マンションの共用部扉で締め出された時に慌てずに済む対処法について

和田典久 和田典久

こんにちは。あなぶきコールセンターの和田です。
当センターでは月間で約7,000件の様々なお問合せ・ご相談・ご依頼を受け付けています。
その内容は、マンションライフに関わることから、少し離れた内容まで多岐にわたりますが、その中から、皆さんが関心がありそうなこと、知っていそうで意外とご存じ無いこと等々を取りまとめて発信していきたいと思います。どうかお付き合いください。

今回のテーマは、『マンションの共用部扉で締め出された時に慌てずに済む対処法について』です。
マンションには複数の出入口が設けられているのが一般的ですよね。正面のエントランスホールの出入口はオートロックになっていて鍵や暗証番号、または専用の解錠タグがないと開かない場合が分譲マンションには多いでしょう。また駐車場や駐輪場から館内に出入りするために通用口が設けられていて、その扉は外から館内に入るには鍵が無いと開けられないケースがほとんどと思います。駐車場などに面した外階段の出入口扉も同様です。

この時に、うっかり鍵を持たずに外へ出てオートロックで締め出された経験や、オートロックが故障して開かなくなった経験、あるいは扉に挿した鍵が抜けなくなって中に入れなくなった経験をお持ちの方はいらっしゃいませんか?
経験された方はお解かりと思いますが、皆さんどうすれば良いのかとっさに解からなくてパニック状態で当コールセンターへお電話頂くケースが後を絶ちません。今回は当コールセンターで実際に受け付けた問合せ事例を中心にこのような場合の対処法についてまとめていきます。

 

Ⅰ.鍵を持たずにオートロックで締め出された場合

これが一番誰にでもありがちなケースでしょう。暗証番号で開錠できるオートロックであれば締め出されることは無い訳ですが(暗証番号を失念しない限り)、知らず知らずのうちに誰かが暗証番号を漏らしてしまうケースがあるので、防犯上の観点から暗証番号は管理会社や警備会社が業務目的でしか使用せず、入居者の方にはお伝えしない運用のマンションは結構多いです。

オートロック鍵を持たずにうっかり外へ出て締め出された場合、一番最初に思いつく方法は『他の入居者が出入りするまで待つ』でしょうね。日中であればこの方法が最も手っ取り早いです。但し不審者と間違われないように十分ご注意ください。

また、オートロックは部屋内から解錠できるので、同じマンションに知り合いが住んでいたら『インターホンで部屋番号を押して呼び出し、事情を説明して部屋内から解錠してもらう』のも一手です。私自身も以前住んでいたマンションで、お隣のご主人に頼まれて中から開けた経験があります。深夜早朝など非常識な時間帯でなければこの方法もお勧めです。

誰にも頼める人がいない場合はどうなるの?

悩んでいても仕方ありません。慌てず騒がずマンションの管理会社にまずはご連絡下さい。営業時間内であれば管理会社のスタッフがマスターキーを持って開錠に来てくれる可能性があります(管理会社によっては出動費用が有償の場合があるので必ずご確認下さい)。
また、警備会社と契約しているマンションであれば、管理会社から警備員を手配してくれるはずです(警備会社の出動費用が有償の場合があるので必ずご確認下さい。経験上は有償の場合でも3,000円程度の警備会社が多いようです)。

なお、管理会社であれ警備会社であれ、開錠の際には免許証などで本当に入居者の方かどうかのご本人確認をさせて頂きますので予めご了承ください。

決してやってはいけない開錠方法

過去に私自身が経験したケースですが、オートロックドアには実は壁面や天井に『非常用の開錠ボタン』が設置されている場合があります(設置は義務ではないので付いてない場合もあります)。救急隊や消防隊などが非常時に鍵を使わなくてもオートロックを開けるための非常装置です。この非常開錠ボタンを押してオートロックを開けてしまう方がいらっしゃいました。

このボタンは非常用なので、一度押すとボタンを戻すまで大音量で警報音が鳴ったり、警備会社が緊急出動したりします。決して手を触れずに、どうしても開錠できない場合は早めに管理会社へご連絡下さい。
管理会社の連絡先は管理員室のカウンターや掲示板などに掲出されている場合が多いですが、いざと言う時に困らない様に手帳に連絡先をメモしたり、携帯電話の電話帳に登録されることをお勧めします。

 

Ⅱ.オートロックが故障して開かない場合

まずは「手動」で開かないか確認してみましょう

オートロックが故障して開かない原因は様々ですが、意図的に電源が切られていて「自動」で開かなくなっているだけの場合がよくあります。引越し作業などでオートロックを開放状態にするために電源スイッチを切った後で、スイッチを元に戻し忘れた場合などが考えられます。この場合はドア自体に手を掛けて動かしてみてください。スーッとドアが開く場合は「手動」になっているだけですから、そのまま出入りできるでしょう。

出典:株式会社アイシン技研-自動ドアの故障対処法

手動で開かない場合は別の出入口へ廻ってください

オートロックの自動ドアが開いたり閉まったりを繰り返している場合は、レールの溝に異物が挟まっていて閉まろうとしても閉まり切らないケースがあります。この場合は異物を取り除けば復旧できます。しかし人の動きを検知するセンサーの故障や、オートロックを動かす駆動部分の故障の場合などはメーカーに点検修理を依頼しなければ復旧できません。分譲マンションの場合は複数の出入口を設けている建物が一般的です。どうしても開かない場合は通用口などに回って出入りして下さい。

別の出入口が無い建物の場合はどうすれば良いでしょうか?

賃貸マンションでは、狭い敷地に建築制限ギリギリまで建物を建てるケースがあります。また市内中心部の単身用マンションでは駐車場を設置していない場合も多いです。この場合入居者様の出入りは正面エントランスホールのオートロックドアだけで通用口が無い場合があります。このような建物でオートロックが故障した場合は、私自身の対応経験上は、オートロックの電源スイッチを切って「手動」で開け閉めするように応急処置をするのが一般的だと思います。通常「電源スイッチ」はオートロックの内側のレール上部に付いています。物理的に外から開けられない場合は建物内に居る方に協力をお願いする場合もあります。

なお、例えば火事が起これば火災感知器が反応して自動で火災警報を発報しますが、オートロックは故障しても自動で警報を発する様にはなっていません。入居者様からの連絡で初めて管理会社も異常に気付くことが出来るので、異変に気が付かれた場合は、仮に「手動」で出入りできた場合でも直ぐに管理会社へご一報頂けると大変助かります。

 

Ⅲ.扉に挿した鍵が抜けなくなって中に入れない場合

落ち着いて鍵潤滑スプレーを試しましょう

パニック度合いでいうと、このケースが一番頭が真っ白になるのではと思います。オートロックのキースイッチや通用口扉・外階段の出入口扉の鍵穴(シリンダー)に住戸鍵を挿したら、鍵は挿さったけれど抜けなくなるという事案です。
鍵がシリンダー内部の部品(ピン)に噛み込んだようになっているので、多少のことならガチャガチャと鍵を動かしたら抜けることもありますが、無理に力ずくで引き抜こうとすると鍵に傷が付いたり、シリンダーを完全に駄目にしてしまいます。
鍵専用の潤滑スプレーがあれば、それをシリンダーに噴射すると滑りが良くなって抜ける場合が多いです。管理員室に常備している場合も多いので、管理員の勤務時間内であればこれを試すのが先決です。

なお、いわゆる【KURE-5-56】のようなスプレーオイルはシリンダーの潤滑には決して使わないで下さい。オイルのベトつきに埃(ホコリ)が付着するとシリンダー内部で固着して逆効果になるからです。必ず「鍵専用」の潤滑スプレーを使いましょう。1本1,000円程度でホームセンターや街中の鍵屋さんでも購入できます。

コピーキーはシリンダーを傷めやすいので要注意

鍵潤滑スプレーを試しても抜けない場合や、休日や夜間早朝などで管理員が居らず、鍵潤滑スプレーも手元に無い場合は、鍵業者を手配することになります。自宅の玄関扉と違ってオートロックや通用口扉は「共用部分」なので、管理会社に連絡して管理会社経由で鍵業者を手配するのが一般的です。(なお、抜けた鍵をお返しする必要があるのと、鍵業者はどなたかの立会いが無いと動いてくれないケースがあるので、管理員が居ない場合にはお客様自身に作業立会いをお願いする場合があります。)

費用負担については、「共用部分」なので管理組合負担(賃貸マンションならオーナー負担)になるのが通常ですが、ここで一点大切な注意事項があります。入居者様の鍵に故障の原因がある場合は、入居者負担になるということです。
もう少し具体的にいうと、入居者様の鍵が変形していた場合が典型ですが、分譲時・入居時にお渡しした純正の鍵を「メーカー以外」の街の鍵屋さんやホームセンターなどで複製した「コピーキー」で開け閉めしていた場合も、入居者負担になる可能性が高いので注意が必要なのです。

実は鍵の複製には2つの方法があります。鍵に刻印されているキーナンバー等の情報をメーカー正規代理店の鍵屋さんに伝えてメーカーで鍵を複製する「取り寄せ」方式と、鍵自体を鍵屋さんに持ち込んで専用の道具を使って「削り出す」方式です。皆さんが鍵の複製と聞いて頭に思い浮かべるのは後者かも知れませんね。それくらい一般的な複製のやり方です(但し、最近の防犯性能の高い鍵は後者の方式では複製できない場合が増えています)。
前者はメーカー純正の複製鍵なので問題ありません。問題は後者です。後者(コピーキー)は持ち込まれた元鍵をなぞって作成するので元鍵と全く同じというわけにはいかず、普通に開閉できていても実は微妙に合っていないことも少なくないのです。このため使い続けることでシリンダー内部を削るなどして傷めてしまうと言う訳です。

当センターでも実際に経験した事例ですが、入居者様がコピーキーを使うために何度も鍵業者を手配する羽目になっているマンションもありました。鍵の複製方法については規約などで制限を設けているケースはほとんど無いと思いますが、ご自身が困るだけでなく他の入居者様の出入りにも支障をきたすので、できればコピーキーの使用はご遠慮いただきたいですし、コピーキーを使用する場合は少しでも引っ掛かる感じがあれば使用を止めるなど気を付けられた方が良いのではと思われます。

 

Ⅳ.まとめ

いかがだったでしょうか?最後まで読んで頂くとお解かりと思いますが「なんだ、今回は当たり前のことばかり書いてあるな」という感じかも知れません。ところが、いざ実際に起こった時には皆さん一瞬パニックになるようです。例えば当コールセンターのオペレーターが「自動ドアを手で引くと開きませんか?」と促して、実際に手動で開錠できたりすると驚かれたりします。
鍵が開かなかったり抜けなくなったりすると誰でも慌てるのは当然ですが、まずはこのブログを思い出して落ち着いて対処してみてください。そしてご不安の場合は遠慮なく管理会社にご相談頂ければお手伝いさせて頂きます、よろしくお願い致します。

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和田典久

和田典久

あなぶきコールセンター 和田 典久(わだ のりひさ)
香川県高松市生まれ。早稲田大学法学部卒。
学生時代は弁護士を志すも夢破れて帰郷し、2001年に入社。最初の配属は賃貸事業部。
高松で賃貸仲介を4年、広島でPM業務を5年務めて、2010年12月より現職。
現場経験を生かして、北は北海道、南は沖縄まで全国に展開するお客様からの問合せに自ら対応しつつ、センターのスタッフに指示を出す日々です。
このブログでは、実際にセンターへの問合せが多い内容を中心に、お役立ち情報を発信していきたいと思います。
珈琲と旅行をこよなく愛する、最近メタボ気味な45歳。

【保有資格】宅地建物取引士 管理業務主任者 賃貸不動産経営管理士
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