ご存知ですか?あなたのマンションで4K放送が視聴できるかの簡単な見分け方について

和田典久

こんにちは。あなぶきコールセンターの和田です。
当センターでは月間で約7,000件の様々なお問合せ・ご相談・ご依頼を受け付けています。
その内容は、マンションライフに関わることから、少し離れた内容まで多岐にわたりますが、その中から、皆さんが関心がありそうなこと、知っていそうで意外とご存じ無いこと等々を取りまとめて発信していきたいと思います。どうかお付き合いください。

今回のテーマは、『ご存知ですか?あなたのマンションで4K放送が視聴できるかの簡単な見分け方について』です。
さて、皆さんは【4K放送】と聞くとどんなイメージですか?「これまでのハイビジョン放送よりもさらに画像が美しくなると勧められて、最近うちも4K対応のチューナー付テレビに買い替えたよ」という方もいるでしょうし、「聞いたことはあるけど実は何だかよく解からない」という方も多いと思います。

4K放送は2016年にNHK-BS放送で試験放送が始まり、2018年12月1日からいよいよ実用放送が開始されました。 最近の家電量販店のテレビコーナーに並んでいる新型テレビは、ほとんどが4K対応チューナー付きテレビでしょうから【4K放送】という言葉自体はご存じの方が多いですよね?

ではここでクエスチョン。「4Kって一体何の略でしょうか?」 皆さんご存知でしたか?
【4K】とは横3,840×縦2,160の約829万画素あり、従来のハイビジョン放送の4倍の画素数があります。また横の画素数が約4,000あることから「4K(1Kは1000の意味)」と呼ばれるようになったんですよ。
さあ今回のブログでは ”知っている様で詳しいことはよく解からない”4K放送に焦点を当てながらお話を進めたいと思います

 

Ⅰ.4K放送って一体何なの?

高画質で高音質な放送

テレビ映像の美しさは画素数が鍵を握っています。4Kは従来のハイビジョン放送の4倍の画素数!よりキメの細かい映像表現になります。また音響の方も5.1チャンネルのサラウンドで臨場感のある包み込むような音響になるそうです。映画やスポーツ観戦、2020年の東京オリンピックも4Kで視聴するとより楽しめそうですね。

4K放送は地上波ではなく衛星放送で受信します

このタイトルを読んで「え?そうなの?」と驚いた方も多いかも知れません。意外に多くの方が(実はつい先日まで私自身も)勘違いをされているのですが、地上波放送は現時点では4K化されていません。4K放送が始まったのは衛星放送なんです。
従って4K放送を視聴するためには、4K放送対応のチューナー付きテレビに買い替えるとともに、衛星放送を受信できる設備(パラボラアンテナなど)が必要です。
また、現在衛星放送を受信できる設備があっても全ての4K放送が受信できるとは限りません。4K放送は既存の衛星放送とは異なる周波数の電波で送信されるためです。最近建築されたマンション(概ね2017年以降に竣工)は4K放送に対応した設計がされていると思われますが、総務省の推計によると『4階以上の集合住宅の70%以上が現在の設備に何らかの改修が必要になる』そうです。この辺りは段落を別にして紹介します。

特別な受信料は掛かりません

高画質で高音質な4K放送だからNHKの受信料も加算されるのでは?と疑問に思った方も多いと思いますが、現行の衛星放送受信料を支払っていれば、4K放送のチャンネルを受信したからと言って受信料の加算はありません。民放も同様です。有料の映画やスポーツ専門のチャンネルについてはそれぞれの放送事業者へご確認下さい。

Ⅱ.4K放送ってどうやって受信するの? 

一番気になるのは受信の仕方ですよね。先程チラッとご説明した通り、新築マンションに住む方は別として、既存のマンションで4K放送を受信するには、単にテレビを買い替えただけでは駄目なケースが多いのです。

出典:一般社団法人 放送サービス高度化推進協会 「マンションで受信するには?」

上記の資料によると、全ての4K放送を視聴するには受信設備の改修が必要ですが、『現在の受信設備のままで視聴できるチャンネルがあります』と書かれています。これだけ読むと「ああ、うちのマンションは今も衛星放送が映ってるから大丈夫だな」となりそうですが、実はそう簡単ではないんですよね。

あなたのマンションで4K放送が視聴できるかの簡単な見分け方

詳しく理由を説明しようとすると、それだけで一つのブログのテーマになってしまうので、「あなたのマンションで現在の受信設備のままで視聴可能な4K放送があるか」の簡単な見分け方を結論からご紹介します。

それは①【BS/110°CS】対応のパラボラアンテナが設置されているか否か、②マンションに配線されている同軸ケーブル(S-5C-FB以上)、ブースター(電波増幅器)、分配器等が【2,150MHz】まで伝送可能であるかで判断できます。
これだけでは「そんなこと言われても屋上のアンテナの種類なんて知らないよ」「2,150MHzまで伝送可能かなんて誰に聞いたらわかるの?」となりますね。

ズバリ!あなたのマンションが上記の判断基準に該当しているか否かの簡単な確認方法は下記の通りです。
まずはテレビの「リモコンのBSボタン」を押して「BS258:Dlifeチャンネル」を見ることができますか?
また、テレビの「リモコンのCSボタン」を押して「スカパー・CS161、QVCチャンネル」を見ることができますか?
これらが現在受信できていれば、現在の受信設備のままでも4K放送は視聴できると判断します。なお、重ねての説明になりますが、全ての4K放送を視聴するには受信設備の改修が必要になるでしょう。また、ここまではパラボラアンテナを使った受信の説明になりましたが、ケーブルテレビで4K放送を受信できる場合があります。

<参考>どうしてDlifeで受信可否が判断できるのか?

衛星放送(BS放送)は元々BS1からBS15までチャンネルがありましたが、2011年にBSデジタル放送のチャンネルが、それまでのチャンネルの上側に追加されることとなりました。これをBS拡張チャンネル(BS17,19,21,23)」といいます。
ディズニーの無料衛星放送チャンネルの【Dlife】はこの時に始まった放送サービスで、既存の衛生放送よりも高い周波数帯の電波で送信されます。【Dlife】が映っているかを確認することで、あなたのマンションの受信設備が「BS拡張チャンネル」の受信に対応できているかを確認している訳です。

Ⅲ.受信できない場合の改修工事はどうなるの?

先の見分け方で、残念ながら今の受信設備のままでは4K放送は視聴できない解かった場合や、概ね2017年よりも古いマンションで全ての4K放送を視聴したい場合には、マンションの設備改修工事が必要になります。
共聴設備(パラボラアンテナ、ブースター、分配器)だけでなく、お部屋内のテレビの壁の差込端子や同軸ケーブルも4K対応のものに取替が必要になる大掛かりな工事です。4K放送は従来よりも高い周波帯域(3,224MHz)となるため、伝送路のケーブル長が長くなると受信電波を伝送できない可能性があります。これまでよりブースターの設置台数を増やしたり光ファイバーによる配線工事が必要になる可能性もあるようです。

分譲マンションの場合は専門の工事業者で見積りを取り、管理組合の総会で可決承認を得て工事発注することになります。このため管理組合の対応が遅れると、4K放送を見たいがために「総会を待っていたら東京オリンピックに間に合わない!そうだ、ベランダに勝手にアンテナを設置してしまおう」なんて方も居られるかも知れませんが、これは要注意です。ベランダへのアンテナの設置は管理規約などで制約を設けている場合が多いためです。管理会社に相談のうえ、その回答に従って下さい。

Ⅳ.まとめ

いかがでしたか?家電量販店の広告や店頭のポップ等を見ると「現在、衛星放送を見られているなら、今の設備のままでも4K放送を視聴できますよ」等と書いてあったりするのですが意外と複雑なのです。
いずれにせよ改修工事が必要なケースが多いので疑問点があれば早めに管理会社・管理組合にご相談されることをお勧めします。

 

 

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和田典久

あなぶきハウジングサービス 和田 典久(わだ のりひさ)

香川県高松市生まれ。早稲田大学法学部卒。
学生時代は弁護士を志すも夢破れて帰郷し、2001年に入社。最初の配属は賃貸事業部。
高松で賃貸仲介を4年、広島でPM業務を5年務め、2010年12月よりあなぶきコールセンターで全国からのお客様の声に向き合う。
2021年7月からは事業推進本部 業務推進課で分譲・賃貸・CX・コールセンターとも連携した全社的な業務推進を進めていく。
このブログでは、これまでの現場経験を生かしてお役立ち情報を発信していきたいと思います。
珈琲と旅行をこよなく愛する、最近メタボ気味な48歳。

【保有資格】宅地建物取引士 管理業務主任者 賃貸不動産経営管理士
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