地震時に火災を防ぐブレーカー(感震ブレーカー)

飯野琢磨

こんにちは、あなぶきセザールサポート飯野です。

本日はお部屋のブレーカーについて説明します。

大地震が発生したとき、ガスの元栓を閉めてブレーカーも切ってから避難しなければならないことは知っていますよね?

火災防止のためにガスの元栓を閉めなければならないことは想像しやすいですが、なぜブレーカーも切らなければならないのかわかりますか?

たとえば電気ストーブをつけていたり、アイロンをかけていたりしたときに、地震で停電となり、そのままブレーカーも落とさずに避難したとして、避難先で停電が復旧して自宅の電気ストーブや使用中のアイロンの電気が入ってしまったとき、近くのものに燃え移って火事が発生します。

大地震における出火原因の60%以上は電気火災と言われています。

これを防ぐために地震時はブレーカーを落とさなければならないのです。

しかし、大地震発生時はパニックとなり落ち着いた対応ができない可能性もあります。そんな時に自動でブレーカーを落とすものがあると安全ですよね?本日はそのブレーカーを自動的に落とす装置についてご説明します。

目次

  • 感震ブレーカーとは
  • 簡易タイプの感震ブレーカー
  • 分電盤タイプの感震ブレーカー
  • 分電盤の耐用年数と交換時期
  • まとめ

 

 

・感震ブレーカーとは

地震時にあらかじめ定められた揺れを感知した場合に自動的にブレーカーを落とすことで電気の供給を遮断する装置のことです。内閣府の「大規模地震時の電気火災の発生抑制に関する検討会」により定めた基準を満たした装置であり、今や首都圏を中心に多くの自治体が設置を促す取り組みを始めています。

 

・簡易タイプの感震ブレーカー

インターネットやホームセンターで購入できて、一人で取り付けられる便利な商品です。

ばねや重りの力で物理的にブレーカーを落としてくれます。またお値段も数千円とお手軽です。ただ1点心配なのは、地震の揺れで赤い玉が落ちた瞬間に電気がすべて消えてしまうことです。

もし夜中に地震が発生した場合、電気も急に切れたらパニックになりますよね?

地震発生時に部屋の状況確認と荷物をまとめる数分間、電気は点灯していて欲しいと思います。

 

・分電盤タイプの感震ブレーカー

これは分電盤ごと交換して設置するタイプの感震ブレーカーです。

分電盤に内蔵されたセンサーが揺れを感知し、ブレーカーを落とすため建物からも安全に避難することができます。

ただしこれは電気工事が必要なため、標準的なものでも約5万円~8万円程度はかかります。

また、現在自宅についている分電盤を交換しなければならないのでなんだかもったいない気もしますね。

 

・分電盤の耐用年数と交換時期

分電盤も電気製品のため寿命があり、古いものを使用し続けているとさまざまなリスクが伴います。古い分電盤は今回ご紹介した地震後の二次火災や漏電時による感電、家電製品の破損の原因にもなるため、定期的に分電盤の見直しも必要と思われます。

耐用年数は約13年~15年程度といわれ、長く使い続けると経年劣化にともない発火に至るおそれがあります。また30年以上経過すると異常電圧が流れることで家電製品の故障なども引き落とし電気製品からの発火につながる事例も発生しています。

 

・まとめ

自宅の分電盤が比較的新しい場合は簡易タイプのものでもいいかと思いますが、長年交換していないようであれば、安全性にも考慮しぜひ分電盤タイプの感震ブレーカーへの交換も検討してみましょう。

分電盤は専有部のため交換費用は所有者の負担により行うことになりますが、マンション全体でまとめて実施することにより安価となることもあります。また自治体によっては助成金を出しているところもありますので交換検討の際はぜひ管理会社へ一度お問い合わせをされることをお勧めします。

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飯野琢磨

あなぶきハウジングサービス 飯野 琢磨(いいの たくま)
前職では大工や建築積算を経験。入社後、マンション修繕工事のコンサル業務、分譲マンションのリプレイス営業、分譲マンションのフロントを経験。
マンション管理のことについてはもちろんのこと、リフォームやリプレイスなどさまざまな視点から幅広い情報を提供します。
所有資格:一級建築士・マンション管理士・管理業務主任者・宅地建物取引士
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