おはようございます、あなぶきセザールサポート飯野です。今回も引き続き屋上防水についてご説明します。
- シート防水とは
- 塗膜防水とは
- FRP防水とは
- まとめ
・シート防水とは
1枚の合成高分子系防水シートを接着剤または固定金物によって下地に固定して防水層を形成し、露出防水で使用します。シート防水のシートには主に塩化ビニル樹脂系や合成ゴム系が用いられますが、技術的な理由で現在は塩ビシートが主流です。耐久性や長期的なコストパフォーマンスの優れた防水方法です。
この工法で防水上重要な防水シート相互間の接合法は、シートの主成分によって異なり、合成ゴム系シートの場合は接着剤や粘着テープ、塩化ビニル樹脂系シートの場合は有機溶剤または熱風による接着工法が一般的です。
・塗膜防水とは
液状の防水材を建築工事現場で手塗りまたは機械吹きによって下地に塗り付け、その液状防水材が硬化することによって形成され皮膜を防水層とする防水工事であり、露出工法で使用します。ただしウレタンゴム系塗膜防水については、ウレタン舗装材を用いた保護工法もあります。
屋根防水の場合硬化皮膜だけでは防水層として弱点があり、それを補強材や通気緩衝シートで補う工法が標準になっています。防水塗膜の性能は塗膜厚さに比例するため、施工現場における皮膜管理が重要です。
塗膜防水材の種類としては主流になっている2成分系ウレタンゴム系、ゴムアスファルト系があります。
・FRP防水とは
ガラス繊維マットを補強材として軟質の不飽和ポリエステル樹脂溶液を下地に塗り付け、その液状防水材料が硬化することによって形成される皮膜を防水層とする工法です。保護コンクリートの上からかぶせる屋上防水改修工法として使われることもあります。
FRP防水は主材料の重視の強度や伸び性状がこれまでの防水材料とは多少異なり、一般には塗膜防水と区分されています。
・まとめ
2回にわけて防水工事についてご説明してきました。屋上防水の施行が悪いと漏水が発生し、通常の生活にも影響を及ぼします。屋上防水工事実施にあたっては総会承認を経て実施に至るため、どのような内容の工事をするのか興味を持って理事会や総会へ出席しましょう。
飯野琢磨
前職では大工や建築積算を経験。入社後、マンション修繕工事のコンサル業務、分譲マンションのリプレイス営業、分譲マンションのフロントを経験。
マンション管理のことについてはもちろんのこと、リフォームやリプレイスなどさまざまな視点から幅広い情報を提供します。
所有資格:一級建築士・マンション管理士・管理業務主任者・宅地建物取引士
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