管理業務主任者合格講座!民法|「契約の種類」を解くときのポイント

仲井悟史 仲井悟史

皆さんこんにちは。仲井です。管理業務主任者合格講座も2回目。今回は民法でして、本試験ではウエートの比較的高い科目です。民法では、売買契約、賃貸借契約等、13種類の契約が定められていますが、本試験では、これら民法で定められている契約のうち主なものの分類を問う問題が出題されることがあります。では、早速中身に入っていきましょう。

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目次

  • 各契約の定義
  • 各契約の分類

民法で定められている各種契約(13種類)は、諾成契約か要物契約かで分けることができます。また、有償契約か無償契約かで分けることもできます。さらに、双務契約か片務契約かで分けることもできます。

以下、贈与、売買、交換、消費貸借、使用貸借、賃貸借、請負、委任、寄託の9種類の契約について定義と分類の説明をしていきましょう。

各契約の定義

まず、分類する前に、それぞれの契約がどんなものなのか、おおまかにイメージしましょう。

贈与は、タダで物をあげる契約で、当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生じます。

売買は、当事者の一方がある財産権を相手方に移転することを約し、相手方がこれに対してその代金を支払うことを約することによって、その効力を生ずる契約です。

交換は、当事者が互いに金銭の所有権以外の財産権を移転することを約することによって、その効力を生ずる契約です。…ちなみに、お金とお金を取り替えるのは両替ですね(笑)。

消費貸借は、当事者の一方が種類、品質および数量の同じ物をもって返還をすることを約して相手方から金銭その他の物を受け取ることによって、その効力を生ずる契約です。金銭のほか調味料・米・味噌等の貸し借りが典型例です。借りたお金や調味料等をそのまま飾っておくわけではなく、使った後で同じようなものを返すということです。消費貸借には、利息付きのものと利息が付かないものがあります

使用貸借は、タダで物を借りる契約で、当事者の一方が無償で使用および収益をした後に返還をすることを約して相手方からある物を受け取ることによって、その効力を生じます。

賃貸借は、当事者の一方がある物の使用および収益を相手方にさせることを約し、相手方がこれに対してその賃料を支払うことを約することによって、その効力を生ずる契約です。使用貸借と違い、借主が賃料を支払います

請負は、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる契約です。建築請負等が典型例ですね。

委任は、家や土地の管理を頼む場合のように、当事者の一方が法律行為等をすることを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって、その効力を生ずる契約です。報酬がない場合とある場合があります

寄託は、他人から物を預かる契約で、当事者の一方が相手方のために保管をすることを約してある物を受け取ることによって、その効力を生じます。報酬がない場合とある場合があります

各契約の分類

以上9種類の契約の大まかなイメージができたら、それぞれの特徴をもとに、分類をしてみましょう。

1諾成契約・要物契約

諾成契約とは、契約当事者の意思表示のみで契約が成立するもので、要物契約は、契約の成立に物の引渡しまで必要なものです。

上記9種類の契約のうち、使用貸借、消費貸借、寄託の3つは、「物を受け取ることによって、その効力を生ずる」契約、すなわち要物契約です。

そして、それ以外は諾成契約です。贈与は要物契約ではないので注意しましょう。

2有償契約・無償契約

有償契約とは、当事者が互いに対価的意義を有する出捐(経済的負担)をする契約で、無償契約は、そうではない契約です。

「タダで」物をあげる贈与や、「タダで」物を貸し借りする使用貸借は、無償契約です。

ただし、消費貸借は注意が必要です。消費貸借は、要物契約なので、物を引渡して契約が成立した後は、借主が返す義務だけが残ります。その間、貸主は、貸した物が使えないという経済的負担を負っているといえます。そして、この経済的負担と釣り合う(対価的関係にある)のが利息です。すなわち、消費貸借の場合、利息付きのときは有償契約、利息が付かないときは無償契約といえるのです。

また、委任契約と寄託契約は、報酬がない場合は無償契約ですが、報酬がある場合は有償契約です。

そして、残りの契約(売買、交換、賃貸借、請負)は、有償契約です。

3双務契約・片務契約

双務契約とは、当事者が互いに義務を負う契約で、片務契約は、当事者の一方が義務を負う契約です。

まず、タダで物をあげる贈与は、片務契約です。意思表示だけで契約が成立する諾成契約なので、契約後はもらう側が「約束したでしょ。早く引き渡してちょうだいよ」と主張できるのです。

次に、要物契約である使用貸借や消費貸借は、物を引渡して契約が成立した後は、借主が返す義務だけが残りますので、片務契約といえます。

さらに、委任契約と寄託契約は、報酬がない場合は片務契約ですが、報酬がある場合は双務契約です。

そして、残りの契約(売買、交換、賃貸借、請負)は、双務契約です。

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今日はこの辺にしておきましょう。

売買、交換、賃貸借、請負は、諾成契約・有償契約・双務契約で、イメージしやすいかと思います。

試験対策上は、贈与、使用貸借、消費貸借、委任、寄託をしっかり押さえることがポイントと言えるでしょう。

たとえば、使用貸借と利息が付かない消費貸借は、要物・無償・片務で、同じ内容になります(利息付き消費貸借は有償)。

また、委任と寄託は、報酬がなければ無償・片務、報酬があれば有償・双務ですが、委任は諾成契約であるのに対し、寄託は要物契約というところが違います。

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仲井悟史

仲井悟史

あなぶきハウジングサービス 東京東支店:仲井 悟史(なかい さとし)
東京イーストエリアで約10年にわたりマンション管理担当者を経験しています。前職は資格試験予備校で長年にわたり宅建等の講師として教壇に立っていました。その経験を活かし、現在、社内講師も務めています。息子たちと野球をしたり観たりすることが最大の楽しみ。
保有資格:管理業務主任者・マンション管理士・マンション維持修繕技術者・宅地建物取引士
特技:中国語
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