身の回りの高さって決まりがあるの?人と物との高さの繋がり

杉下宜久

こんにちは!
日装・ツツミワークス 第三事業部 杉下です。

以前、和室の大きさや尺貫法について紹介させて頂きましたが、今回は身の回りの家具や住宅設備機器などのサイズについてご紹介させて頂きます。
6畳ってどんな大きさ?日常生活と尺貫法の関わりについて | もっとわくわくマンションライフ|マンションライフのお役立ち情報 (anabuki-m.jp)

私たちは日頃気にもせず使っているもの、触っている物にも実際は人間のサイズに合わせて作られている物が数多くあります。

身の回りの高さ

テーブル・デスク

一般的なテーブル・デスクのカウンターの高さは700mm~730mm程度と言われており、それに対しイスの座面の高さは400mm~430mm程度と言われています。テーブルの天板と座面の高さの差は250mm~300mm程度と言われております。
カウンターテーブルなどは高さ900mm程度になり、カウンターチェアの座面高さは600mm程度になります。

ラーメン屋さんなど丼ぶりを中心に料理を出す店舗等は椅子の座面の高さをあげる等、工夫し食事しやすいように設定しているそうです。

日本のオフィスデスクの適切な寸法は、戦後直後に日本に駐在していたアメリカ軍のダグラス・マッカサーによって制定されました。アメリカ軍が使用していた高さ740mmのオフィスデスクを用いて、日本の規格として採用されました。その後、日本人の体格も年々変化していく中、1971年に新しいデスクの高さはJIS規格(国家規格)として700mmに制定されました。その後、再調査が行われ現在は720mmが推奨サイズとされているそうです。

 

コンセント・スイッチ

室内にあるコンセント・スイッチ等の高さも操作しやすい位置に設定されています。
照明スイッチの高さは床から概ね1200mmの高さに設置されており、一般的なコンセントは床から250mmの高さに設置されています。

また、インターフォンの高さは屋内で床から1300mm程度、屋外で床から1100mm程度に設置すると言われています。屋外では子供の来訪でも顔が分かるようにと少し下げた位置になっています。

 

階段

住宅などの階段の一段の高さは230mm以下とされていて、物販店、映画館などの公共施設の階段の一段の高さは180mm以下とされています。階段はリズムで上がったり、下がったりするので途中で高さが変わったりすると危険です。一番下の段が低かったりして転びそうになった方いらっしゃると思います。
住宅での階段の高さ(蹴上)が230mm以下で設置する事は建築基準法で定められています。

また、階段手摺は通常床から750mm~850mmの高さに設置します。最近では手摺を2段に設置して幼児や高齢者向けに設置している所もありますね。その場合一段目を750m~850mmに設置して二段目を600mm~650mmに設置します。手摺の太さは30mm程度が握りやすいと言われています。

 

洗面台・キッチン

洗面台の床から洗面ボウルまでの高さは750mmが主流でしたが、現在は800mm~850mmになっているそうです。
キッチンの床からキッチン天板までの高さは標準で850mmと言われていますが、800mm、850mm、900mm、950mmと設定のあるメーカーもあります。
キッチンの天板の高さを割り出す計算式は2通りあって
1.身長÷2+50mm
2.肘を90度に曲げた状態-150mm
さらに海外にように靴を履いた状態で料理をするのか、日本の様にスリッパを履いて料理するのか否かによっても変わってきます。やはり身長が関係しているんですね。

高さが低いと腰を痛める為、時代とともに変更されました。日本人の平均身長も伸びてきたのですね。

 

その他

バルコニーの天井に設置されている物干し、物干し竿の高さはバルコニーの床から概ね1800mmとされており、上下に調整出来るタイプもあります。大規模修繕工事で設置した物干しで高齢の居住者様より届かないので1段下げる様に要望があり、下に調整して下げたこともありました。

最近ではあまり見られなくなった姿見(鏡)の高さも、概ね床から1800mmであれば全身が映るとされています。

           

 

まとめ

私たちの身の回りにある家具や住宅設備機器の高さは人間のサイズに合わせて作られているのが分かります。
建築にもモデュロールという人体の寸法に合わせた考え方があります。

 

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
「モデュロール」が刻印されたコルビュジエ生誕100年記念硬貨(スイス・1987年)

モデュロール(Modulor)とは、フランスの建築家ル・コルビュジエが、人体の寸法と黄金比から作った建造物の基準寸法の数列である。Modulorは、フランス語のmoduleモジュール・寸法)とSection d’or(黄金分割)から作ったル・コルビュジエによる造語である。

ル・コルビュジエは、古代ローマのウィトルウィウスレオナルド・ダ・ヴィンチ「人体図」(Vitruvian man)レオン・バッティスタ・アルベルティの仕事などから人体における数学的な比率を見出だし、それを建造物の機能の向上のために利用した。モデュロールは、人体の寸法およびフィボナッチ数列、黄金比に基づく。基本的には、人が立って片手を挙げた時の指先までの高さ(「ヨーロッパ型」の場合226cmとされる)を黄金比で割り込んで行く、という方式である。 ル・コルビュジエはモデュロールのことを「建築や、その他の機械の設計に普遍的に適用できる、人体の寸法に合わせて調和した寸法の範囲」と評している。

因みにル・コルビュジェは世界的建築家でご存じの方もいらっしゃると思いますが、世界遺産に登録されている東京都台東区上野の国立西洋美術館を設計した建築家です。他にもLC1やLC2のソファーやLC6などのガラステーブルも設計しております。

モデュロールの考え方も家具や住宅設備機器のサイズに影響しているのかもしれませんね。

それでは、また次回のブログでお会いしましょう!

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杉下宜久

日装•ツツミワークス 
工事統括本部 第三事業部
杉下 宜久(すぎした のりひさ)

埼玉県出身 2011年入社
大規模修繕工事の現場管理に従事しております。
貴方に任せて良かったと言われる仕事を心がけております。
皆様が快適マンションライフを送れるよう頑張っていきます。

保有資格:一級建築施工管理技士
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