マンション大規模修繕工事を管理会社グループで実施する3つのメリット

松井 久弥

こんにちは。あなぶきハウジングサービスの松井です。

さっそくですが、分譲マンションでは10数年に一度の周期で「大規模修繕工事」を実施することで、建物の外観や機能を保ち、資産価値を維持していきます。(12年程度の修繕周期で大規模な修繕工事を行うことが一般的です ※長期修繕計画作成ガイドライン等による)

この大規模修繕工事は、数千万円(マンションの規模によっては数億円!)の大きな費用を支出することから、マンションでも最大のイベントであり、1年~2年の準備期間をかけて様々な検討を行います。その中でも最も重要な決定事項が「どの会社で修繕工事を実施するか」です。

今回は、選択肢の一つである「大規模修繕工事を管理会社グループで実施する」ことのメリットについてご紹介します。(もちろん複数社の見積りを取得して、金額や仕様をしっかり確認することも重要ですが、今回は、管理会社グループでの実施メリットに絞ってご紹介します)

 

そもそもマンション大規模修繕工事はどのような会社が実施するのか

いざ大規模修繕工事を実施する会社を選ぶとして、候補会社としては、どのような種類の会社があるのでしょうか?

  1.  マンションを新築時に施工したゼネコン
  2.  マンション改修専門会社
  3.  地元の工務店
  4. マンション管理会社グループの専門会社

などが挙げられます。それぞれに強みがあると思いますが、今回はその中でも「マンション管理会社グループ」で大規模修繕工事を実施するケースを取り上げます。

 

管理会社グループで実施するメリット其の壱:窓口を一本化(共通化)できる

大規模修繕工事では、管理組合や入居者からの様々な問合せが入ります。

工事説明会~工事中~完了検査まで、規模にもよりますが、4ヵ月~5ヵ月と長期間に渡ります。大型やタワーマンションの場合は1年を超えることもあります。

大規模修繕工事は、新築工事と違って「人が住んでいる中で工事をする」ことから、生活に係わる相談をはじめ大小様々な問い合わせが寄せられます。また、内容によっては、管理組合で早急に対応を検討しなければならないことがこれまでにも数多くありました。
例えば、足場を架けて外壁を打診したところ、想定よりも外壁タイルの浮きが多かった為、工事費用が大幅に増加したことや、隣地からの騒音苦情により工事時間が短縮された、また昨今のコロナ禍を理由に入居者から工事の延期を求められた、等の事例を経験してきました。

このような問合せは、①大規模修繕工事会社→②管理会社→③理事会(修繕委員会)の順に入ってくると思います。特に、①→②③への情報伝達については、全ての情報が正確に伝わることが必要となります。

これが、①=②→③(大規模修繕会社=管理会社グループ→理事会・修繕委員会)となれば、よりスムーズで正確な情報伝達になることが期待できます。

また、逆に入居者からの要望を伝える場面では、③→②=①となれば、いつものなじみの会社に連絡することができ、ストレス軽減にもつながると思います。

 

管理会社グループで実施するメリット其の弐:アフターサービスの連携が期待できる

前述のとおり、大規模修繕工事自体は4~5カ月間のお付き合いですが、アフターサービスについては、工事終了後も10年間続く大変重要な項目となります。

アフターサービスとは:1年目、2年目、5年目、10年目など部位ごとに定期的なメンテナンスをおこない不具合の対応を実施します

「大規模修繕工事会社を決めるポイントは、アフターサービスの良し悪しである」と言っても良いくらい重要なのです。

 

一方、工事会社目線ではどうでしょうか?

●修繕工事費用=売上収入(工事を実施してお金を頂戴する)※最初の1回のみ

●アフターサービス対応=支出(対応時に人件費や材料代等の費用が発生する)※10年間払い続ける?

このように見ると、もし悪質な工事会社がいたとしたら、最初の工事費用で儲けて、残りのアフター費用は削減したいと考えても不思議ではありません。

 

何度も言うようですが、大規模修繕工事では、アフターサービスが重要です。次回の10数年後に向けて、しっかりと維持管理していかなくてはなりません。

この点において、管理会社グループで大規模修繕工事を実施した場合には、次のようなメリットが考えられます。

  • 日々の点検を実施している管理会社との情報連携が期待できる(システム面の連携含む)
  • アフターサービスの品質担保(管理業務でもつながっている管理会社グループであれば、アフターサービス面での品質担保に一定の牽制機能が期待できる)
  • 融通の利いた対応が期待できる

 

管理会社グループで実施するメリット其の参:お抱えの修繕工事会社ができる

大規模修繕工事は10数年に一度のイベントです。しかし、分譲マンションの修繕は大規模修繕以外にも多数存在します。また、突発的な修繕が必要になったり、漏水事故で緊急工事が必要になることもあります。あらゆる場面で「お抱えの修繕工事会社」がいれば、大変心強いと思います。

様々な修繕工事の依頼は、管理組合の意向を受けた管理会社が窓口として交渉等をおこないますが、実施時期や金額において、大規模修繕工事を実施した会社であり、管理会社と連携が取れる会社であれば、管理会社担当者の目線においても、融通が利いて、柔軟な対応が取りやすいと実感します。結果として、管理組合の為に動くことができる修繕工事会社になると思います。

 

 

大規模修繕工事の会社は多数ありますが、選択先の候補として、是非、管理会社グループの修繕会社を検討してみてください。

安心感という点においては、大きなメリットがあるのではないでしょうか。

 

 

あなぶきグループの大規模修繕工事会社

ツツミワークス(東日本エリア)  https://www.t-works1.com/

あなぶき建設工業(西日本エリア) https://anabuki-k.jp/

 

 

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松井 久弥

あなぶきハウジングサービス:松井 久弥(まつい ひさや)
2000年あなぶきハウジングサービス入社。
全国10都道府県において、管理担当・リプレイス営業・新規拠点立上げ・部門責任者に従事。特にマンション管理会社のM&Aにおいては、案件化からデューデリ・譲渡契約・お客様対応全般・統合後プロセス(PMI)までを実践。
マンション管理士、M&Aシニアエキスパート。
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