こんにちは、あなぶきクリーンサービスの福山です。
ホテルやマンションのベランダ等には避難器具が取付けてあります。
避難器具がある事を知っていても使用方法を知っている方は少ないのではないでしょうか。
今回は避難器具についてお話したいと思います。
避難器具の必要性
2方向避難規定により階段だけでは条件を満たすことが出来ない場合に避難器具を用いて避難経路を確保します。
消防法にて建物の階数、用途、収容人数などで避難器具の設置の要否や設置個数が決まってきます。
火事や災害が発生した際に全員が安全に避難できるように用途にあった様々な避難器具が設置してあります。
マンションによっては消防法などの条件を満たして避難器具が設置してない所もありますので「うちには避難器具が無い!」と心配されなくても大丈夫ですよ!
避難器具の種類
一番最初に思いつくのは避難はしごかと思いますが他にも様々な種類の避難器具があります。代表的な避難器具としては以下のものがあります。
・避難はしご・・・固定はしごから降下したり、つり下げ梯子を下ろして避難します。
・緩降機(かんこうき)・・・使用者の自重によって自動的に連続交互で降下します。
・救助袋・・・窓やバルコニーから使用者が袋の中を滑り降ります。
・避難器具用ハッチ・・・上蓋を開いてハッチを降下させて避難します。
マンションに一般的に設置してある避難器具は「避難器具用ハッチ」になります。
今回は避難器具用ハッチの説明をさせて頂きます。
避難器具用ハッチの点検方法
消防設備点検を実施する際にはベランダに避難器具ハッチがあるお部屋に入室させて頂いて避難器具ハッチの点検をさせて頂いています。
皆さんが安全に使用出来るように点検表を元に抜けが無いように点検しています。
・避難器具ハッチを操作する際に周辺に支障が有る物は無いか?
・はしごを降下させる空間や降下位置に障害となる物が無いか?
・はしごの巻上げ・降下の機能に異常は無いか?
・ハッチの上蓋、下蓋、本体などに著しい錆や腐食は無いか?
・ハッチの標識、使用方法の表示に問題無いか?
おおまかですが以上の事を点検しています。
消防設備士甲種5類・乙種5類、第2種消防設備点検資格者を所持した者が責任を持って点検実施していますよ!
どんな不良があるの?
点検を実施していると様々な不良があります。
避難はしごの標識が経年劣化で見づらくなったり、避難器具ハッチの上に物が置いてあったりなど様々です。
意外と避難はしご本体の不良は殆どありません。
少し前まではスチール製の避難器具ハッチの上蓋や下蓋が腐食して不良になる事はあったのですが、最近はステンレス製に変わっていますので錆に強い為、滅多に不良に上がりません。
何が一番不良が多いのかと言うと「降下不良」が一番になります。
はしご降下位置に物干し竿が干渉したり、洗濯物が置いてあったり、動かすのが難しい物品があったり室外機があったりと様々です。
特に天気がいい日には洗濯物による降下不良が多いです(笑)
緊急時に動かせる物は動かして避難が可能なので大丈夫と判断する事もあるのですが、物干し竿などははしご自体の降下が不可能となるので気を付けて下さいね!
避難器具ハッチの使用方法
ベランダに避難器具ハッチがあるけど使用方法は知らないという方は意外と多いのではないでしょうか?
壁や本体に使用方法のシールやプレートが貼ってありますので今一度御確認してみては如何でしょうか?
メーカーによって若干異なる場合がありますのが大体の流れは以下の通りになります。
- 避難器具ハッチの上蓋が固定されるまで完全に開ける
- 降下位置に人が居ないか安全をであるかを確認
- はしご解除レバーを押す
以上になります。順に説明しますと、
・ハッチの上蓋を開けると下蓋も連動して開きます。新しいハッチになるとチャイルドロックが付いていますので先にチャイルドロックを外す必要があります。
・降下位置に人が居ると怪我に繋がる恐れがありますので安全を確認して下さい。
・はしご解除レバーは「押す」と書いてあったり、レバーの色が違ったりして一目で分かるようになっています。押すとロックが解除され一気にはしごが降下します。
・上蓋が固定されていますので上蓋を持ちながら安全に降下して下さい。
点検時に「お年寄りや子供が使用するのは難しいのではないか?」と聞かれる事があります。
火災時などは基本的には玄関から避難するのが一番です。次にベランダからお隣のお部屋に隔壁板を破って避難です。避難はしごは最終手段と思って下さいと伝えております。
あくまでも2方向避難規定に対応する為に避難器具がありますので避難器具に拘らずに一番手っ取り早い方法で避難して下さい。
地震で玄関が歪んで開かなくなった為に避難器具で降下して避難するという事もありえますので避難器具の使用方法を覚えて非常時にも安全に行動出来るようになりましょう!
まとめ
避難器具などは使わないまま役目を終ってくれるのが一番良いのですが火事や震災は突然発生します。
自分自身や大切な人を守る為にも避難器具だけでなく、安全な避難経路の確認や非常時の行動をご家族で話し合ってみてはどうでしょうか?
私達も皆さんの命や財産を守れるよう抜けが無い点検を日々実施して参ります!!
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