大規模修繕工事のアレの後の工事について～下地補修工事～

はじめまして。あなぶき建設工業の朝野です。
九州の福岡で大規模修繕工事の工事監理を行っています。
入社するときに、修繕工事のイメージが湧かず、どんな工事をしているんだろう。と感じていました。
ですので、もうすぐ大規模修繕工事が始まっちゃうけど、何を準備したらいいのかわからない！

大規模修繕工事って何のためにするの？大規模修繕工事までにする準備は？工事期間は？
などなど、入社して1年目の目線で大規模修繕工事について記事にしていきたいと思います。

今回は、大規模修繕工事の「下地補修工事」について記事にしたいと思います。

1. はじめに
2. 下地補修例
- 2.1. ①爆裂補修
- 2.2. ②ひび割れ補修
3. さいごに

はじめに

私が経験した大規模修繕工事ではありがたいことに、マンションに住まわれている方からは、
「塗装の色が変わって格好良くなったね！」や、
「キレイにしてくれてありがとう！」などお褒めの言葉やご感想の声を頂きます。
感謝のお言葉は本当にありがたいのですが、これは塗装の塗替えや
汚れを落とす洗浄工事であり、大規模修繕工事を行う中でも表面的な内容になります。

今回、記事にする下地補修工事とは、タイルを貼っているところや、
塗装されている表面的なところではなく、それらをより良く仕上げるためにその基盤(下地)を作る、
または作り変える工事(表面には見えない工事)になります。
施工会社が工事の中でも、より力を入れている工事でもあります。

マンションの大規模修繕工事が始まると、「マーキング調査」と呼ばれる調査が行われ、補修箇所をどのような補修で行うかの選定が実施されます。
※マーキングについての詳細は、前回の記事『マンション大規模修繕工事で見かける「アレ」について解説～マーキングとは～』をご参照ください。

その後、実際に補修工事に取り掛かるのですが、
適切な下地の補修がされているかどうかで、タイルを貼り付ける際の密着性の良し悪しが決まり、補修後に年数が経った際にタイルの浮きが発生が減らすことができたり、
塗料(ペンキ)の均一な塗布ができたりできなかったり、
平滑な箇所ではデコボコになるなどの、表面の平滑性などに大きな影響を与えます。

下地補修例

実際に施工している状況をいくつかご紹介したいと思います。

①爆裂補修

爆裂部分を補修しないで放置していると、コンクリートの中にある鉄筋がサビて膨張してしまい、さらなるひび割れや欠落が起こります。
そうすると、建物自体の強度が低くなり倒壊などのリスクが大きくなります。

また、仕上げ工事でよりキレイに仕上げるために処置をする必要があります。
このようなところをキレイに塗装で仕上げを施すことが難しいのは容易に想像がつくと思います。
作業手順としては、ケレン(鉄筋の表面に付着するサビなどの除去)をおこない

防錆材を塗布して、防錆処理をします。

最後に補修材での埋め戻し作業を行います。

これで補修完了です。

爆裂部分の補修は以上になります。
最初の写真と最後の写真で、見比べると下地補修工事を実施することで
仕上げ工事がよりキレイにできるかはわかりますよね！！！

②ひび割れ補修

ひび割れ部分の補修では、Uカットシール材充填工法をご紹介します。

まずはひび割れ部分とその付近の不健全箇所を除去(U字型にカット)します。

次にカットした箇所には粉塵などがたくさん残るため、それらの除去を行うためにブロワーで飛ばし、清掃を行います。

次にカットした箇所にプライマーを塗布してシール材を充填させます。この材料は防水性能があるため水気の浸入を防止してくれます。

そしてヘラを使って抑え込み充填させます。

最後に埋め戻しを行い

平滑処理を行って完了です。

さいごに

このように下地工事では仕上げ工事に隠れてしまうような箇所での施工になり、実際に見る機会が少なくなります。
しかし、下地補修工事では仕上げ工事の塗装工事や洗浄工事では修繕出来ないような、ひび割れや欠落などマンションの寿命に関わるような箇所を補修しています。
また、補修を行う際には、コンクリートを削ったりするので、大きな音が発生し大変ご迷惑やご不快にさせてしまうことも多々あるかと思います。
しかし、近年多発する大きな地震などの災害の際に大きな影響を受ける前に、適切な処置を実施していますので、ご協力をお願いいたします。
災害が起きないことが一番ではありますが、いざというときに皆様の安全と笑顔を守れるよう、精一杯がんばりますのでこれからも「あなぶき建設工業」をよろしくお願いいたします。