不動産会社が教える|敷金礼金0円物件の1個のメリットと5個のデメリット

あなぶきハウジングサービスの三輪です。
最近目にすることが多くなった敷金・礼金が0円の物件。果たして本当にお得なのか!?というかなんか怖い気もするんだけど・・・
今回は敷金・礼金0円の物件、いわゆる「ゼロゼロ物件」について考えたいと思います。

目次

  • 敷金とは?礼金とは?
  • ゼロゼロ物件のメリット1個
  • ゼロゼロ物件のデメリット5個
  • オーナー様から見たときのゼロゼロ物件
  • まとめ

敷金とは?礼金とは?

まず今回の最重要ポイントである、敷金と礼金についておさらいしましょう。
賃貸お部屋探しの方必見!契約時の敷金と礼金 
上記記事をご参考いただければと思います。簡単に言うと、

●敷金=借主のもの。家賃滞納時や退去時の借主負担分の工事・修繕費用等に充当するための担保として契約開始時に貸主に預けておくお金です。“預かり金”なので解約時には借主負担分を差し引いた上で、残額が借主に返金されます。

●礼金=貸主のもの。慣習として残っているオーナー様へのお礼として支払うお金です。物件を解約したからといって、返金されるものではありません。

この違いを念頭に置いた上で、ゼロゼロ物件について考えてみましょう。

ゼロゼロ物件のメリット1個

借主の初期費用の軽減

ゼロゼロ物件のメリットは、なんといっても契約の際の初期費用を抑えられることです。ただでさえ、お引越しには多額の費用が掛かることが多いです。そのお金を節約できるのであればそれに越したことはありません。
特に礼金0円のメリットは大きいです。前項の通り、敷金は返金される可能性がありますが、礼金は一切返ってきません。その費用がいらないとなると、借主にとってはトータル的にも負担が少なくてすみます。
【敷金0ヶ月、礼金1ヶ月】と【敷金1ヶ月、礼金0ヶ月】の2つの物件の場合だと、初期費用で支払う金額は1ヶ月分で同じでも、お得なのは断然【敷金1ヶ月、礼金0ヶ月】の方ですよ!

ゼロゼロ物件のデメリット5個

メリットは前述のとおり、大幅なコストカットが見込めるということ。ではデメリットは無いのでしょうか?考えられるのがこれから記述する5個程度になるかと思います。
ただしデメリットというよりは、確認ポイントといった感じです。
事前に注意しておけば避けられることばかりですので、ぜひご参考ください。

①退去時の原状回復費用を用意しておかなければならない(退去時の出費がある)

入居の時には敷金0円でも、退去時には借主負担で原状回復をしなければならないことが多々あります。
敷金を預けておけば、そちらから原状回復費用が充当され、残りの額が借主に返金されます。それが初めから0円なので、退去の際にはまとまった金額を支払う必要が出てきます。
当たり前のことと言えばその通りなのですが、案外失念している借主様もいらっしゃいますので、念頭に置いたうえで敷金0円物件を契約するようにしましょう。
極端に言えば敷金については「先に支払うか、後から支払うか」の違いだけとも言えるでしょう。
ちなみに私は先に支払っておきたいタイプです。なんとなく安心な気がするので。
尚、原状回復費用は最初から定額の場合もあれば、退去時の状態によって実費請求される場合もあります。この点も契約時にしっかり確認しておくと良いですね。

②空室が多い物件=希望条件に上手くマッチしていない物件が多い

敷金・礼金0円で募集している物件は、空室が長かったり、空室数が多かったりする物件が多い傾向にあります。
立地や設備、間取り、築年数、時期等、空室の理由は様々ですが、オーナー様が物件へ投資をせずともすぐに効果が表れやすいのが価格設定を変更することです。価格で勝負する物件がゼロゼロ物件と言えるでしょう。
ひいては自分が希望する設備(追い焚きやオートロック等)だったり立地(駅近、小学校区等)ではないことが往々にしてあると考えられます。
そこを妥協できるかどうかです。費用をとるか、その他の希望条件を優先するか、よく検討したうえで判断するようにしましょう。

③ゼロゼロ物件で絞るとかなり数が少なくなる(閑散期のキャンペーンの場合も有り)

ゼロゼロ物件の数はかなり少ないです。(地域によってはそうとも限りませんが…)
数が少ないからこそ「レア度」が高く、お部屋探しの際に魅力的に感じるのです。(実際メリットにつながります)
お部屋探しをする際に、無理にゼロゼロ物件で探そうとすると、物件の選択肢が一気に少なくなります。
また、お部屋探しの閑散期(11月、12月、1月や6月、7月、8月頃)の空室対策としてゼロゼロキャンペーンを実施するケースもあります。掘り出し物が見つかることもありますので、こういう時期にもチェックしておくと良いかもしれませんね。

④家賃や別の請求費目に補填されている場合がある

例えば、敷金・礼金は0円でも「クリーニング費用○円」等というように他の費用が掛かる場合があります。保証金という名目になっていることもあります。
また、相場家賃よりもいくらか高い家賃で募集し、初期費用分を補填しようとするケースが見られることもあります。
敷金・礼金0円でも他に費用が掛かったり、家賃が高くなったりするとお得かどうかは微妙になってしまいます。
費用に関しては初期費用の見積をしっかり出してもらうのはもちろんの事、ランニングコストになる家賃をある程度長い期間で計算したうえで、敷金・礼金0円とどちらがお得かを比較して考えることが大切です。

⑤解約時に違約金等がある場合がある

初期費用が安い分、解約の際に違約金を設定しておくケースもあるようです。そのような場合、普通に敷金や礼金がある物件を借りるよりも総費用でみると負担が大きくなる可能性もあります。違約金については契約書に記載がありますので確認しておきましょう。

以上の5項目を踏まえ、「こんなはずでは・・・」と失敗しないように、
ポイントその1:契約内容をよく確認しておく。
ポイントその2:思い切ってゼロの理由を聞いてみる。
この2点に注意しながらゼロゼロ物件を選ぶようにしましょう。

オーナー様から見たときのゼロゼロ物件

最後に、オーナー様の立場でゼロゼロ物件の善し悪しを簡単に記載しておきます。

メリット

先に出たように、オーナー様が物件投資をせずともすぐに実施できる空室対策です。
また、キャンペーンとして期間限定で敷金・礼金0円で募集をすることもできます。

デメリット

敷金をお預かりしていない=担保がないということです。万が一、家賃滞納したり借主側の原状回復費用の支払いがない場合は回収不可能になる可能性が比較的高いです。
また、礼金が0円の場合は、オーナー様の収入が減ってしまうことになります。
しかしながら、その分早く入居者が決まり、家賃発生すればそちらの方が得をしたことになると言えるでしょう。

まとめ

引越をする際のネックの一つが契約時の初期費用が高いこと。ある程度まとまったお金が必要になるので、気に入った物件が見つかってもなかなか引越に踏み切れないこともあるでしょう。敷金も礼金も家賃○ヶ月分という設定のことが多く、初期費用の大きな部分を占めています。そこで「敷金・礼金0円」とすることで、金銭的な面から「借りたいと思ってもらえる」、「借りやすい」ようにプランニングした物件が「ゼロゼロ」物件と言えるでしょう。
尚、オーナー様の方で敷金・礼金0円に設定して募集していても、借主の方から敷金は○ヶ月分預けておきたい、と申し出ることも可能の場合が多いです。(私は敷金0円の物件を自分で契約した時、逆に敷金1ヶ月分は預かってほしいとお願いし、敷金を先に支払いました(笑))
確かに初期費用が安いのは魅力ですが、その他の条件も含めよく比較・検討したうえで、お得かどうかを見極められれば良いですね。

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三輪有香

あなぶきスペースシェア 運営事業部 三輪 有香(みわ ゆか)
島根大学卒業後、2009年に入社しました。賃貸物件の仲介営業に4年間従事し企画室へ。1年半の産休・育休を取得後、賃貸事業部に復帰しました。2018年2月1日にあなぶきスペースシェアの設立と共に現在の会社へ。初めて触れるシェアリングエコノミー事業ですが、七転八起で頑張ります。保有資格:宅地建物取引士、管理業務主任者、福祉住環境コーディネーター2級
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