入居者の安否確認について~分譲マンション理事長・役員向け~

こんにちは。あなぶきハウジングサービス 綾部です。

今回のテーマは分譲マンションにおける入居者の安否確認です。
昨今では特に高齢者の孤独死がニュースで取り上げられることが多いですが、同じマンション内に住んでいても他住戸内の異変にはなかなか気が付かないものです。気が付くきっかけとして多いのは、マンション管理会社に「独り暮らしの息子と連絡が取れない」「従業員の無断欠勤が続いており音信不通である」等入居者の親族や知人の方から問合せがある、マンションに勤務する管理員が異変(最近姿が見えない、異臭がする等)を察知する等で、よくよく確認すると、長期外出していた、入院していた等存命であるケースも多いのですが、残念ながら部屋の中で亡くなっていることもあります。
そのような場合、マンション管理組合としてどのように対処すればよいか、特に理事長・役員の方に向けに説明したいと思います。

【まずは情報を集める】

当然、住戸の中(専有部分)は原則として部外者が無断で立ち入ることができません。入居者がどのような状況下にあるかも分からないので、管理会社と協力して、まずは可能な範囲で情報を集めましょう。考えられる手段としては次のようなものが挙げられます。なお、入居者のプライバシーに配慮して、管理会社・理事長・役員等限られた人の中で話を留めた方が良いと思われます。

・管理員に状況を聞く
・対象住戸の様子を外部から窺う(異臭・虫の発生がないか、窓が開け放しでないか、エアコン室外機がずっと稼働していないか等を可能な範囲で)
・集合郵便ポストの滞留状況を確認する
・管理費等の滞納状況を確認する  等

 

【緊急連絡先へ問い合わせる】

次に、その入居者に関する本人以外の連絡先(親族、勤務先等)が分かればそこに連絡し現状を伝え、室内の確認を依頼します。また、その他に、特に一人暮らしの高齢者や障碍者等の場合、その地域の民生委員が状況を把握していることがありますので、役所に問い合わせれば対応を依頼できるかもしれません。

 

【やむを得ず入室する場合は警察に立会を依頼する】

異臭・虫が発生している等明らかに異変が生じているのに、前述の手段を講じても対応が望めずやむなく管理組合が対応する場合は、次の手配を行なってください。

①警察へ連絡し、状況を報告して立会を依頼する
②玄関扉鍵の破壊を鍵業者へ依頼する(鍵業者は原則として警察の立会がないと鍵破壊をしてくれません。また、費用は一旦管理組合が支払い、その後親族等が見つかればそちらに請求することになります)

なお、警察に立会を依頼せずに入室し、もし入居者が室内で亡くなっていた場合、貴方が第一発見者になり警察による聴取を受ける等多くの手間と時間がかかってしまいますし、入居者が無事であったとしても不法侵入だと責められてしまうおそれがあります。警察に最初に入室してもらえばそうしたリスクを回避できます。

【まとめ】

いかがでしたか?日本で今後も高齢化と未婚化が進むと残念ながらこうした問題がより多く発生すると思います。

※内閣府HPより

もちろん発生しないのが一番ですが、万が一に備え、対応方法を把握しておけば慌てずに済みます。
また、問題発生を未然に防ぐため、普段から各世帯の緊急連絡先を把握しておく、マンション一括で警備会社のホームセキュリティーサービス(専有部鍵預り有り)に加入する等の対策も有効かと思います。一度、貴管理組合で検討されてはいかがでしょうか。

The following two tabs change content below.

綾部 祐太

あなぶきハウジングサービス 東日本支社 分譲管理事業統括
綾部 祐太(あやべ ゆうた)
東京都出身。2013年入社。
入社から現在まで一貫して分譲マンション管理業務に従事しています。
日々の業務を通じて培った知識や経験をもとに、皆様がより快適なマンションライフを送ることができるよう、有益な情報を発信してまいります。
保有資格:管理業務主任者、宅地建物取引士
  • twitter
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

ブログの読者になる

ブログの読者になると新着記事の通知を
メールで受け取ることができます。
読者登録はコチラ

最近書いた記事

関連の記事

  • facebook
  • feedly
  • rss
backtotop