あなぶきハウジングサービスの北原です。
皆様のマンションでは、管理組合の役員は、どのように決めていますか。一番多いのは、輪番制ではないでしょうか。そうなると理由もなく就任辞退はできないかと思います。役員として知っておきたいマンションルール特集の中で、今回は役員になって最もかかわりのある「理事会」について記載させて頂きます。
尚、前号までの記事は、以下をクリックしてご覧ください。
→分譲マンションで役員が知っておきたいマンションルール|管理規約① (管理規約とは、バルコニーの管理)
→分譲マンションで役員が知っておきたいマンションルール|管理規約② (管理費、修繕積立金)
→分譲マンションで役員が知っておきたいマンションルール|管理規約③ (管理組合の役員)
→分譲マンションで役員が知っておきたいマンションルール|管理規約④ (総会)
目次
- 理事会の招集と議事
- 議決事項
- 専門委員会
- まとめ
理事会の招集と議事
まずは、標準管理規約の規定にそって記載します。
理事会は、理事をもって構成します。即ち、理事会の出席対象者は、原則理事です。理事長・副理事長・理事が該当します。原則と表現したのには理由かあります。一つ目は、監事の出席。(監事には意見陳述権があります。)次に代理出席。(配偶者、一親等の親族が代理出席できます。)それから利害関係人・管理会社社員等も出席して、発言・アドバイス等が可能です。
通常は理事会の招集は、理事長が行います。また、他の理事の同意を得て招集請求により開催することもできます。
理事会の開催頻度は、区分所有法にも標準管理規約にも取り決めはありません。毎月実施するマンションもあれば、年間2回・3回という例もあります。後述の議決事項に記載していますが、総会への提出議案を決めるのが理事会ですので総会開催の前には実施が必要です。
理事会の会議は、理事の半数以上が出席しなければ開くことができず、その議事は出席理事の過半数で決するようになります。理事会の場合総会のように「全員の書面による合意」という制度はありません。必ず会の開催が必要です。例外として、「専有部分等の修繕等」「敷地及び共用部分等の管理」「窓ガラス等の改良」における承認または不承認のついてのみ理事の過半数の承認があれば、理事会の開催を要せず書面決議等できます。
議決事項
次に掲げる事項が理事会議決事項となります。
① 収支決算案、事業報告案、収支予算案、事業計画案
② 規約及び使用細則等の制定、変更または廃止に関する案
③ 長期修繕計画の作成または変更に関する案
④ その他の総会提出議案
⑤ 「専有部分等の修繕等」「敷地及び共用部分等の管理」「窓ガラス等の改良」における承認または不承認
⑥ 未納管理費等の請求に関する訴訟その他法的措置の追行
⑦ 違反者等に対する理事長の勧告または指示
⑧ 総会から付託された事項
⑨ 災害時で総会が開催困難な場合の応急的な修繕工事の実施とその場合の資金借り入れと修繕積立金の取り崩し
どのようなことが、総会決議を必要とするのか、または理事会の決議で良いかという判断はやはり難しいと思います。前回の管理規約④(総会)の記載と上述の内容を対比ご確認ください。
いつも申し上げることですが、管理会社担当社員にご相談いただくことが近道です。
専門委員会
マンションでは、特定な課題を調査・検討する「専門委員会」を設置すりことがあります。その設置は理事会が行い、その責任と権限内で行います。
代表的な専門委員会が、「大規模修繕工事検討委員会」「長期修繕計画書策定委員会」等があります。長期的にまた専門的に調査・検討を行うので委員会のメンバーは、理事長・理事よりも専門的な知識が豊富で、強い発言力を持っている例が多いようです。但し。組織の成り立ちとしては、専門委員会は、理事会の下部組織であり、検討結果を必ず理事会に具申する立場になります。
まとめ
今回は、理事会について、標準管理規約の解釈を前提として記載してきました。
マンションでは、日常生活でのマナー・ルールに起因するトラブルがいろいろな場面で聞こえてきます。
我々管理会社(担当社員・管理員)と理事長さんの判断で解決(決定)できないことが多くあります。また、役員を引き受けた場合、その立場上一般の入居者さんから管理上の相談を受けることもあろうかと思います。
そのような時、理事会での協議決定がとても有効になります。役員をお引き受け頂いたときは、理事会へに出席とご協議への参加等どうぞ宜しくお願いします。
北原浩二
あなぶきグループ入社一筋。戸建住宅販売・不動産売買仲介・ホテルフロント・ 賃貸仲介・分譲マンション管理・コールセンターの仕事を経験した後、現在はグループ全社のCS推進、ISO認証維持を担当する部署(CS推進室)に所属しています。特にISO認証維持については、品質・環境・情報セキュリティ各分野で社員教育・指導も担当しています。
昨年より、グループが経営する専門学校の不動産ビジネス課で教壇にもたっています。
保有資格:マンション管理士
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