【分譲マンション管理組合】マンション内で新型コロナウイルス感染者発生の一報を受けた際の理事会の対応の注意点

立花晴太郎 立花晴太郎

皆さんこんにちは。あなぶきハウジングサービスの立花です。

新型コロナウイルスの脅威は衰えを知らず、先行き不透明な状況が続いています。
マンション管理の現場においても、管理組合主催イベントの中止等、お住まいの方のコミュニケーションが減少するなど様々な影響が出ており、一日も早い終息を祈るばかりです。

このような状況下において、管理組合役員の方から「もし、自分たちのマンションで感染者が発生したという一報を受けたらどう対処したらよいか」という相談を受けることが増えています。
管理組合(理事会)としての対応のあり方については、非常に難しい部分が多く、「この対応をおこなえば正解」というものはないかもしれませんが、どのようなことへ注意するべきかを考えてみたいと思います。

管理組合が感染者を把握したときの注意点

感染者発生をマンション内に告知するべき?

居住者からの申告または管理会社等からの報告により、管理組合(理事会)が感染者発生の事実を把握した場合、マンション内での感染拡大防止の観点から、感染者発生の事実を急いでマンション内へ告知しなければいけないのでは?、と考える方もいるのではないでしょうか。
確かに更なる感染拡大をさせない措置を講じることは大切ですが、感染者発生の告知については細心の注意が必要です。

2017年施行の改正個人情報保護法において、扱う個人情報が5000以下の団体もその対象となり、マンション管理組合も含まれるようになりました。
感染者情報は重要な個人情報にあたり、取扱いには細心の注意を払う必要があります。
部屋番号や氏名を公表するようなことは言うまでもなく厳禁です。匿名で感染者発生の事実のみ公表する場合であっても、必ず本人の同意を得る必要があります。
マンション内において、悪意をもって特定したり、差別・非難するような行為が起きてしまうリスクも考慮する必要があります。

また、管理組合の理事においては、知り得た情報を非公開とした場合、情報の秘匿を徹底し、プライバシーを侵害しないよう十分に配慮しなければなりません。

ここで気になるのが、管理組合(理事会)が感染者発生の事実を知りながら、物理的な対応(共用部分の消毒など)を行わなかった場合、善管注意義務違反(管理組合の役員は「善良なる管理者」の注意義務を負っています)に問われるかということです。
このことについて、マンション管理新聞(第1137号)に弁護士の見解が掲載されていましたが、記事中では「違反に問われることはないのではないか」とのことでした。
居住者の感染によって、管理組合の役員が何らかの対策を講じる「義務」はないと考えて良さそうです。

自分のマンションで感染者が発生すると、不安になり少なからずパニックになることもあるかと思います。焦って行動するとその結果、トラブルや訴訟等に発展…なんていうことがないよう冷静な対応が必要です。
前もって管理組合としての対応方針を理事会等で検討しておくこともとても有効かと思います。

なお、管理会社が感染者情報を把握した場合は、管理業者が管理受託をしている立場で知り得た情報であり、管理組合は第三者に該当しないため、本人の同意にかかわらず管理組合(理事長)に情報提供が行われる場合もあると考えられます。

共用部の消毒作業等について

「もし、マンション内で感染者が発生した場合、保健所等が共用部分の消毒作業を行ってくれるのか」という質問を受けることがあります。当社が知り得る範囲ではエリアによって対応はまちまちですが、基本的に保健所では行わないと考えておいたほうが良いと思います。
つまり、共用部分の消毒作業を行う場合は、管理組合によって行う必要があるということになります。

ウイルスは、長時間空間に浮遊し続けることはないと言われているようなので、専門業者に依頼し消毒液を噴霧する等の大掛かりな作業は必要ないようです。
(当然、保健所の指導に従い必要な措置を講じることとなります)

具体的には、多くの人が直接触る共用部分(エントランスオートロックのボタン、エレベーターのボタン、ドアの取っ手、手摺り、共用トイレ等)の消毒を行うことで十分とされています。
マンションによって日常清掃範囲や頻度などが異なりますが、管理会社と相談のうえ日常清掃の範囲において十分対応できるのではないでしょうか。

なお、消毒作業を行う際も、感染者の特定につながらないよう、該当のフロアだけでなく、全てのフロアを対象にする等の配慮も必要かと思います。

最後に

本当に早期の終息を祈るばかりですが、感染者の発生状況を鑑みると、しばらくはウィズコロナの生活が続きそうです。
もはや、いつだれが感染してもおかしくない状況において、マンションでの感染者発生時に管理組合として冷静に対処できる準備を整えておくことはとても大事だと思います。
当社も管理会社として、十分に感染拡大に配慮しながら、ウィズコロナ時代のマンションライフが少しでも安全快適となるようサポートしてまいります。

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立花晴太郎

立花晴太郎

あなぶきハウジングサービス 立花 晴太郎(たちばな せいたろう)
宮城県仙台市出身。分譲マンション管理(フロント)業務、新規受託営業に従事し、様々な地域の様々なマンションに携わらせていただきました。「より快適なマンション」へのヒントになるような情報を提供していきます。
保有資格:マンション管理士、管理業務主任者、宅地建物取引士、マンション維持修繕技術者
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