あなぶきスペースシェアの三輪です。
先日、香川県綾川町西分にある堀池のしだれ桜を見に行ってきました。
すごく大きな1本の桜が民家の庭に植えられているのですが、近くで見ると圧巻でした!
今年はもう葉桜になりましたが、機会があればぜひ来年見に行ってみてくださいね。
さて、前回は民泊の定義と選択肢についてご説明しました。
今回は、その中でも「新法民泊」と賃貸募集の併用について考えたいと思います。
目次
- 「民泊×賃貸」物件のハイブリッド化について
- ハイブリッド運用のメリット
- ハイブリッド運用のデメリット
- まとめ
■「民泊×賃貸」物件のハイブリッド化について
空き部屋の運用方法として挙げられる「民泊」と「賃貸」ですが、これらを併用することを「二毛作民泊」とか「ハイブリッド運用」と呼ばれることがあります。
前回の記事で思い出してほしいのが、「新法民泊」では「年間営業日数は最大180日まで」とされていること。この為、180泊宿泊したら営業ストップです。約50%しか稼働することができません。
そこで、「年間180日は民泊として運用し、残りの期間は賃貸物件として運用する」または「賃貸募集の空室期間をスポットで民泊運用する」ことで、無駄をなくし、出来る限り物件の収益を挙げていこう、というのがハイブリッド運用なのです。
よく耳にするのは、民泊とマンスリーマンションを併用する方法ですが、今回は既存の普通賃貸借用の物件をハイブリッドしていく方法を考えたいと思います。
そもそも、新法民泊の届出を行う住宅は、次のいずれかに該当する必要があります。
①「現に人の生活の本拠として使用されている家屋」
②「入居者の募集が行われている家屋」
③「随時その所有者、賃借人又は転借人の居住の用に供されている家屋」
ということは、前提条件としてオーナー様が賃貸物件を民泊として運用するには、同時募集が絶対必要なのです。
下記のような運用イメージを持っていただけるといいかな、と思います。
尚、お持ちの賃貸物件を新法民泊で運用しようとする為には、「住宅宿泊事業者の届出」と「住宅宿泊管理業者へ宿泊管理を委託」する必要があります。
また、2ヶ月毎に宿泊日数や宿泊者数等を都道府県知事に定期報告をする必要もありますのでご注意ください。
■ハイブリッド運用のメリット
これまでの賃貸募集のみの場合は、空室期間は収益が0円でした。
それが空室期間中に民泊も併用することで、賃貸で空室の場合でも収益を挙げることができるようになります。
また、新法民泊のみで運用しようとしても、新法民泊ですと年間180日までしか運用できないので、なかなか大きな収益にはなりにくいです。
それに、宿泊は多い月や少ない月、極端に言うと宿泊0日の月もあり得ます。
宿泊収入は非常に不安定ですので、賃貸の方で安定した収入を挙げれるようであれば、そちらの方が良いという考え方もあるでしょう。
このように賃貸での空室期間を補填するような民泊運営の仕方が良いのではないか、と思います。
もし、宿泊が高稼働でまわったら・・・
その場合、設定賃料にもよりますが、家賃よりも宿泊料が多くなるかもしれません。
その時は、賃貸募集をストップし、旅館業の簡易宿所で許可をとって、本格的に民泊をするのも検討してみましょう。
その際は、用途地域の確認と建築の用途変更が必要かどうか、物件があるエリアの条例をよく調べることが大切です。簡易宿所営業ができない場合もあるので注意してください!
■ハイブリッド運用のデメリット
デメリットとしては、まず民泊仕様の物件にするために、家具家電などを揃えなければならない事が挙げられます。
部屋の広さや宿泊定員、グレード・デザイン等によって金額は変わると思いますが、民泊の為の投資が必要です。
購入の場合は、初めにまとまった金額が必要ですが、民泊併用の部屋が決まったら、別の空室で民泊するときに使いまわしができます。
初めにまとまった出費をしたくない方や、不要になった際の置き場所に困るような方はレンタルを探してみるのも良いでしょう。
あと考えられるのが、賃貸の入居と宿泊がバッティングしてしまうことやうっかり180日以上の宿泊を受け付けてしまった、ということもあるかもしれませんが、これは空室管理をしっかりしておけばある程度避けられるかなと思います。
尚、マンスリーと民泊のハイブリッド運用の場合は、家具家電がある程度両方で利用可能ですが、1年を半分ずつ上手く切替してやりくりできるかは、運用者のテクニックにかかるところが大きいと思います。
また、これはハイブリッド運用に限らず、全ての民泊物件に当てはまるのですが、近隣住民や他の入居者とのトラブルの可能性がありますので、依頼する管理業者をよく比較検討した方が良いですね。
■まとめ
いかがでしたでしょうか。
新法民泊と賃貸募集の同時運用について考えてみました。
同時募集の場合のゴールをどこに置くか(賃貸で満室にすることか、出来る限り民泊で稼働させるのか、等)をぼんやりとでも考えながら運用してみるのが良いのではないでしょうか。
賃貸メインで考えるのであれば、空室損を少しでも埋めるための運用と捕らえるので良いかもしれません。
まだまだ先例やデータが少ないビジネスですので、まずはやってみて、やりながら考えていく必要があるでしょう。
三輪有香
島根大学卒業後、2009年に入社しました。賃貸物件の仲介営業に4年間従事し企画室へ。1年半の産休・育休を取得後、賃貸事業部に復帰しました。2018年2月1日にあなぶきスペースシェアの設立と共に現在の会社へ。初めて触れるシェアリングエコノミー事業ですが、七転八起で頑張ります。保有資格:宅地建物取引士、管理業務主任者、福祉住環境コーディネーター2級
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