■宿泊ゲストトラブル事前対策及び起きてしまった際の対応■

田村浩彦

秋も深まり、すっかり日足が短くなってきました今日この頃。皆様如何お過ごしでしょうか。
私が住んでおりますここ沖縄も日の沈むのがすっかり早くなり朝晩はだいぶ涼しくなってきました。
とはいえ、天気の良い日中は25℃以上まで上がり、まだまだカーエアコンが必要なんですけどね(笑)

さて、今回はオーナー目線で見た宿泊業(民泊)宿泊ゲストトラブル及び事前対策を株式会社OneNote田村がお届けしたいと思います。
現在運営中又はこれから沖縄で宿泊業ご検討の方々へご参考となれば幸いです。

【目次】
其の①:宿泊ゲストトラブルTOP3
其の②:トラブルを未然に防ぐために出来る事
其の③:起きてしまったトラブルに対する対処法
其の④:その他トラブル事例

まとめ:抑えるべき事前対策ポイント

<其の①ー宿泊ゲストトラブルTOP3ー>
他都道府県で施設でも類似トラブルあるかと思いますが、沖縄の土地柄踏まえての代表事例をご紹介させて頂きます。

■第1位:『騒音』
なんといっても一番多いトラブルはこちら「騒音トラブル」です。
皆様も旅行に行かれると普段と違う日常、解放感から自然とテンションも上がってしまう事あるかと思います。ましてや南国リゾート沖縄の別荘物件ともなると、ついついハメを外して夜遅くまで騒いでしまいがち。
あと、沖縄独特な季節ごとの騒音原因が「在日米軍関係ゲスト」によるパーティ騒音です。
勿論、全ての在日米軍関係ゲストが騒音トラブルを起こす訳ではなく、一部の方々とはなりますが「ハロウィン」「クリスマス」「独立記念日」は統計的に騒音トラブル発生件数が多くなる傾向にあります。パーティ文化本場の方々らしく、騒ぎ方もアメリカンサイズでご近所の方々からお?りを受ける事がしばしば(過去には警察出動も。。)

■第2位:『人数不正』
続いての2位はこちら「人数不正」
無人宿泊施設の宿命でしょうか、残念ながら一定数人数不正を行う方々は必ずいらっしゃいます。
人数不正が起きやすい物件の特徴は「安価」且つ「大人数収容」タイプとなります。
物件タイプから想像に難くないですが大学生等若年層がグループで利用しやすい物件に比較的多い傾向にあります。
あとは米軍施設近隣エリア「宜野湾・北谷・うるま市・恩納村」の大型物件にも多い傾向がございます。

■第3位:『違法駐車』
続いて第3位。こちらも中々なくならない根強いトラブル「違法駐車」
集合住宅物件及び駐車場スペースが1台のみ等十分なスペースがない物件に多い傾向がございます。
まず集合住宅タイプの場合は空いているスペースどこにでも自由に停めていいモノと勘違いし他部屋住民から苦情を頂き発覚するケース。
戸建てタイプの物件では、駐車場スペースが1台分のみ又は狭い・停めずらい・不明瞭な場所にある場合、停めやすい隣接物件敷地に勝手に駐車してしまい通報が入る事により発覚するケースがございます。

<其の②ートラブルを未然に防ぐために出来る事ー>
第1位,2位の「騒音・人数不正」について
この手のトラブルが起きる物件には統計的に類似点がございます。
―類似点―
・大人数収容物件
・1泊単価が比較的安価
・カジュアルな内装
以上3点が代表的な特徴として挙げられます。
なんとなく想像できますね。
賃貸物件とも似ておりまして「賃料(宿泊料金)と利用者モラル」は相関関係にあります。
低単価⇒お客様層(モラル)「低い傾向」
高単価⇒お客様層(モラル)「高い傾向」
勿論全ての物件がそうではありませんが、「高級レストラン」と「ファミリーレストラン」のお客様層の違いをイメージして頂ければ分かりやすいかと思います。
それなりの場所に行けば必然的に背筋がピンとし利用する前から身なり含めマナー、心構え整えて向かいます。

宿泊施設に置き換えると一番分かりやすいのは「宿泊価格」となります。
しかしながら、単純に価格だけ高くしても価格相応の内装・サービスのトータルバランスが取れていないといけません。
プランニング段階からターゲット層を高いところに置き、内装デザイン、設置家具、備品・アメニティもバランスよく整え、騒ぐ属性のお客様は手が出ずらい物件に仕上げるとトラブルを未然に防ぐことが出来ます。
尚「人数不正」において指摘時一番多い言い訳が「近所の施設に友人が泊っており遊びに来ただけ又は沖縄に住んでいる友人が遊びに来ただけ」が挙げられます。
どこのホテルでもそうですがご利用者以外の方を客室に入れる事は禁止されております。会うのであればロビー等一般ゲストも立ち入り可能な場所に限定されるのが常識です。
民泊施設だからOKという事は無く、スタッフ常駐施設では無いからこそそこは事前に強く注意喚起をしておくことが大事です。ここを緩めてしまうと際限なく人数不正が横行してしまいますので厳しく対処していきましょう。
(事前注意喚起例、ご予約ゲスト以外の施設立ち入りは一時的であっても禁止となっております。お会いになる場合は施設敷地の外でお願い致します。※ご予約者以外の入室が発覚した場合は短時間でも該当日分の宿泊料金を追加請求させて頂きます)等

つまりトラブルを未然に防ぐためには対処療法ではなく「事前予防療法」がとても重要であるという事なんですね。

続いて「違法駐車」について
集合住宅タイプの場合は過去実例から、分かりやすく「指定駐車場」等記載の三角コーンを当該区画に置いておき、一目で分かるように視覚に訴えるのが一番効果的です。他の住民の区画に停めてしまう最たる理由はどれも同じように見えてしまい、区別がつきづらいという事なんですね。事前にガイド資料をPDF等で送っていても事前にきちんと見る方はなかなかいないものです(恥ずかしながら私も施設からのメール等は「プラン料金と宿泊期間」が合っているかぐらいしか見ません、、、)よしんば見ていたとしても夜間帯などは非常に分かりづらい為、事前案内を見ていなくてもその場に行けば一目で分かる工夫をしておくことが肝要です。因みにそれでも他の区画に停めてしまうような施設(戸建て物件含め)の場合は、施設玄関入ってすぐの目立つところに「A4サイズ」のラミネートで「違法駐車1万円請求」又は「警察通報の上、即レッカー移動行われます」等、強めの文言で注意喚起掲示物を貼っておきましょう。※因みに配色は自然界で危険を意味する(背景/黄色・文字/黒色)の色遣いが効果的です♪

<其の③ー起きてしまったトラブルに対する対処法ー>
■「騒音」近隣お住まいの方からご報告頂いた場合・・・
施設宿泊ゲストへ連絡し「例、近隣お住まいの方からかなり温度感高く注意を受けております。状況改善しない場合は警察に通報する旨強い口調で仰っておりましたので、お静かにお願い致します」等1回で済むよう上手く近隣の第三者意見を駆使し強めの注意を行うと良いです。因みに米軍関係者の場合一番恐れるのはMP(ミリタリーポリス)なので、日本の警察ではなく「MPに通報する旨」伝えると効果的です。

自施設のゲストだから、、気持ちも分かるから、、等仏心を出すのは禁物です。
経験上、団体の場合は集団心理も働き、やさしい注意くらいでは残念ながら改善しません。
手間もありますが、今後もその番所で近隣の方々と良好な関係性を保ち施設運営していくのであれば1回で済ませ、ご通報頂いた方にも「きっちり管理しているな」と印象付ける方が得策です。ここは厳しく対処していきましょう。

■「人数不正」発覚した場合・・・
【チェックイン時及び滞在中発覚の場合】
法律上無人の宿泊施設にはゲストの出入りが鮮明に分かる監視カメラの設置が義務付けられています。
24時間常に監視している事は物理的に難しいと思いますので「動態感知のお知らせ機能」付の監視カメラを設置し、物件チェックインの時間帯の映像を確認し予約人数と合致しているか確認する事をお勧めします。
そして人数不正が確認出来たら、当該ゲストへ即連絡し「ご予約人数と相違している点及びご報告お忘れになっておりませんか?」という形で相手に言い訳できる余地を与えつつ見てますよと不正が出来ないプレッシャーを与えるのがポイントです。
発覚後の時間経過に比例し回収確率は下がりますので「対応の速さ」が一番肝心です。
因みに監視カメラの設置角度は「玄関内側から外に向けて」設置し、けっして室内には向けないようにしましょう(確実にトラブルになります)

【チェックアウト後発覚の場合】
このケースはほとんどの場合、清掃業者からの報告になります。ゴミの量・寝具、タオル類の使用量から報告があがってきます。稀にチェックアウト時間帯にまだ滞在しており、現場を押さえる場合があります。
前者の清掃業者経験則からの「疑わしい」ケーズの場合は、監視カメラ映像を確認し「人数不正」発覚した場合は即当該ゲストへ請求行いましょう。
現行犯の場合も同様に即請求対応しましょう。

■「違法駐車」発覚した場合・・・
前2例からもお分かりかと思いますが、発覚後は当該ゲストへの即時連絡を行いましょう。
連絡時も「この場所は近隣の方からすぐ通報され、レッカーされますので後々面倒な事にならないよう早く移動してくださいね」と焦らせる感じで厳しく対処しましょう。

<其の④ーその他トラブル事例ー>

・「チェックアウト時間オーバー」・・・どこの宿泊施設でもよくある事ではありますが、無人宿泊施設は特に多いです。こちらもモラルの問題なので物件レベルに比例するところが多分にありますが、安価な物件であればあるほど玄関等に「A4ラミネート」で具合的に「10分毎追加料金発生等」厳しめに事前周知しておくことが重要です。
何故そこまで厳しくした方が良いのかというと清掃業者のスケジュールに大きく影響が出るからなんですねホテルであれば当該ゲストがチェックアウトするまでの間、同施設の他ルームを清掃しておけばある程度時間調整できるのですが、戸建て物件の場合は物件規模からも1日に対応できる数も限られており、物件間の移動時間含め簡単にスケジュール変更する訳にはいかないんですね。運よく次の清掃予定物件が近所であればまだよいのですが、そういったケースは稀です。同日チェックイン物件が重なる繁忙期では尚更で、チェックイン時清掃がまだ完了していない等致命的な結果をもたらします。
だからこそ、チェックアウト時間は厳守なんですね。
(ホテルだから多少はいいという訳ではないので皆様もチェックアウト時間は守るようにしましょうね)

・「備品破損・寝具汚損等」・・・大体のゲストさんは自発的に申告して頂けるのですが、残念ながら一部申告しないゲスト様がいらっしゃいます。
これもモラルの問題なので物件レベルによるところが相対的に多いですが、基本弁償請求致します。
請求時必要なのが「証拠写真(ビフォアー・アフター)」及び「購入時価格が分かる領収書等」になります。

流れとしてはまず清掃業者さんから証拠写真と共に内容報告がありますので、時間を空けず当該ゲストへ確認連絡します。この時素直に認め弁償するなら請求対応し終えるのですが、逆のパターンで否認する場合は「ビフォアー・アフター(※当該箇所のビフォアー写真が無い場合は現物写真のみでも可)」の画像を送り、言い逃れ出来ないようにし請求対応致します。
それでも否認する強者ゲストの場合は当該ゲスト予約サイトへ仲裁依頼(※サイトによっては当事者自己対応になる場合もございます)または自身加入の家財保険等で対応となります。
尚、どこから請求するレベルなのかはオーナー様の判断によりますが一般的に消耗品系(食器・グラス類)は弁償請求せず「その代わりレビュー投稿お願いしますね」で対応する形が多いです。

<まとめー事前対策抑えるべきポイントー>
・高価なものは置かない
・食器類は消耗品と捉え準備する
・ソファーなどはなるべく布生地のモノは避け合皮等汚れなど拭き取りやすい素材のモノをお選択。
・清掃後は毎回写真撮影し保存しておく(何かあった際のビフォアー・アフター証拠になります)
・「備品・家具類」購入した際の領収書は保存しておく(請求する際の根拠額となります)
・寝具はリース・レンタルにしておく
以上の点は最低限抑えておきましょう。

如何でしたか?
「備えあれば憂いなし」のことわざ通り、事前対策をしておけば不安も軽減できそうですね。
勿論、皆様の状況によって出来る事出来ない事はあるかと思いますが沖縄でこれから宿泊業を検討されている方又は運営中の方へ本記事が少しでもお役に立てれば幸いです。

ここまでお読み頂き有難うございました。
また次回お会いしましょう

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田村浩彦

株式会社One Note営業統括部長
田村浩彦(タムラ ハルヒコ)
東京都出身/沖縄移住歴11年目。
2020年あなぶきグループ入り。
2017年12月「株式会社One Note」入社

【主な業務】
運営代行物件の新規開拓、開業コンサルティング、既存クライアント様ケア、不動産売買仲介、土地建物仕入れ・査定、別荘・留守宅管理業拡販、関連企業様との各種業務アライアンス開拓、
最近は離島宮古島開拓に注力させて頂いております。

沖縄でのリゾート用地、建物又は移住・収益物件お探しの方は田村まで。
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