管理規約の工夫も重要!分譲マンションの管理費等滞納の対応策

北條弘城

こんにちは!あなぶきハウジングサービスの北條です。

分譲マンションをご所有されるなかで、「管理費」や「修繕積立金」を負担する義務があります。一般的に両者を合わせて「管理費等」と呼びますが、この管理費等の滞納問題で困っている管理組合も多いのではないでしょうか。

管理費や修繕積立金はマンション管理組合を運営していくにあたり重要な資金源であり、滞納が増える(つまり、管理組合にとって未収入金が増える)ことは管理組合運営に大きな支障をきたすことが考えられるため、滞納者を出さないことが重要です。

今回は管理費等の滞納問題の主な対応方法についてご紹介いたします。

管理費等の滞納はどうして発生するのか

多くの管理組合では、1ヶ月分の管理費等を毎月決められた日付に指定の銀行口座から引き落とされることによってお支払いされていると思いますが、引落日に指定口座が残高不足の場合、管理費等は引き落としされません。
この場合は、残高不足であることに区分所有者が気づかれていなかったケースもよくありますが、経済的状況等により、払いたくても払えないケースもございます。
この最初の滞納の始まりから、気づけば数十ヶ月の滞納に至っているケースがありますので、滞納発生初期の対応が重要となります。

 

滞納が長期化した際に発生する問題

管理費等の滞納が長期化してしまった場合、管理組合としては修繕計画に狂いが生じてしまう恐れがあります。
管理費等の滞納により資金が足りず、大規模修繕工事などの大きな修繕工事の実施時期を、本来実施するべき時期から先送りしなければならないなどの最悪のケースが発生することも考えられます。
これはたった一人の滞納でも、金額が積み重なれば大きな影響を及ぼします。

 

滞納者への対応の流れ

長期滞納者を出さないためには初期の対応が非常に重要となりますので、滞納者への対応の流れをご紹介します。

①書面、電話、訪問による督促

第一段階としては、管理会社から滞納している住戸に対して、書面にて通知いたします。この督促は、比較的滞納日数や滞納金額が少ない方に適用することが多くあります。
書面や電話で連絡がつかない場合には、実際にご自宅まで訪問することもあります。
残高不足や支払い忘れの場合、連絡さえ取れれば問題なく支払っていただけることがほとんどですが、なかなか連絡が取れない場合には、支払うことができないケースが考えられるので要注意です。

②駐車場等の契約解除、内容証明郵便の送付

数ヶ月経過しても支払いがされない場合は、駐車場等の解約を通知することも一つの方法です。
ただし、この場合、管理規約や駐車場使用契約書に「管理費等を〇ヶ月滞納した場合は駐車場の契約を解除する」などの条文を予め定めておく必要がありますので、ご確認ください。
また、内容証明郵便を送付し、今後支払いがないようであれば法的措置に移行する旨を記載することで、管理組合の本気度を伝えることができるので一つの有効な手段となります。

③法的措置

それでも支払いがない場合には、法的措置を検討する必要があります。主な方法は以下のとおりです。

支払督促

支払督促とは、管理組合などの申立人による申立てのみに基づいて簡易裁判所の書記官が滞納者に対して金銭の支払いを命じる制度です。裁判所へ出向く必要もなく、費用も法的手段の中でも低額でやりやすい方法です。
支払督促を無視した場合、財産の差し押さえが可能となりますが、支払督促が届いてから2週間以内に督促異議の申立てがなされた場合には、自動的に通常の訴訟手続きに移行することとなります。

少額訴訟

少額訴訟とは、60万円以下の金銭支払い請求に限り可能な訴訟になります。通常訴訟に比べ、手続きおよび判決が簡易であり、判決や和解で決まったことに従わない場合は、強制執行の申立てが可能になります。

ただし、これらの法的措置を行い、強制執行にて債権を回収しようとしても、より順位の高い債権者がいる場合、「無剰余取消」となり、裁判所に申立てを却下される場合がありますので、ご注意ください。

※「無剰余取消」とは・・・債権者が債権が回収できる見込みのない申し立てを取り消す制度

 

管理規約の工夫

滞納者に対する対応方法についてご紹介いたしましたが、法的措置を行うにはやはり費用が発生します。
そのため、予め管理規約に、滞納した管理費等を裁判手続き等により請求する場合にかかる弁護士費用等を滞納者が負担する旨を規定しておくことをおすすめします。
また、滞納時のペナルティとして、遅延損害金を定めておくことも一つの有効な手段となります。

 

まとめ

昨今の経済状況も関連し、管理費等の滞納問題に直面している管理組合も多いのではないかと思いますが、本問題については初期対応が非常に重要となってきます。
管理組合運営に支障をきたさないようにするためにも、管理会社としても、滞納者が発生しないように、予防策の提案や滞納時の初期対応等について全力でサポートいたしますので、何かお困りの際にはお気軽にご相談ください!

 

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北條弘城

あなぶきハウジングサービス
北條 弘城(ほうじょう ひろき)

香川県高松市出身。2019年入社。

入社をしてから分譲マンションの管理担当(フロント)として、管理組合様のサポートをさせていただいております。
これまでの経験をもとに、管理組合運営に関する情報を中心に発信して参ります!

保有資格:管理業務主任者
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