防犯カメラを設置しているマンションで考えたい運用細則づくり

松井 久弥 松井 久弥

 

昔の日本では「水と安全はただ」と言われていましたが、いまや日本中のマンションにはセキュリティのために防犯カメラが設置されています。特に分譲マンションでは高画質・高性能な防犯カメラが標準装備となっています。一方で、録画された記録映像を視聴する場面になると、個人情報の観点等もあって迅速な対応ができないという弊害もあります。

カメラ画像を確認する時は有事の際も多いため、いざという時にスムーズに記録映像を確認できるように防犯カメラ運用ルールを事前に作っておきたいですね。

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目次

  • 防犯カメラ運用細則が必要な理由とは?
  • 具体的な運用細則の作り方
  • まとめ

 

防犯カメラ運用細則が必要な理由とは?

防犯カメラにはマンション居住者や来客者等が多数映っていますので、誰でも録画された記録映像を見ることが出来たらプライバシーが守られません。また、警察当局から記録映像の提出を求められた場合に誰の許可が必要になるかなど、事前にルールを決めておかないとせっかく設置しているカメラの役割が十分に発揮できませんので、運用細則をしっかりと作成しておきましょう。

 

具体的な運用細則の作り方

実際のマンションで使用されている防犯カメラ運用細則の例をご紹介します。

理事会等で素案を作成した上で、最終的には総会での承認決議(普通決議)を経て運用を開始します。

 

<防犯カメラ運用細則の例>

 

第 1 条 (趣旨)

この細則は、○○マンション管理規約(以下「規約」という。)第○○条に基づき、監視カメラの管理、運用に関し、組合員等の個人情報及びプライバシー保護のため必要な事項を定めるものとする。

第 2 条 (目的)

監視カメラは、○○マンション内における犯罪及び汚損・毀損行為等の防止・抑止を図り、防犯性の確保及び管理組合財産の維持保全に資することを目的として設置する。

第 3 条 (設置基準)

監視カメラの新設、増設、移設又は撤去については、総会の決議を経るものとする。

2 監視カメラは、前条の目的に照らして、マンション内の共用部分の適切な場所に設置するものとし、具体的な取り付け場所については、理事会の決議をもって決定する。

第 4 条 (閲覧)

監視カメラの記録映像は、次の各号のいずれかに該当する場合に限り、理事会の決議を経て、閲覧することができる。ただし、理事会の決議を経る時間的余裕がないときは、理事長の判断により閲覧することができる。この場合理事長は、事後速やかに理事会に報告しなければならない。

一   犯罪行為、汚損・毀損行為が発生した場合

二   前号の行為の予防保全措置を講じる必要性が極めて高いと認められる場合

三   警察当局から書面による要請があった場合

四   理事会が必要と認めた場合

2 監視カメラの記録映像を閲覧する場合は、理事長、理事長以外の1名以上の役員及び理事会が必要と認める関係者の立会いの下で行う。

3 前項の立会者は、映像内容及び関連情報について知り得た事項の守秘義務を負う。

第 5 条 (提供)

管理組合は、警察当局から書面により記録映像を求められた場合は、理事会の決議を経て、これを提供することができる。

第 6 条 (記録映像の保管)

監視カメラによる記録は一定期間保存し、その後消去する。ただし、第2条に規定する目的に基づき保存が必要な場合はこの限りではない。

第 7 条 (保守)

管理組合は監視カメラの機器、記録映像を適正に管理するものとする。

2 管理組合は、前項の業務を第三者に委託する場合は、適正な管理が確保される旨を書面で定めるものとする。

第 8 条 (細則の改廃)

この細則の変更又は廃止は、総会の決議を経なければならない。ただし、この細則の変更が規約の変更を必要とする事項であるときは規約の変更を経なければ、することができない。

第 9 条 (細則原本)

この細則を証するため、区分所有者全員が記名押印した細則を1通作成し、これを細則原本とする。

2 細則原本は、理事長が保管し、区分所有者又は利害関係人の書面による請求があったときはこれを閲覧させなければならない。この場合において、閲覧につき、相当の日時、場所を指定することができる。

3 理事長は、所定の掲示場所に、細則原本の保管場所を掲示しなければならない。

第10条  (附則)

本細則は平成○○年○○月○○日から効力を発する。

 

まとめ

防犯カメラの記録映像を見るような有事が発生しないことが一番良いのですが、それでも必要となった際にはスムーズな対応ができるよう準備しておくことが望ましいと思います。

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松井 久弥

松井 久弥

あなぶきハウジングサービス:松井 久弥(まつい ひさや)
2000年あなぶきハウジングサービス入社。
全国10都道府県において、管理担当・リプレイス営業・新規拠点立上げ・部門責任者に従事。特にマンション管理会社のM&Aにおいては、案件化からデューデリ・譲渡契約・お客様対応全般・統合後プロセス(PMI)までを実践。
マンション管理士、M&Aシニアエキスパート。
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