事は窓廻りの防水工事として重要な工事です。網戸が取り付けたままで、施工が行えない範囲が発生するとシーリング工事としての保証内容に大きく影響が出るのです。

また塗装工事と防水工事の仕上げ工事時にも施工が行えない範囲が発生したり、綺麗に仕上のラインを出すことができず、意匠的にも問題が生じるからです。

第2回目や第3回目の大規模修繕工事を行う際に、居住者の方から前回は網戸を取り外さずに工事を行ったよ!と言われることがあります。実際に取り外しせずに工事を行ったマンションを見ると先述の部分がキチンと工事されていなく、その部分に機能上・意匠上の不具合がある場合があります。

このように網戸取り外しの必要性がご理解頂けたと思います。

 

   

網戸の取り外し方

では、実際に網戸ってどうやって取り外しを行えば良いの!?

通常の網戸は、強風等で網戸が外れない様に、外れ止め機能が付いています。

一般的にこの外れ止めを解除し、外側から慳貪式にて網戸を取り外します。

一般的にこの外れ止めは、お部屋の窓を開けて室内側から網戸を触れる場所に外れ止めが付いています。つまり室内側からでしか網戸の外れ止めを解除することができない為、居住者ご自身にて網戸を取り外して頂く必要があるのです。

網戸のメーカー・シリーズによって外れ止めの形状は異なりますが、プラスドライバーか千枚通しの様な先の細い物のどちらかを使用して外れ止めが解除できます。

外れ止めの操作方法が一般的には網戸の上枠に貼ってありますので、ご参照下さい。また最近では網戸 外し方 メーカー名 で検索して頂くとインターネット上にもしくはYouTubeなのでも外し方がアップされている事が多いので参考にして下さい。

網戸の取り外し方法が分からない時は、大規模修繕工事の施工業者に事前にご相談して頂ければ、取り外し方法を教えてくれます。

   

 

またバルコニーや共用廊下に面した網戸は安全に網戸の取り外しが行える為、一般的に居住者の方に網戸の取り外しをお願いしていますが、床が無く網戸を取り外した際に誤って落下してしまう危険がある場所は、足場仮設後に居住者の方が網戸の外れ止めを解除し、足場から施工業者に外してもらうように、施工業者にお願いして下さい。

 

網戸の保管方法

そして網戸を取り外した後は室内に保管して頂くことが必要となります。

室内に網戸を保管するとしても何処に保管すれば良いの!?という方には、室内に保管する一つのテクニックをご紹介します。

昨今大規模修繕工事では網戸を室内保管する為のビニールケースを大規模修繕工事の施工業者が各住戸に提供することが、通例となっています。

網戸を取り外した後、網戸をビニールケースに収納し、お部屋の中で網戸を取り外した窓に立て掛けます。立て掛けた網戸が隠れる様にカーテンを閉めて頂くと、取り外した網戸がカーテンに隠れて、お部屋内のインテリアの調和を崩さずに網戸を保管することができます。下の写真がイメージです。

   

 

 

工事期間中の広報について

大規模修繕工事期間中は足場の組立工事が開始し、足場の解体工事が完了するまで、様々な施工箇所で使用制限や通行制限等が発生します。

工事を行っていく中で様々な工事に関するお知らせが各住戸に投函されます。このお知らせには工事の種類・施工箇所・施工期間・注意点・お願い事項等が記載されています。お知らせが投函されましたら、必ずご一読下さい。

工事用掲示板

また一般的にはマンションのエントランスに工事用掲示板が設置されます。

工事用掲示板には、施工業者によって異なりますが、お知らせや工程表など工事の進捗状況並びに工事に関する注意点・お願い事項等が総合的に掲示されるので、掲示板近くをご通行の際にはご確認下さい。

ツツミワークスでは、今までエントランスにホワイトボードの工事用掲示板を設置し、紙媒体の掲示物を掲示していましたが、エントランスで電源の供給ができるマンションにおいては工事用掲示板にデジタルサイネージを採用しております。デジタルサイネージを活用することにより、エントランスが工事期間中もスタイリッシュに維持することが可能です。またペーパーレスでの情報配信の為、紙媒体のお知らせを紛失してもデジタルサイネージでご確認が頂けます。また一番好評な点は次に説明させて頂く洗濯物情報をお手元のスマートフォンやパソコンでご自宅にいながら確認ができることです。今までの工事用掲示板では、毎日わざわざエントランスまで洗濯物情報を確認しに行かなければならなかった煩わしさを無くしました。

 

洗濯物情報

掲示板に記載される内容で、居住者の皆様が最も重要視するものが、洗濯物情報です。

大規模修繕工事時には作業の内容によってバルコニー内の使用制限が発生します。使用制限と連動する形で洗濯物を干せる日と干せない日が発生します。その情報を毎日更新する翌日の洗濯物情報を掲示板に記載することで、洗濯物が工事によって汚損させない為の情報ですので、毎日の夕方以降に洗濯物情報をご確認ください。

一般的には〇×△の表記で洗濯物情報の表記をしています。

〇は洗濯物が終日干せます。

×は洗濯物が終日干せません。

△はご在宅してる状況で洗濯物が干せます。(作業に支障がある際に施工業者から声を掛けられた時に洗濯物の取り込みが可能な事が条件)

洗濯物情報は居住者の皆様にとっても重要な情報ですが、工事業者としても重要な情報なのです。洗濯物が干してある事によって予定作業を行えない等、工事の進捗に大きく影響が出る為です。

施工業者側は極力洗濯物が干せる〇と△の日が多くなるようにと、日々の工事管理を行っていますが、洗濯物が干されてしまっている事で作業の中断や遅延が生じて結果的に洗濯物が干せない日が増加してしまう事があります。

洗濯物情報は居住者の皆様のご理解とご協力と施工業者の努力が嚙み合って結果が生まれる物なので、工事期間中は洗濯物情報をご活用頂き大規模修繕工事にご理解とご協力をお願い致します。

   

まとめ

今回は大きく3点説明させて頂きました。

大規模修繕工事が開始されると荷物の片付けや網戸の取り外し、洗濯物が干せない日が発生したりとマンションの居住者の皆様のご理解とご協力が必要です。居住者の皆様が住んでいる中で大規模修繕工事を行う為には、施工業者の居住者に対し配慮した工事運営はもとより、居住者の皆様のご理解とご協力があって大規模修繕工事を円滑に進めて行くことができるのです。

 

次回は『大規模修繕工事実施編 足場仮設 下地タイル補修工事 シーリング工事』です。

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