あなぶきハウジングサービスの生山です。
今回は転勤になってしまったときに、今まで住んでいた分譲マンションを貸した方がいいのか(賃貸)、それとも売ったほうがいいのか(売却)、それぞれの注意点を中心にお話してみたいと思います。
「マンションを買ったらすぐに転勤になっちゃった…」という悲惨なケースをよく耳にすることがあります。。
選択肢としては「①貸す」「②売る」「③そのままにしておく」「④空室管理をお願いする」といったところでしょうか。(あと「単身赴任する」というのもありますね…。)
いずれにしても『自分たちにとって何が一番良いか』、しっかり考えたうえで結論を出して後悔しないようにしてくださいね!
転勤の期間はどのくらい??
まず、「転勤は3年間の期間限定」といったように転勤の期間が予め決まっているのか、それとも期間は分からない(もしかするともう帰ってこれないかもしれない)のかによって選択肢が変わってきます。
「3年後に帰ってくることが決まっているので、3年後にはその部屋にもう一度住みたい」というときは「売る」という選択肢はありませんよね。そうすると「貸す」「そのままにしておく」「空室管理をお願いする」の中から決めることになります。
選択肢①「賃貸(貸す)」
ここで「賃貸(貸す)」ときに注意すべきこと、知っておくべきことがあります。
それは、“一度賃貸に出すと、いつでもやめることはできない!”ということです。 (正当な事由がある場合は途中で賃貸をやめることができますが、正当な事由がある場合、というのはかなりレアなケースだと思ってください)
「それなら契約更新のときに賃貸をやめたらいいんじゃないの?」
たしかに賃貸の契約は数年ごとに更新があります。(賃貸の契約は「2年契約」というのが多く、その期間中に勤め先が変わったり、連絡先が変わったり、家族が増えたり、連帯保証人が変わったり、ということがあるからです。)
更新のときに賃貸をやめる。実は、これもできません。
賃貸に出す、ということは「貸主」になるということです。 (自分の部屋を借りてくれる人が「借主」)
賃貸においては、法律上、何かと貸主よりも借主の方が有利になっています。 ただ、『借主がいるから自分たちが住めない』ということにはなりますが、 『借主がいる』ということは『家賃の収入がある』ということです。 借主が解約を申し入れてくるまでの間、家賃の収入はありますので、 自分たちが賃貸物件に住んで、解約になった時点で賃貸をやめる。というのも選択肢の一つですね。
賃貸について少し調べた方は、“ 定期借家契約(ていきしゃっかけいやく)”というものがある。” ということを知っていると思います。
そして、「2、3年後には自分たちが住みたいから定期借家契約で貸せばいい。 それなら、また自分たちで住むことができる」という考えに行き着くと思います。
(「定期借家契約」ってなに??という方は、3分程お時間をいただければ、3分程で分かるように以下の記事で説明していますので、是非読んでみてくださいね!)
確かに、「一度賃貸に出すと、いつでもやめることはできない」というのは、普通借家契約の場合で、 定期借家契約だと2年、3年と期間を決めて契約することができ、期間が終わると契約は解除されますので、また自分たちが住むことも可能です。 では、何が問題か。 それは、「通常の相場家賃では貸せない」「借り手がなかなか見つからない」ということです。 これは、お部屋探しをする側の気持ちになれば分かると思いますが、 どれだけ気に入った物件があっても、「3年後には出ていかなければいけない」となると、なかなか借りる気になりませんよね。 また、分譲マンションを賃貸に出すと、企業が社宅として借り上げてくれるケースがあります。(借主が「法人」のケース) ところが、ほとんどの企業は借り上げ社宅の基準(規程)で「定期借家契約物件は契約不可」としています。
個人で、ちょうど「3年間だけ住める部屋を探している」という方がいれば別ですが、 普通は引越しの手間、転居手続きの手間などを考えますので、なかなかそういう方は現れません。通常の相場家賃より安くしたからといっても、すぐに決まるかどうかは分かりませんし、「借りてくれる人がいたらラッキー」くらいに考えていないと期待はできません。 定期借家契約にする場合は、コレを分かったうえで賃し出すようにしてください。
選択肢②「そのままにしておく」
お部屋を「そのままにしておく」ことに、メリットは全くと言っていいほどありません。分譲マンションは住んでいる・住んでいないに関わらず所有している限り管理費・修繕積立金等を支払わなければなりません。当然固定資産税等も発生します。また、お部屋を住まずに空室にしていると、どんどん傷んでしまいます。できれば、次に説明する「空室管理」のようなサービスをお願いしましょう。
選択肢③「空室管理をお願いする」
空室管理(会社によって色々なサービス名があると思います)というのは、月に1回程度室内のチェックや通風、通水を行ってくれるサービスです。放っておくととお部屋はどんどん傷みますので、月に1回程度は空気の入れ替えや臭い発生防止のための通水を行う必要があります。頻度や金額は会社によってまちまちです。(マンションの管理会社や賃貸管理会社でやっているところが多いです。)近所に家族が住んでいる、というときはカギを預けて月1回程度の通風、通水お願いするので十分かもしれませんね。
選択肢④「売る」
転勤の期間が分からない。もしかしたら、もう二度と帰ってくることはないかもしれない…。そんなときは「売る」という選択肢もででくるでしょうし、普通賃貸借契約で「貸す」のもアリだと思います。いずれにしても「売る」「貸す」で迷った場合は査定をお願いしてみましょう。売却の査定と賃料の査定をしてもらい、売却の場合は掛かる諸経費もあわせて確認しておきましょう。
そもそも売却価格より住宅ローンの残債の方が大きかった場合は差額を支払わなければ売却することができません。
賃貸の場合は家賃から管理費、修繕積立金、管理手数料などを差し引いた正味の収入がいくらになるのか確認しておきましょう。
まとめ
悩んだ時は、まず「将来、その部屋をどうするのか」を明確に考えてください!
ここがぼんやりしていると、不動産会社に相談しても、賃貸系の不動産会社は「貸した方がいい」というでしょうし、売買系の不動産会社は「すぐに売った方がいい」といいます。 それぞれにメリット、デメリットがあるからです。自分自身で、将来そのお部屋をどうするか。を明確にしておくのが大事ですね。
生山 亨
分譲マンションの管理担当(フロント)を経て賃貸仲介・賃貸管理・売買仲介・総務業務を経験。長年やってきた賃貸業務、中でも特に空室の改善、対策は得意分野です。現在は、あなぶきスペースシェアにおいて宿泊事業・マンスリー事業を行っています。
保有資格:宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士・管理業務主任者
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